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» 2006年10月17日 23時59分 公開

赤は赤でも“あの”赤じゃない――ロゴに込められたイー・モバイルの情熱

イー・アクセスとイー・モバイルが記者懇親会を開催。イー・モバイルの新しいロゴマークの詳細や、来春からスタートするデータ通信事業、2008年から始まる音声通信事業について説明を行った。

[平賀洋一,ITmedia]

 イー・アクセスとイー・モバイルは10月17日、都内で記者懇親会を開催した。同日発表した新しいロゴマークの詳細や、今後のモバイル事業についての説明が行われた。

赤は赤でもあの赤ではない

photo イー・アクセス/イー・モバイル 代表取締役会長 兼 CEO 千本倖生氏

 最初にあいさつした千本倖生会長は、海外で講演した際の反応などを交え、日本の携帯市場について世界が注目しているのは番号ポータビリティ(MNP)ではなくイー・モバイルの新規参入だと話すとともに、新ロゴマークに込められた同社の「想い」を語った。

 「アメリカやヨーロッパで講演すると、日本で番号ポータビリティが始まることは少なからず驚かれる。しかし、MNPはモバイル事業全体を100とすると1にも満たない出来事。それ以上の衝撃と受け止められているのは、大企業の庇護もなく、まったくのグリーンフィールドから3.5Gの通信事業へ参入する我々の挑戦だ。ベンチャー企業として資金を集めた初のモバイルオペレーターとして、非常に驚かれている」(千本氏)

 新しいロゴマークについては、「ロゴは、前のものより角張ったものにした。スクエアでエッジがあり、我々のシャープさや斬新さをアピールできると思う。ただし、角に丸みを付けて優しさもあることを表した」(千本氏)と説明。

 また、コーポレートカラーについては「赤はなんといっても情熱と発展の色。我々の挑戦とそのエネルギーを表している。私はバラの花束を人に贈ったことなんてないが、赤いバラの花のように(モバイル事業への)愛を込めた色だ」(千本氏)と語り、「ボーダフォンの赤じゃないですよ」と落とす一幕もあった。

photophoto

スマートフォン的な端末の可能性も

photo イー・モバイル 代表取締役社長 兼 COO 種野晴夫氏

 続いて登壇した種野晴夫社長は、2007年3月からデータ通信、2008年の3月から音声通話を開始するスケジュールを説明(2006年7月20日の記事参照)。エリアについても東名阪の中心部、東京地区では国道16号線内、大阪・名古屋ではそれぞれ市内が圏内になることを明らかにした。以降、全国政令指定都市、主要都市と広げていく計画だという。

 2008年3月には、NTTドコモとローミングする音声通信サービスを開始。ローミングは、イー・モバイルのネットワークを敷設するまでの一時的なもので、「ドコモとのローミング契約が切れる2010年10月以降はすべて自前の施設にすることが目標」と語った。

 気になる端末については、来春のスタート時はデータカード型を数機種用意し、音声通話のスタート時には、BlackBerryのようなスマートフォン端末も含まれる可能性を示した(2005年7月13日の記事参照)。その後、組み込み用途向けの端末をリリースする予定だという。具体的なサービスや料金、端末については2007年2月の発表を目指すとし、端末の開発については、「現在、国内外を含め複数のメーカーと接触している。あまり高くならない価格で、キャリア(イーモバイル)がイニシアティブをにぎって進める」と話した。

photophotophoto HSDPAのデータ通信サービスを2007年3月にスタートし、音声通話は2008年3月から始まる(左)。当初は東名阪エリアでサービス開始(中央)。数種類のデータ通信カードからはじまり、音声端末はシンプルなものやスマートフォン的なものも提供(右)

 また、主なターゲットになるのは、ビジネスマンの2台目市場で、全国の量販店を中心に販売展開を行い、現在のところ専門の法人営業部門を設置する考えはないとした。2008年から5年程度で500万人の加入者を目指すという。

格差を広げるNTTのFTTH事業

photo 関東地区のブロードバンド普及状況

 千本氏は懇親会において、今後成長する通信事業はモバイル事業しかなく、ADSLやFTTHなどのブロードバンド市場が飽和状態に近いこと、また、そのブロードバンド市場でFTTHを推進するNTTやKDDIの動きに疑問を投げかけた。

 「日本のブロードバンドでは、ADSLの伸びが止まって純減モードに入った。その変わりFTTHが伸びているという。このカラクリは、NTTが大規模なマーケティングと設備投資を行い、ADSLユーザーをFTTHユーザーに付け替えているだけ」と、一刀両断した千本氏は、NTTのFTTH事業について2つの問題点を挙げた。

 「日本でくまなくADSLが普及し、さらに速いネットとしてFTTHが増えているわけではない。ADSLはもちろん、CATVも選択できる大都市の中心部でFTTHが普及している。一方、関東エリアでも、ADSLが使えない土地はまだある。NTTは最低限のブロードバンドであるADSLエリアを広げず、都市部に住む富裕層相手に、使いこなせない速度の光ファイバーを売り込んでいる。これでは所得や地域による情報格差は広がる一方だ」

photo FTTH事業の負のスパイラル

 「競争が嫌いなNTTは、FTTHによってブロードバンドの独占を狙っている。ADSLであれば参入業者が多くなるが、光ファイバーであればプレゼンスを持った会社はNTTしかない。そのためADSLエリアは広げず、すでにブロードバンドを利用しているユーザーをFTTHに付け替えている」

 NTTがシェアを望むあまり、設備投資への回収に時間がかかる、つまりあまりもうからないFTTHを推進するのは健全ではないと語った。

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