“薄さ”“固さ”に込めた思いと“ピンク”へのこだわり「705P」開発者インタビュー(2/2 ページ)

» 2006年10月19日 15時16分 公開
[遠藤学(聞き手:岩城俊介),ITmedia]
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“エロいピンク”は標準色だった!?

 ボディカラーは、標準色として「コーヒーブラック」「ノーブルシルバー」「ピュアホワイト」、限定色として「スチルブラック」「スチルネイビー」「メドウグリーン」「モードピンク」の全7色がある(10月10日の記事参照)。

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 もともとはシルバーを基本に、渋いあずき色など、提案ベースで20色以上を用意したという。ここから3色に絞り込む予定だったが、「ボーダフォンからソフトバンクに変わるにあたり、10月1日のタイミングでたくさん色展開をしたいという孫社長の強い思い入れがあった」(伊藤氏)ことから、急きょ7色へと変更。

photo 北出氏お勧めのモードピンク。“エロいピンク”と言っていたが、男性が持っても恥ずかしくない色に仕上がっている

 「増えたおかげでメドウグリーンとか、これまでなかなか実現しなかった色が実現した。過去に緑で売れたモデルはないと思うので貴重な機会」(北出氏)と前向きにコメントする一方で、「当初決めていたスケジュールは3色でのものだったので、そこから色数を増やすのは大変だった。かなり短期間でがんばった」(目黒氏)と語るなど、苦労の様子がうかがえた。

 ちなみに3色だった場合は、コーヒーブラック、ノーブルシルバー、モードピンクになっていたという。中でも、モードピンクにはデザインとして一番のこだわりがあり、「はやりの“エロいピンク”を出したいと思った。某雑誌の表紙ではメドウグリーンが使われたが、個人的にはもっとモードピンクを押してほしい」(北出氏)と、ここぞとばかりにアピールしていた。


隠し球は「ボディカラーと同じ色で光るキーシート」

photo ダイヤルキーはフラットではなく、しっかりと凹凸(おうとつ)がついている

 ダイヤルキー部分にも苦労がある。「フラットにすればもっと薄くなるが、操作性を失わないように凹凸(おうとつ)をつけている」(粂氏)のだという。押したときの心地よさはキーストロークの深さではなく“カチッ”という固さ、感触が重要だと北出氏は話す。「ボタンがムニュムニュしていると、いくらストロークがあっても押した気がしないので、従来のダイヤルキーよりも固めにチューニングした。ボタンの出っ張りもあるので、押しやすさが犠牲にはなっていない」(北出氏)

 安っぽくなりがちなキートップの処理にも、バックライトが見やすいELのキーシートを採用するなど、細かいこだわりを見せる。明るいところでその光は見えづらいが、これまでのライトとは光り方が異なり、ボディカラーと同じ色で光るようにしているのだという。

 「ピンクはいやらしく光るようにとか。従来のものと比べて操作性、見栄えが悪いというのは避けたかったので、ライティングにもこだわった」(北出氏)、「ダイヤルキー部分は他社さんも含めていろいろとしていると思うが、試作の段階からこだわって、さまざまなチャレンジをしている」(伊藤氏)と自信を見せた。


photophoto 明るいところでは分かりづらいが、暗いところでは写真右のようにキレイに光る。スチルネイビーを使用

 「撤退したJ-P51も担当していたので、半端なものでは再参入した意味がないと考えていた。自信を持って再参入できるものができた」と粂氏が語れば、「今日の集まり具合を見ても分かるように、みんないろいろと思い入れがある」と北出氏が続く。J-P51の登場から約4年、再参入という使命を背負った705Pには並々ならぬ思いが込められている。

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