「楽オク」はドコモのコンテンツ「最終兵器」

» 2006年11月13日 19時59分 公開
[ITmedia]

 楽天とNTTドコモが共同出資する楽天オークションは11月13日、PC向けオークションサイトをオープンした。20日にはiモード版も公開する。出品者と落札者が匿名で品物と代金をやり取りできるエスクローを標準の取引方式としたのが特徴。「安全・安心」を売りに、楽天のECノウハウとドコモのユーザーベースを活用してヤフーやau(KDDI)ら先行他社を追撃。2010年に取扱高4000億円、ユーザー1500万人を目指す。

photo 楽天の三木谷社長(中央左)、ドコモ執行役員の夏野氏(中央右)ら

 新サイト「楽天オークション」(楽オク)は、匿名エスクローサービス「楽天あんしん取引」を標準で利用できるのが特徴。出品者と落札者との間でメールなどによる直接の連絡が不要で、住所・氏名や銀行口座番号などを互いに相手に知られずに取引が可能だ。

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 エスクローは日本郵政公社と組んで行う。出品者が品物を発送する場合は、宛先として落札者の住所・氏名の代わりに、オークションIDと送付先の都道府県を記入するだけで済む。郵政公社はIDをもとに落札者の住所・氏名が記入された伝票に貼り替えて配送する仕組みだ。

 落札者の支払いは、オークション専用銀行口座への入金かクレジットカードで行うが、出品者の個人口座への入金は、落札者が品物の受け取り確認をしないと行われない。このため「落札してみたら偽ブランド品だった」といったケースなど、品物に問題があった場合でも落札者側の損害を最小限にできる。出品者側も、落札者から口座への入金があったかどうかを確認する手間が省けるメリットがある。

 iモード版では登録手続きを簡略化し、サイトに空メールを送るだけで楽天の「準会員」として登録、即座に入札に参加できるようにした。またPC版、iモード版とも、取引開始から取引完了まで、それぞれの段階に応じた「ToDo」リストを表示するガイド機能を備え、オークションに通じていない初心者に配慮した。

 iモード版ではSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)機能も導入(関連記事参照)。出品者と落札者が「オク友」になることができ、アバターを介してコミュニケーションも行える。匿名エスクロー方式の「相手が見えない」点をカバーする工夫だ。

 基本料金などはなく、PC版の入札とiモード版の出品・入札は無料で行える。PC版で出品する場合のみ、落札額の3.15%が「システム手数料」として請求される。また配送時に通常の「ゆうパック」料金+150円がかかる。

「チャレンジャー」の楽天・ドコモ

 国内ネットオークション市場は年間取扱高ベースで6500億円規模に上る。PC向けオークションでは「Yahoo!オークション」がほぼ独走し、携帯電話向けでは、「モバオク」のディー・エヌ・エーと組んだKDDIが先行。ショッピングモール最大手の楽天と、国内最大の携帯電話キャリアのドコモだが、同市場では「チャレンジャー」の立場だ(関連記事参照)

photo 「本日はお日柄もよく、場所柄もよく……向かいのビルの人が入ってくることはないと思いますが」と話す夏野氏らが出席した発表会は、ソフトバンクの本拠地にほど近い東京・汐留のホテルで開かれた

 ドコモ執行役員の夏野剛氏は、新サービスの発表会で、「ドコモを端末にもコンテンツにも『死角なし』にするのが私のミッション。Napsterで音楽は他社を超えたと思う。そして『コンテンツに死角なし』の最終兵器が楽オク。PCとモバイルの両方で日本一になるポテンシャルがある」と胸を張った。iモード版は、iモード公式サイトとしては初の消費者間オークション。エスクローを標準サービス化し、取引の安全性を確保した上での新規参入だ。

 開始後は、iモード公式の「iメニュー」トップページに楽オクへのリンクを表示し、月間2億ページビュー・2100万ユニークユーザーというiメニューのトラフィックを誘導する。夏野氏は「個人情報が出るのを嫌がりオークションを避けてた人はたくさんいる。エスクローを標準にしたことで、潜在ユーザーは他社より多いはず」と普及に自信をみせる。

 楽天の三木谷浩史社長も「楽オクはいずれ楽天の中核となるビジネスアプリケーション。徹底的に強化していきたい」と期待を込める。現在の「楽天フリマ」は11月24日で終了し、楽オクへの移行を促す。今後も「トラフィック面でもノウハウでも、楽天グループの総力を挙げて全面的にサポートする」という姿勢だ。

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