ライバルは“過去と未来のNEC”――開発陣に聞く「SIMPURE N1」「SIMPURE N1」開発陣インタビュー(2/2 ページ)

» 2006年12月28日 22時51分 公開
[平賀洋一,ITmedia]
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“ムーバユーザー”に使ってほしいSIMPURE N1

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 ドコモのFOMA契約は11月末の段階で約3000万を超え、ドコモ全体の約6割に達している(12月7日の記事参照)。残り4割の2000万以上がムーバ端末だが、ドコモでは周波数の問題からFOMAへの移行を推し進めている。

 最新のムーバ端末は3月に発表された「N506iSII」と、4月に発表された「P506iCII」の2機種で、これ以降はFOMA端末のみが新機種として発表されている。ドコモでは「要望があればムーバ新機種を開発する可能性はある」としているが、新たなムーバ端末がいつ登場するかは不透明だ。

 NECは、いまだ多いムーバユーザーの声から、90x/70xシリーズではカバーしきれていないポイントをSIMPURE N1に盛り込んだ。

 「FOMAへの乗り換えを検討されたものの、結果としていまだムーバ端末を使用しているユーザーからは、“FOMAは大きい、重い”“使わない機能が多い”“持受・通話可能時間が短い”“動きが遅い”という声が多くありました。あまり付加機能は使わず通話とメールをヘビーに使う――こうしたムーバユーザーを、いかに取り込むか。これがSIMPURE N1の開発ポイントでした」(井上氏)

 特にSIMPURE N1が意識しているムーバ端末が、同社製の「N252i」と「N253i」だという。2〜3年前の端末だが、ムーバ端末として非常に完成度が高く、多くのユーザーが使い続けているモデルだ。

 「SIMPURE N1は、N25xシリーズユーザーが期待している、コンパクトさや待受時間、通話時間の長さを実現できた。処理速度もムーバ端末に近い速さになっています。同時に、絵文字やデコメに対応し、日本語入力機能もMogic Engineの搭載で強化しました。そして、直デン機能や文字の拡大機能、シンプルメニューなど、使いやすさの部分もプラスオンしました」(井上氏)

photophotophoto 待受画面やメニュー画面を一括して飾れるのがスタイルモード。ボディはシンプルだが、作り込まれたコンテンツを内蔵し、閉じたときと開いたときの差を楽しめる
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 こうした、携帯電話として基本的な部分を突き詰めたスペックは、ベースとなった90xi系統の端末から、高付加価値機能をそぎ落とすことで実現できたという。高画素カメラやFeliCaチップ、ミュージックプレーヤーといった機能を搭載しないことで、省電力性を高め、処理速度も向上させた。FOMA最小・最軽量、700時間という連続待受時間は、ムーバユーザーに向けられたメッセージと言えるだろう。

 仕様だけでなくデザインも、同社らしい携帯電話らしさを追求した結果だ。「ナチュラルスクエアフォルム」のボディは、持ちやすさや使いやすさを重視しさりげなく、そして飽きのこないデザインになっている。これは、長い間使っても古く見えないようにという配慮もされている。そして、N253iで好評だった、宝石のようにカットされたLEDをあしらった「ジュエル・イルミネーション」として復活させ、エンブレム的な演出をしている。

photophoto ダイヤカットされたジュエリー感覚のイルミネーション3連LED。うち1つがカラバリごとに色が変えられており、アクセントになっている。通話時のイルミネーションもちろん、不在着信お知らせとしても機能する

 「おそらくSIMPURE N1を選ばれる方は、同じ端末を長い間お使いになる方でしょう。N25xiから乗り換えても、できるだけ違和感のないデザインであること。そして、将来、新しい端末が出ても見劣りしないような、シンプルで嫌みのないものに仕上げています」(井上氏)

 過去の名機を復刻させた趣のSIMPURE N1だが、現在ならではの機能をおろそかにしているわけではない。NECとしては初となる、視野角制御機能である「プライバシーアングル」を搭載した。メール作成時などに、ディスプレイの輝度を下げ、のぞき見を防止するものだ。また、端末を閉じることでロックがかかるセキュリティ機能や、メール文章を解析して自動的にデコメを作成できる「おまかせデコメ」を搭載。さらに、ダイヤルキーやディスプレイ表面など、皮膚に接する部分をすべて抗菌仕様にしている。

photophoto 絵文字に対応するほか、デコメピクチャも豊富に用意。極め付けは、自動的にデコメを作成できる「おまかせデコメ」のプリインストールだ

 基本機能を突き詰め、同じ機種を長く持つユーザーを想定したSIMPURE N1は、“過去のNEC”が開発したN25xシリーズと“未来のNEC”が開発する将来のFOMA端末という2つのライバルを相手にする端末だ。ただのエントリー向けローエンド――と侮れない、NEC渾身のFOMA端末といえる。

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