番号ポータビリティ時代の戦い方──通信事業者4社の抱負

» 2007年01月05日 23時14分 公開
[園部修,ITmedia]

 新しい年が明け、移動体通信事業者のトップが年頭所感を発表した。2006年はソフトバンクによるボーダフォンの買収番号ポータビリティ制度の開始など、携帯電話業界は非常に話題の豊富な1年だった。一方、2007年は引き続き番号ポータビリティ制度下での激しいせめぎ合いが続くほか、新規事業者の参入などもある。各社の代表たちは、どのような決意を表明したのだろうか。

「しっかりとお客様に向き合ってMNPを勝ち抜く」──NTTドコモ

Photo NTTドコモ 中村維夫社長

 NTTドコモの中村維夫社長は、全社を挙げて取り組んできた番号ポータビリティ(MNP)対策にもかかわらず、11月の契約者数が創業以来の純減となった厳しい現実に触れた。しかし、「今の状態に一喜一憂すべきではない」と、今後もずっと継続していく番号ポータビリティ制度下での競争を勝ち抜くため、しっかりとお客様に向き合うことが重要だとの認識を示した。

 このような状況下では「環境の変化や厳しさをチャンスだととらえ、スピーディに対応していくことが重要」(中村氏)であり、2007年は個人、法人を問わず「これまで以上に既存のお客様に満足いただき、当社のサービスを使い続けていただく」(同)ことを目指す。また通信料に依存しない新たなビジネスモデルの拡大や、国際事業の拡大・推進、研究開発の絶えざる挑戦なども重要な課題として位置づけている。

 なお、これらすべてを実行するには「意志決定プロセスを含めた体質改善が不可欠」との判断から、新年度までには具体的なアクションプランを提示するという。中村氏は「今年もいろんな課題が山積み」と、楽観してはいないものの、「みなさん明るく、楽しく一緒にがんばりましょう」と檄を飛ばした。

「競合他社との競争優位性を創出し、堅持する」──KDDI

Photo KDDI 小野寺正社長兼会長

 KDDIの小野寺正社長兼会長は、番号ポータビリティの順調な滑り出し東京電力の光通信部門の継承、Googleやグリーとの提携、顧客情報の流出事件やMNPシステムのトラブルなどを通し、世間の多くの人が「KDDIが大企業の仲間入りをした」と認識したのが2006年だと振り返った。

 そして、2007年は世間の目がより厳しくなり、今後は期待や要望もさらに高まることから、商品力や技術力などの総合的な提供力が重要になることを強調。売上げ規模の拡大による「量的拡大」だけでなく、仕事のクオリティアップによる「質的向上」も不可欠で、この量と質の両立こそが、「名実ともに大企業といわれる会社に脱皮する試金石」(小野寺氏)だと話す。一方で、大企業病に陥らないため、「戦略とスピード」「攻めの姿勢」は忘れないでほしいと釘を刺した。

 2007年には、KDDIが持続的に成長するためのシナリオ作りと方向の見定めが必要だと小野寺氏。そのためには「現状に甘んじることなく、社員一人一人が自らの意識を改革し、仕事を変えていく」という“成長のための改革”が必要であると指摘する。それを実行することで、理想の企業像である「常にお客様から選ばれ、長くご利用いただける強いブランドになること」が実現可能だとした。

「真のデジタル情報革命を推し進める歴史的な年に」──ソフトバンク

Photo ソフトバンク 孫正義社長

 ソフトバンクの孫正義社長は、ボーダフォンの日本法人買収により、ついに念願だった携帯電話事業への参入を果たしたことを報告。情報インフラとコンテンツを提供していく「総合デジタル情報カンパニー」であるソフトバンクグループに携帯電話事業というピースが加わったことで、2007年は「真の“デジタル情報革命”を推し進める歴史的な年になる」と力強く宣言した。

 携帯電話事業については、買収直後から矢継ぎ早に新端末新料金プランなどの施策を発表してきたが、「まだスタートラインに着いたばかり」と孫氏。携帯電話は人々の知恵や知識といった情報をいつでもどこでも誰とでも共有できる「デジタル情報革命」実現のために不可欠な機器であり、今後は携帯を「音声のみならずあらゆるデータ情報にアクセスしやすいものに変えていくことで、今まで以上に使いやすく、魅力的なものにしていく」(孫氏)と語った。

「独自性を前面に押し出して携帯陣営に勝つ」──ウィルコム

Photo ウィルコム 喜久川正樹社長

 2006年10月26日付でウィルコムの代表取締役社長に就任した喜久川正樹氏は、携帯電話事業者が2007年春を最大の商戦期ととらえている中で、「戦う集団」となってウィルコムとしての存在感を出し、成長していくことを誓った。

 特にウィルコムが強みを持つ「音声定額」「スマートフォン」「法人市場」の3つについては、携帯電話事業者との激しい競争が見込まれているが、「独自性を前面に出し切れば必ず勝ちきれます。今年の干支通り、“猪突猛進”して勝利しましょう」(喜久川氏)と必勝態勢で臨む。

 さらに2007年は、DDIポケットとしてPHS事業を開始してから12年目にあたり、干支が一巡したことから、次の12年へ向けて、売上げも利益も伸ばしていくべく「売上げの最大化・費用の最小化」と「スピーディな経営」を実現していくとした。

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