W52Tで惹かれるポイントは、やはりディスプレイ。2007年1月16日現在で世界初となるワイドVGA(480×800ピクセル)解像度対応の3インチワイド液晶を採用する。横幅は2.6インチQVGAディスプレイとほぼ同じで、ワイド液晶である分、縦が長い。
さて、480×800ピクセルという高い解像度のディスプレイが特に威力を発揮するのは、EZナビウォークとPCドキュメントビューアー、そしてPCサイトビューアーだ。
EZナビウォークは表示が精細になるだけでなく、建物名や路地なども含めて、より広範囲に地図表示が行えるようになる。目的地を地図から探す場合や“徒歩ナビ”機能を活用する場合はもちろん、車内で使用する「EZ助手席ナビ」の使い勝手も、この高解像度化により格段に向上する。
PCドキュメントビューアーは高い解像度で広範囲に表示できる分、表示情報量が格段に増える。また、QVGA解像度のディスプレイではレイアウトが確認できる程度だったPC向けのA4サイズほどで作成されたファイルの内容は、同じ拡大率であっても文字列を識別できるほど精細に表示できる。
PC向けサイトの閲覧ができる「PCサイトビューアー」も、ワイドVGAのディスプレイでより便利に活用できるようになる。PCサイトビューアーには6段階のフォントサイズが用意され、これらを切り替えることで、高い解像度をいかした情報量重視の表示はもちろん、視認性重視の表示もできる。
QVGA表示対応のディスプレイと比べると、やはり、PCで閲覧する場合に近い見え方で表示できるのがうれしい。そして、横スクロールする頻度も格段に減る(サイトをそのままのレイアウトで表示する“PCスクリーンモード”の場合)。一方、上下スクロールだけで閲覧できるよう縦にコンテンツを並べ替えて画面内で文字を折り返す“スモールスクリーンモード”時も、より違和感の少ない表示で閲覧できることになる。
なお、本機も含めて、2007年のau春モデルではその多くに機能拡張版のPCサイトビューアーが搭載される。ファイルのアップロードやPCサイト内の画像・PDFファイルのダウンロード、タブ機能、Flash再生などが行えるようになった。
この拡張機能で特に便利なのが、ファイルのアップロード/ダウンロード機能だ。PCサイトからファイルをダウンロードする、撮影した写真をそのままブログにアップする、オンラインストレージサービスを利用する、などの活用シーンが挙げられる。
アップロード/ダウンロードできるファイルは、静止画データやPCドキュメントビューアーで扱えるフォーマット(Word、Excel、PowerPoint、PDFなど)のファイルなど。アップロードは最大80kバイト、ダウンロードは最大256kバイトまでとファイル容量の制限はあるが、それでも高解像度ディスプレイと合わせて、よりPCライクに使えるようになった(初出時、アップ/ダウンロードの最大容量記述が異なっておりました。お詫びして修正いたします。正しくは上記の通りです)。
これらの機能以外にも、画像を扱うほとんどの機能で高解像度の表示を有効に利用できる。例えば、待受画面には480×800ピクセルの静止画を壁紙にでき、画像編集/トリミング機能も480×800ピクセルで切り抜る項目が用意されている。
加えて、QXGA(2048×1536ピクセル)サイズの巨大な静止画像も待受壁紙に指定できる。それが、2048×1536ピクセルの画像のうち、上下左右に表示枠が自動的に移動し、480×800ピクセル分を切り取った部分を表示する仕組みの「ストリームスクリーン」という機能。常に動きのあるFlash待受あるいはスクリーンセーバーのようなイメージで楽しめるユニークな機能だ。
アドレス帳やメニュー、メール、EZweb利用時は、従来のQVGA表示対応ディスプレイと同様のフォントを使用し、上下左右共に2倍角で表示する。そのため、基本的な情報量はQVGAディスプレイのそれと大きく変わらない。これは表示のレスポンスや視認性を考慮したものと思われる。
もちろんワイドである分、情報量は増えている。QVGAディスプレイのW44Tと比較すると、フォントサイズを最小にしたメール本文の表示で、21行から28行分に増加。約1.3倍の情報量となっている。
また、アドレス帳なども一覧性が向上している。単純にフォントを2倍表示するだけでなく、アンチエイリアス処理を行い、ジャギー(ぎざぎざ)が目立たないよう配慮されている。実際、フォントサイズを“最大”にしても、不必要にじっくり見ない限り、ジャギーはほとんど気にならなかった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.