auの2007年春モデルで注目度が特に高い1台が東芝製のハイエンド機「W52T」だ。
W52Tは、ワンセグデジタルラジオ、EZ FeliCa、手ブレ軽減&AF付きの324万画素カメラ、Bluetooth、そしてワイドVGA(480×800ピクセル)表示対応の3インチワイドディスプレイを搭載。“ほぼ全部入り”と言える充実のスペックを、スライド型ボディに凝縮させた。
2007年のau春モデルは「ワンセグ+EZ FeliCa」──昨今のトレンドとなる機能を備える機種が増えた(計5機種)。
それに加えてワイドVGA表示対応の高解像度ディスプレイも搭載するのは本機のみである。さらにワイヤレス音楽再生(A2DP)対応のBluetooth機能も加わり、「ワンセグ+EZ FeliCa」対応端末の中でも特に多機能・高機能な端末になっている。
東芝としては初のスライド型ボディを採用し、ボディサイズはディスプレイを閉じた状態で51(幅)×111(高さ)×22(厚さ)ミリ、重量は約152グラムとなる。最近、ニーズが高い薄型&小型の端末と比較すると値としてはやや大きいが、平均的な水準には収まっている。
また、スライド型ボディはディスプレイを開いても重心が大きく移動しないメリットがあり、片手で持っていても不快な重さはほとんど感じない。au端末初のスライド型を採用した日立製作所製の「W22H」と同様に、開閉時に半分ほどまで指でスライドさせると、バネの力で全開/全閉する機構が備わる。スライド時の動きもスムーズで、安っぽさも感じない。
そんなスライド型端末によく感じられることの1つに、手狭になりがちなダイヤルキー部の操作性が挙げられる。W52Tのダイヤルキーは、回転2軸ボディの旧機種「W44T」の縦キーピッチと比較するとやや狭いが、それでもその9割ほどが確保されている。その分、オープン時における十字キーなども含めた操作部全体の長さはW44Tより短めに収められており、段差こそはあるが、片手で持った時にすべてのキーへ無理なく親指が届くようになっている。
誤操作を防ぐためのキーロックも備わり、スライド動作と連動する仕組みとなっている。ディスプレイを閉じるとディスプレイ側と側面のキー操作が無効になり、開くと解除といった動きとなる(普段は無効にせず、側面のキーで明示的にキーロックすることも可能)。
また、常にメインディスプレイが表向きとなるため、Eメール受信時は送信元や題名を表示せず、メールを受信したことのみ表示するようなプライバシー保護の設定もある。W52Tは東芝初のスライド型端末であるが、押さえるべき部分はしっかり押さえてあるという印象だ。
では、細部を見ていく前に、改めてW52Tの機能をおさらいしておこう。
AV機能としてワンセグ、デジタルラジオ、FMラジオ(アナログ)、着うたフルに対応し、2007年のau春モデルとして唯一対応するBluetooth機能はW44Tに引き続き、ワイヤレスでのステレオ音楽再生もサポートする。
カメラ機能は324万画素のAF+手ブレ軽減機能付き。静止画像はもちろん、VGA(640×480ピクセル)/30fpsの動画撮影も行える。インターネット関連の機能に、PCサイトビューアーとデコレーションメール機能を搭載。そのほか、EZ FeliCa、PCドキュメントビューアー、ボイスメモ(ICレコーダー機能)、国語/和英/英和辞書機能(辞スパ)などを搭載する。
大容量の1Gバイト内蔵メモリに加え、最大2Gバイトの製品まで対応するmicroSDカードスロットを搭載する。最新のau端末として欠けている機能は、テレビ電話(および高速通信規格のEV-DO Rev.A)やオープンアプリプレイヤーに対応しない程度だろうか。
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