モバイルエンタープライズを次のレベルへ──Nokiaの「E90 Communicator」が登場3GSM World Congress 2007

» 2007年02月13日 12時44分 公開
[末岡洋子,ITmedia]
Photo E90 Communicatorなど3機種のEseriesを発表

 2月12日、スペイン・バルセロナで世界最大規模のモバイル業界の展示会「3GSM World Congress 2007」が開幕した。プレス発表会を開催したNokiaは、CEO兼社長のオリペッカ・カラスブオ氏らがCommunicatorの名を冠した「Nokia E90 Communicator」など端末6機種を発表した。キーワードは、エンタープライズ、GPS、モバイルテレビだ。

 今回最大の目玉は、ビジネス向けラインの「Eseries」だろう。一気に3機種を投入しただけでなく、同社が2006年から明らかにしていた通り、根強いファンを持つCommunicatorカテゴリの製品「E90」が新たにEseriesファミリーに加わった。

 同社モバイルソフトウェア・セールス&マーケティング副社長のアンティ・バサラ氏は、E90を「妥協のない端末」と呼ぶ。E90は、WCDMA/HSDPAとWiFiをサポートし、大容量ファイルのダウンロードのニーズに応える。4インチの大きなディスプレイに320万画素カメラを搭載し、GPS、テレビ会議などの機能を備えた。

 E90はプラットフォームにSymbian 9.1/Series 60を採用しており、この点についてバサラ氏は「巨大な開発者コミュニティがあること」が大きな意味を持つと話す。「ユーザーにとっては豊富なアプリケーションを意味し、開発者にとっては開発作業の軽減につながる」とメリットを強調した。

 2機種目のEseriesは「Nokia E61i」。欧州では、ビジネスユーザーの間で人気となり、日本市場にも登場した「Nokia E61」のアップグレードとなる。バサラ氏が「モバイル電子メール端末」と呼ぶように、最大の強化点は電子メール。ワンタッチボタンをサポートすることでユーザビリティを改善し、電子メールをさらに使いやすくしたという。フォームファクタでは、厚さが11.5ミリとE61より6.5ミリ薄くなった。

 3機種目は薄型スライド端末の「Nokia E65」。同じくワンタッチボタンを備え、3GとWiFiに対応。「機能とデザインの両方を追及した1台」とバサラ氏は説明する。

「Nokia Intellisync Mobile Suite 8.0」も登場

 Nokiaはエンタープライズ市場においてモバイル電子メールに大きな需要があると見ており、Intellisyncを2006年に買収するなど(2005年11月の記事参照)、この分野を強化してきた。だが、日本など一部の市場を除くと、モバイル電子メールはまだまだ利用が進んでいない。実際、「ビジネスユーザーの30%しか(モバイル電子メールを)利用していない」とカラスブオ氏は説明する。

 同社はこの日、モバイル電子メールソリューションの最新版「Nokia Intellisync Mobile Suite 8.0」も発表。最新版ではS60のほか、UIQ、Palm、Windows Mobileなど、端末にして100機種以上のプラトフォームをサポートした。ホスティングやライセンスを柔軟にし、「モバイル電子メールを(一部の人が使う)エグゼクティブ・スイートからマス市場のスイートにする」(カラスブオ氏)と意気込んだ。

コンシューマー向けはGPSとモバイルテレビにフォーカス

Photo コンシューマー向けの新端末、テレビケータイ「N77」、GPSケータイ「6110 Navigator」を披露

 GPSも、同社がカメラ、音楽プレーヤーに次ぐアプリケーションとして、2006年後半から強化している分野だ(2006年12月の記事参照)。同社は2006年、地図情報・ナビゲーションを開発する独gate5を買収し、gate5のGPS機能を統合した初の端末「Nokia N95」を発表している。また、先週には携帯電話向けの地図情報・ナビゲーションアプリ「smart2go」の無償ダウンロードサービスを開始した。

 会期中、NokiaはGPSを最大の特徴とする「Nokia 6110 Navigator」を発表し、カラスブオ氏はGPSをNseriesの標準機能にする戦略も明らかにした。

 もう1つの注力分野がモバイルテレビだ。Nokiaは、欧州で優勢とされる規格DVB-Hをサポートする戦略で、この日はDVB-Hをサポートした最新のNseries端末「Nokia N77」を発表した。テレビ利用に最適化されたNseriesで、これまでどちらかというと高価格ラインに位置づけられていたモバイルTV端末をミッドレンジに引き下げた(予想販売価格は約370ユーロ)。また、アプリケーションでは、動画コンテンツを検索・管理する「Nokia Video Center」を発表、ユーザーはYouTubeなどの動画コンテンツを容易に楽しめるという。

 なお、なかなか離陸しないという指摘もあるモバイルテレビについてカラスブオ氏は、「2008年にはDVB-Hチップの価格は7ユーロ程度に下がると予想している。こうなると、幅広いラインナップの端末をより手ごろな価格で提供できるようになるだろう」とコメントした。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月17日 更新
  1. なぜ店員によって勧めるルーターが変わる? 自宅回線から逆算する、新生活に役立つWi-Fiルーター選びの超基本 (2026年04月16日)
  2. 3COINSの4180円「デバイスバンドPlusAL」を試す スマートウォッチの“最初の一歩”に最適な理由 (2026年04月16日)
  3. 「Nothing Phone (4a)/(4a) Pro」日本上陸 LEDで個性が光る5万円台からのスマホ、FeliCaにも対応 (2026年04月15日)
  4. YouTube、ショート動画の「視聴上限0分」設定を一般開放 ダラダラ視聴抑止へ (2026年04月16日)
  5. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  6. KDDIがSIMフリーブランド「au Flex Style」開始、第1弾は「Nothing Phone (4a)」と「OPPO Find N6」 (2026年04月15日)
  7. 「好きな決済音」はありますか? SuicaやWAONを抑え、1位に「あの音」がランクイン――バイドゥ調査 (2026年04月16日)
  8. Google Geminiが「あなた個人に適した回答」を “パーソナル インテリジェンス”日本で提供 (2026年04月15日)
  9. 「iPhone 17 Pro」を5カ月使い倒して分かった真価 バッテリーと放熱性能には満足だが細かな不満も (2026年03月19日)
  10. 新型「Amazon Fire TV Stick HD」登場 本体をスリム化+USB Type-C端子搭載で6980円 (2026年04月15日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年