5月25日に登場したNECの「N904i」は、プロダクトデザインからカラー戦略、ブランディング、パッケージデザイン、プロモーションまで、すべてにデザイン視点をもって開発されたNEC製のFOMA(5月24日の記事参照)。下り最大3.6MbpsのHSDPAに対応し、ワイドVGA液晶を搭載した高機能モデルながら、ユーザーの生活に自然にとけ込む携帯電話を目指した端末だ。
NECケータイの体験スペースを用意した東京・日本橋のイタリアンカフェ「espressamente illy」で開催された内覧会で、NECの開発陣がステファノ・ジョバンノーニ氏のデザイン思想や端末の持つ機能について説明した。
ジョバンノーニ氏は、N904iのボディ形状に折りたたみ型を選択。NEC クリエイティブスタジオの佐藤敏明チーフクリエイティブディレクターは、「折りたたみ型は、NECから生まれてグローバルスタンダードになったスタイル。(折りたたみ型を採用したのは)ステファノなりに考えてくれた結果」だと話す。
ジョバンノーニ氏が提案したデザインコンセプトは3つ。1つ目の「2 box」(バイボックス)は、2つの箱を重ねたようなボディデザインを指し、開けたときの驚きや楽しみを表現したものだ。「例えば旅行に行くときのスーツケースには、旅先で開ける楽しみや、旅から帰ってお土産が詰まっているものを開ける楽しみがある。バレンタインの贈り物を受け取ったときの開ける瞬間の楽しみなど、2つの箱が開閉したときの驚きと楽しみを、彼なりに2 boxで提案している」(佐藤氏)
2つ目の「2 color」は、開閉時それぞれの色の対比。N904iは、外装のカラーリングと対照的な色を端末のサイドと内側に使っており、端末を開いたときに新鮮な驚きがある。3つ目は「2 way」。閉じた時と開いた時の、それぞれに使い方があることを示している。
内蔵コンテンツも充実しており、9種類のきせかえメニューをプリセットする。中でも、ジョバンニーニ氏のデザインアイコンともいえるウサギをモチーフにしたセットや、同氏が大好きなお寿司のセットがユニークだ。
ボディカラーに選んだのは、「Day and Night」「Orange Cut」「Pink Soda」「Urban Blue」の4色。最近のトレンドとは一線を画した新しい表現を目指し、マットな質感やキラキラ感を抑えたシックな表現で、今までの携帯電話の流れとは異なるところから高級感と素材感を追求したという。
NECモバイルターミナル事業部 商品企画部の大澤斉グループマネージャーは、N904iを企画するにあたり、
という、4つのポイントに注力したと振り返る。
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