「Advanced/W-ZERO3[es]」(以下、Advenced[es])のサイズは、QWERTYキーボードを収納した状態で50(幅)×135(高さ)×17.9(厚さ)ミリ。幅と厚さは最近の折りたたみ型やスライド型の携帯電話(いずれもオープン時)に近いサイズになったが、ストレートタイプと比べるとやや長い。ただ、前モデルの「W-ZERO3[es]」と比べると、幅が6ミリ、厚さが3.1ミリ小さくなり、手に持った時も一般的な携帯電話に近づいた印象を受ける。
auの「INFOBAR」や「talby」など、近年ヒットしたストレート端末のスペックを見ると、INFOBARは高さ138ミリ、talbyは132ミリであり、Advenced[es]が音声端末として違和感のないサイズに収まっていることが分かる。
W-ZERO3[es]と比べると、高さは同じだが幅が目に見えて違う。ディスプレイサイズが2.8インチから3インチに大型化された点との対比も、Advenced[es]をより小さく見せている要因の1つだろう。また、左右の側面だけでなく上下の端や4隅を絞り込んだ、丸みを帯びたデザインも音声端末らしさを強調している。カタログスペックの厚さは最薄部となり、ディスプレイの下などは少し厚さが増しているが、W-ZERO3[es]よりは薄くなっている。
ソフトバンクモバイルの東芝製スライド端末「911T」とAdvenced[es]を比べると、どちらもスペック上の厚さは17.9ミリと同じで、ディスプレイサイズと解像度も同じ3インチのワイドVGA(480×800ピクセル)だ。スライドを閉じた状態では911Tの方がコンパクトだが、スライドを引き出すと911Tの方が高さがある。このように音声端末として使っても違和感が少ないサイズになったといえる。
W-ZERO3[es]と同じくデュアルキーボードを搭載するAdvenced[es]だが、ダイヤルキー、QWERTYキーボードとも配列が異なる。
ダイヤルキーで気になるのが、左右2つのソフトキーがなくなった点だ。ただ物理的なキーはなくなったが、[スタート]/[OK]キーにソフトキーの機能を割り当てられる。設定すると、短押しで左右ソフトキーとして、長押しで本来の[スタート]/[OK]キーとして機能する。ディスプレイ最下部に表示する画面上のソフトキーをタップしても操作できるが、ダイヤルキーとの段差があるためW-ZERO3[es]と比べるとタップ操作の操作性が劣る。この点が解消されれば、画面のタップ操作だけで済む人も多いと思うと残念なところだ。
QWERTYキーボードは、「X01HT」や「X01T」と同じフレームレスで、中央が膨らんでいるドームタイプになった。端末の幅が狭くなり、キーボードの奥行きが狭くなったため、従来のW-ZERO3シリーズにあった最上段の数字キーが省かれて4段になった。記号も多くが[Fn]キーの併用に変更されている。
キー配列は、X01HTやX01Tなどと似ているが、上下で千鳥配列になっており、よりPCのキーボードに近くなった。また、ダイヤルキーを数字入力に利用することも可能だ。
キータッチは改善され、ややソフトになった。記号入力には慣れが必要と思われるが、それ以外の違和感はない。ただ、最上段のキーを押そうとすると、指先がディスプレイ側ボディに当たりそうになることがある。しかし、キーサイズが大きくなったため、W-ZERO3[es]で数字キーを操作する場合ほど邪魔にはならなかった。
キーの削減には賛否両論あるだろうが、特殊記号を含まない文章の入力は楽に感じる人が多いのではないだろうか。筆者は、W-ZERO3[es]の[BS]キーは遠すぎると感じていたので、Advenced[es]の配列は使いやすいと感じた。
キーボードは、ダイヤルキー、QWERTYキーボードともオレンジ色に点灯する。ほぼすべてのキーが照らされ、文字の視認性や実用性に問題はなかった。
ただ、QWERTYキーのほとんどは、キートップの文字部分が光を透過せず、キーのすき間から漏れる明かりで照らされる。そのため、あまり明るいという印象は受けない。
※今回の検証および確認はあくまでも開発段階の試作機によるものなので、製品版では仕様が変わる可能性もあることをご了承いただきたい。
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