作品名 | プロヴァンスの贈りもの(A GOOD YEAR) |
監督 | リドリー・スコット |
制作年・製作国 | 2006年アメリカ作品 |
今回ご紹介する作品は、南仏プロヴァンスの景色が美しい『プロヴァンスの贈りもの』。叔父の遺産相続のためプロヴァンスへ向かった、“金がすべて”の主人公。旅先でも車の運転中でもケータイを手放さないこの男が、運命の人に出会います。
幼い頃は、南仏のプロヴァンスでヘンリー叔父さん(アルバート・フィニー)と夏を過ごしていたマックス(ラッセル・クロウ)。ヘンリー叔父さんは、イギリス人でありながらプロヴァンスをこよなく愛し、シャトーに移住して自らワイナリーの経営者となり、お酒と女性を謳歌する人生を楽しんでいたのでした。
マックスは、そんなヘンリーおじさんの愛を受け、ワインの味からチェスのルール、あらゆることを教えてもらっていました。負けず嫌いのマックスは、時としてヘンリーおじさんの勝ちを認めず、怒りを爆発させることもありました。しかし、そんなマックスをヘンリーおじさんは優しく諭します。「ゲームで負けてもダンスを踊って楽しめばいいじゃないか」と。
それから十数年が過ぎ、働き始めたマックスはすっかりヘンリーおじさんとは疎遠になっていました。負けず嫌いの性格は相変わらずで、人を蹴落としてまで、利潤を追求するトレーダーとなっていたのです。ロンドンの金融界では悪名高い存在でしたが、強引なやり方でも必ず勝ちをもぎ取るマックスのやり方は一目置かれていました。
休日も取らず、金のために働き続けるマックスのもとに、ヘンリー叔父さんの訃報が届きます。最も近い血縁者ということで、遺産を相続することになったマックス。すぐに叔父さんのシャトーとワイナリーを高額で売る計算をし始めます。友人の不動産仲介人にも連絡して、その価値を確認。その金額を知って、すぐにプロヴァンスへ向かいました。
フランスに付いてからもマックスは、ロンドンの秘書と携帯電話で頻繁に連絡を取っていました。空港からレンタカーで、遺産の手続きをする弁護士のもとへ向かっていましたが、カーナビの使い方がわからず四苦八苦。結局、秘書に携帯電話で行く先を教えてもらいながら、車を運転していたのです。
「どうやって行ったらいいんだ?」
いらつくマックスは、運転も荒っぽくなります。
「アポの時間を変えてくれ」
弁護士との約束に遅れそうになり、さらにスピードを出してしまうマックス。よそ見をした瞬間、マックスは自転車の女性を轢きそうになります。しかし、マックスはそんなことにも気付かず、走り去って行きます。車を避けて転んだ女性こそ、ファニー(マリオン・コティヤール)でした。
後にマックスは、そうとは知らずファニーと再会します。ファニーの美しさに、思わず口説いてしまうマックスでしたが、
「携帯で話しながら、車で走ってたでしょう」
とファニーに言われ、呆然とします。ファニーはマックスの車に轢かれそうになったとカンカンで、話す隙も与えません。
美しいプロヴァンスの風景をバックに、マックスの気持ちは盛り上がっていきますが、ファニーの心を開くことはできるのでしょうか? さらに、マックスの前に魅力的な女性アビー(クリスティ・ロバーツ)が、尋ねて来ます。プロヴァンスで過ごす数日は、マックスの人生をどのように変えるのでしょうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.