サムスン電子は、2月25日(現地時間)に米カリフォルニア州サンフランシスコで開催した「Galaxy Unpacked」で、「Galaxy S26」シリーズ3機種を発表した。国内では、約5年ぶりとなる「+」モデルを展開。楽天モバイルがGalaxyの販売を再開したことで、初めて4キャリアでの同時発売が実現した。
Galaxy S26シリーズは、Ultraモデルにあたる「Galaxy S26 Ultra」を刷新し、デザインのテイストをベースモデルと統合。光の拡散を防ぐピクセルに切り替えてのぞき見を防止する「プライバシーディスプレイ」などの新機能も盛り込んできた。一方で、ベースモデルの「Galaxy S26」や大画面版の「Galaxy S26+」は、ハードウェアのアップデートが控えめだ。
Unpackedでも、どちらかといえばハードウェア以上に「Galaxy AI」の進化に重点が置かれていた。同社のDX部門でCEO兼部門長を務める盧泰文(ノ・テムン=TMロー)氏は、Galaxy S26シリーズを「エージェント型AIフォン」と宣言。Galaxyに組み込むことで、AIをインフラとして浸透させていく方針を示した。その戦略と実際にGalaxyに組み込まれた機能を見ていく。
Unpackedで盧氏が掲げたのが、AIをインフラとして定着させるというビジョンだ。同氏は、「全ての革新的な技術は、最初は珍しく高価だが、やがて背景に溶け込みインフラになる。AIはまさにその瞬間が来ている」と語る。専門的な知識が必要なく、毎日使うデバイスを通じて、その恩恵を受けられるものというのが盧氏の言うインフラだ。
Galaxy S26シリーズでは、AIを先回りする存在として実装している。具体的な新機能として挙げられるのが、「Now Nudge」だ。Nudgeとは、「小突く」を意味する英単語で、行動経済学では人の行動を自然に促す工夫や仕掛けのようなことを指す。Now Nudgeは、まさにユーザーの行動を先回りして支援するための機能だ。
対応しているのはメッセージアプリで、Now Nudgeはその中身を読み取り、ユーザーにそっと次の行動を提案する。例えば、相手から予定を確認されたらNow Nudgeがカレンダーを参照し、その結果をキーボードの上部に返す。ユーザーがそこをタップするだけで入力が完了する。
また、旅行のときに取った写真を見たいと言われた場合、キーボード上には「ギャラリー」アプリのアイコンが表示される。これをタップすると、相手に求められた場所で検索が実行された状態のギャラリーが開く。ユーザーは、そこから送りたい写真を絞り込むだけで簡単に送信することが可能になる。
「オーストラリアがなつかしい。あなたが撮ったオーストラリアの写真を見せて」というメッセージには、写真をシェアするギャラリーのボタンが表示される。タップすると、オーストラリアの写真が検索された状態になり、写真を選ぶだけで送信することが可能になる同じことをユーザーが手動でやろうとすると、なかなか手間がかかる。予定の確認であればいったんメッセージアプリを閉じてホーム画面に戻り、カレンダーを参照したあと、それを覚えて再びメッセージアプリに戻り、手動で入力しなければならない。写真の場合も同様で、ギャラリーを開いた後、検索してそれを探し出す手間と時間がかかる。
まさに日常に溶け込んで、先回りしながらユーザーを支援するというコンセプトに沿った新機能といえる。提案する内容がカレンダーの予定やギャラリーの画像に限定されているため、実利用環境ではそこまで頻繁に提案が出てくるわけではなさそうだが、そのコンセプトは分かりやすい。
対応アプリや引っ張ってこられる情報にやや違いはあるが、競合ではGoogleもPixel 10シリーズに「マジックサジェスト」を搭載しており、Now Nudgeに似た形でユーザーの行動をサポートする。チップセットを手掛けるQualcommも、「Snapdragon 8 Elite Gen 5」にそのAIを支えるSensing HubやPersonal Scribeといった機能を搭載しており、今後、こうした機能はスマホのトレンドになっていく可能性が高い。サムスンも、その土俵にいち早く乗った形といえる。
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