番号ポータビリティ、乗り換えユーザーの約4割が“月額料金が安くなった”

» 2007年10月26日 00時00分 公開
[ITmedia]

 MMD研究所は10月25日、第3回目のMNPに関する利用動向調査の結果を発表した。調査は2007年10月12日から同15日まで、stratationが運営する無料ホームページ作成サービス「00HPメイカー」、リビットが運営する「BitPets」など、計17社、モバイル19サイトの協力を受けて実施したもので、有効回答数は6445人。

 同調査によれば、携帯電話の所有率は「1台のみ」が84.8%で最多となった。「同じ携帯電話会社で2台以上持っている」が5.2%、「異なる携帯電話会社で2台以上持っている」は7.4%で、携帯電話を複数台所有している人は約15%だった。

 番号ポータビリティの利用については、「利用した」ユーザーは全回答者の3.3%に留まった。「モバイルナンバーポータビリティが分からない」という回答も全体の21.1%にのぼるなど、約2割のユーザーがMNPを理解していないことが分かった。

 番号ポータビリティ利用経験者がキャリア変更をした理由は、「料金プランが魅力的」が38.1%で最も多く、これに「割引プランが魅力的」が32.9%で続いた。NTTドコモに変更した動機の上位は「デザイン携帯端末のデザイン(色・形など)が魅力的」「キャリアのブランドイメージ」となっているが、au、ソフトバンクモバイルに変更した動機は、「料金プランが魅力的」「割引プランが魅力的」という回答が多かった。

 番号ポータビリティ利用経験者の乗り換え後の満足度については、「月額料金」「通話料金」「デザイン」ではソフトバンクモバイルの満足度が高く、他キャリアに比べて10ポイント以上多く支持されている。「通話エリア」「コンテンツ」「ショップ対応」といったサポート面では、NTTドコモが僅差となっているものの、auが最も高い評価を得た。NTTドコモでは、「メール・パケット」に関する満足度が高かった。しかし、どの項目でも乗り換え後の満足度を「普通」とする回答が5割前後となっており、番号ポータビリティのメリットを享受しているユーザーは3割前後に留まった。

graph MNPを利用して月額料金は変わったと思いますか?(MMD研究所調べ)

 番号ポータビリティ利用後の月額料金は、各キャリアの乗り換えユーザーの4割以上が「安くなった」と実感している。中でもソフトバンクモバイルに乗り換えたユーザーでは、NTTドコモ、auよりも「安くなった」と考えている人が多く、6割近くまでポイントが伸びている。「高くなった」という回答も見られ、NTTドコモへの乗り換えユーザーでは27.0%、auでは8.9%、ソフトバンクモバイルでは3.7%となっている。

 番号ポータビリティを利用したことにより、携帯電話の利用シーンに変化があったかどうかを調査したところ、1回あたりの通話時間では「長くなった」と答えた回答者はソフトバンクモバイルで最も多く、3割を超えた。通話頻度、インターネット閲覧頻度ではドコモが、メールの量ではauが「多くなった」という割合が高い。

 なお番号ポータビリティ利用未経験者で、今後利用したいと考えているユーザーは10.3%で、キャリア別では現ドコモユーザーでは9.7%、auユーザーでは8.8%、ソフトバンクモバイルユーザーでは18.7%となっている。

 今後も番号ポータビリティを「利用するつもりはない」と答えた回答者を対象に、その理由を調査したところ、「今の携帯電話会社に満足」が73.8%で最多となった。次いで「変えるのが面倒」が43.7%、「メールアドレスを教えるのが面倒」が38.7%とそれぞれ4割前後に上っている。

 番号ポータビリティを理解していない人を対象に、説明を行った上で他の携帯電話会社に変更するかを調査したところ、「今の携帯電話会社に満足だから変えない」が93.3%という結果になった。キャリア別でもかたよりはなく、各キャリアのユーザーが現在利用している携帯電話会社に満足しているようだ。

 番号ポータビリティを利用せずに他の携帯電話会社に変更したユーザーに、利用しない理由を聞いたところ、「番号が変更しても問題がない」が75.0%、「手続きが面倒」が48.2%と並んだ。

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