どこにもなかったディズニーならではのサービス──日本でディズニー・モバイルを始める理由(1/2 ページ)

» 2008年01月23日 10時46分 公開
[園部修,ITmedia]

 ウォルト・ディズニー・ジャパンは1月22日、ソフトバンクモバイルと協業し、独自の携帯電話サービス「ディズニー・モバイル」を3月1日から開始すると発表した。

 ディズニー・モバイルは、ソフトバンクの3Gネットワークを利用し、ウォルト・ディズニー・ジャパンがサービスを提供する「これまでにないイノベイティブ(革新的)な携帯電話サービス」(ウォルト・ディズニー・ジャパン 代表取締役社長のポール・キャンドランド氏)。20代から30代の女性をメインターゲットに開発した、シャープ製の「THE PREMIUM 821SH」をベースにしたと思われるオリジナル端末「DM001SH」を提供し、ディズニー・モバイルならではのプリインストールコンテンツや携帯向けサービスを用意する。端末は春、夏、秋冬という年3回のタイミングで、新モデルを発表していく予定だ。

 料金プランはソフトバンクモバイルの「ホワイトプラン」に準ずる月額980円、同一キャリア内は1時から21時まで通話無料/メール無料の「ホワイトプラン(D)」を提供。ソフトバンクモバイルユーザーあての1時から21時までの通話やメールも無料になる。さらに月額980円で通話料が30秒あたり10.5円になる「Wホワイト(D)」、ホワイトプランに契約した家族間の通話が24時間無料になる「ホワイト家族24(D)」、パケット通信料が1万2250パケットまでは1029円、1万2250パケットから2万2500パケットまでは1パケットあたり0.084円の従量課金、5万2500パケット以上は4410円になる「パケットし放題(D)」を組み合わせて利用可能だ。ちなみにこの基本料金だけで、ウォルト・ディズニー・ジャパンが提供しているソフトバンクモバイル向けの23の公式サイトが追加料金なしで自由に利用できる。

日本でのモバイルビジネスの経験を生かす──ディズニー キャンドランド氏

Photo ウォルト・ディズニー・ジャパン 代表取締役社長のポール・キャンドランド氏

 ウォルト・ディズニー・ジャパン 代表取締役社長のポール・キャンドランド氏はこの日の発表会で、日本がWalt Disneyにとって米国に次いで大きな重要な市場であること、オリエンタルランドが運営する東京ディズニーリゾートなどを含めると、日本のディズニー関連市場の規模は約7000億円に達すること、日本ではディズニーブランドやディズニーのキャラクターが幅広い世代に愛されていることなどに触れ、「日本でのディズニー・モバイルは、ディズニー全体を成長させる1つの柱になる」と期待を示した。

 ウォルト・ディズニー・ジャパンでは、2000年から「Disney.jp」などに代表される携帯電話向けのコンテンツサービスを展開しており、今や大手3キャリア向けに88の公式コンテンツサイトを提供する、モバイルコンテンツのプロバイダーのリーダー的な存在だ。これら公式サイトのユーザーは350万人を数える。

 そんなディズニーのキャラクターやコンテンツの魅力やブランド力と、ソフトバンクモバイルが持つ技術力やサービス開発力、流通の強さなどを融合して生まれたのがディズニー・モバイルだ。キャンドランド氏は「ディズニー・マジックをいつでもどこでも体験していただけるように、これからもチャレンジしていく」と話した。

 ちなみに米国では、Walt DisneyがSprint Nextelの携帯電話ネットワーク(PCSネットワーク)を借り受け、MVNO(仮想移動体通信事業者)として「Disney Mobile」という名のサービスを2006年にスタートさせたが、こちらは激しい競争にさらされ、2007年12月31日をもってサービスを終了している。この点について質問されたキャンドランド氏は「米国と日本では、市場やビジネスモデルが大きく異なる」と話し、日本市場で米国の二の舞を演じることはないとした。

 同氏が指摘したのは、日本と米国でコンシューマーユーザーの携帯電話の使い方が大きく異なることと、日本でのディズニー・モバイルが、ソフトバンクモバイルとの強力なパートナーシップの下で実現することによるメリットだ。日本の携帯電話ユーザーは、一般に米国よりもデータ通信をよく利用する傾向にあると言われる。具体的に明言したわけではないが、米国ではコンテンツやサービスで差別化するのが難しかったのに対し、日本では十分に競争力のあるサービスが提供できると考えているようだ。

 また日本のディズニー・モバイルは、端末からサービス、流通までをソフトバンクモバイルとタッグを組んで実現しており、すべて自前で調達しなくてはならなかったDisney Mobileとはビジネスモデルが異なることも大きな違いだという。ウォルト・ディズニー・ジャパンは、日本の携帯電話市場でコンテンツサービスを提供してきたノウハウもあり、この経験を生かして、携帯電話キャリアと協力し、エンターテインメントのプラットフォームとしてユーザーに携帯電話を活用してもらう方法を提案していく考えだ。

 なお初年度の契約数の獲得目標などは明言しなかった。

1人でも多くのユーザーにディズニーの世界観を──ソフトバンク 孫氏

Photo ソフトバンクモバイル 代表取締役社長の孫正義氏

 ウォルト・ディズニー・ジャパンと協力し、端末からインフラ、流通までをサポートするソフトバンクモバイルは、ディズニー・モバイルをMVNOとは呼ばない。単純に回線を貸し出して第3者にサービスを提供してもらうのではなく、2社で手を組んでサービスを実現していくというスタンスだからだ。

 ソフトバンクモバイルの代表取締役社長、孫正義氏は「ディズニーとの近しく強いきずなを構築できたことをうれしく思う」と挨拶。これからの携帯電話は「カメラの画素数や通信速度など、単にハードウェアの機能を争うのではなく、最先端かつ非常に優れた機能を搭載しつつ、ソフトウェアもより深い感動が得られたり、深い愛着を持てたりするような工夫が必要になってくる」(孫氏)と話し、ディズニー・モバイルの端末とサービスが、ユーザー間の深いコミュニケーションを実現できることをアピールした。

 「1つ1つの詳細なところまでディズニーの世界観が表現されている新しい端末でメールをもらったらきっとうれしいだろう。個人的にも最近デコレメールをもらうことがあるが、文字だけのメールよりも感動したりうれしく思ったり笑ったりでき、コミュニケーションが深いものになると思う。ロマンチックな会話やにっこり笑うようなコミュニケーションにもつながる。男性でも、ガールフレンドからディズニーのキャラクターなどが表現されたメールをもらったら心温まるはず。ディズニー・モバイルでは、楽しくうきうきするような豊富なコンテンツが、ディズニーとソフトバンクグループの連携によって実現されている」(孫氏)

 ソフトバンクとしては、インフラやネットワークを通して1人でも多くのユーザーにディズニーの世界観を届けられればと願っているという。また孫氏は「ディズニー・モバイルからもソフトバンクと組んでよかったと、心の底から思っていただけるよう頑張っていきたい」と、強固なパートナーシップを堅持するべく、できる限りのことをしていく考えを示した。

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