米Microsoftが携帯向けソフトウェアメーカーを買収へ――コンシューマー分野を強化Mobile World Congress 2008

» 2008年02月12日 12時15分 公開
[末岡洋子,ITmedia]
Photo 米Microsoft エンタテインメント・デバイス部門担当社長のロビー・バック氏

 米Microsoftは2月11日、スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2008」で、米Dangerの買収と英Sony Ericssonによる「Windows Mobile」の採用の2つを発表した。今後、同社のモバイル分野をコンシューマー分野に拡大していく戦略だ。

 モバイル分野全体の戦略について語った同社エンタテインメント・デバイス部門担当社長のロビー・バック氏はまず、Microsoftのモバイル戦略を再確認した。

 Microsoftは5年前に、ソフトウェアとサービスが中心になるというビジョンを打ち出し、モバイル戦略もこのビジョンの下に展開してきた。モバイルはPCを置き換えるものではなく、ユーザーの利用機会を追加・拡大する端末という位置づけだ。これは現在も変わらないという。

 Microsoftは当初から、ビジネスユーザーをターゲットに据えてきた。IT部門が電子メールやコミュニケーションを機能を統合するためのビジネスプラットフォームという位置づけだ。しかし、ユーザー側はモバイル端末をさまざまなことに利用している。アプリケーションは通話利用からデータ利用にシフトし、Microsoftが得意とするビジネス以外にも、生活全体で利用するパーソナルな端末になりつつある。「5年後には、幅広い機能をカバーする汎用コンピューティングプラットフォームになるだろう」とバック氏は説明する。

 こうした利用の変化を背景に、Microsoftも、機能をビジネス(仕事)を超えてライフ(生活)に拡大することを戦略に盛り込んだ。具体的には、リッチなインターネットアクセス、エンタテインメント、パーソナルコミュニケーションなど幅広い分野をカバーする。ここでのMicrosoftの強みは、「ソフトウェアとサービスを土台としたソリューションの提供」とバック氏は続ける。

 Dangerの買収は、この戦略を実現するものとなるようだ。Dangerは米T-Mobile USAの人気端末「Sidekick」のソフトウェアを開発したことで知られるソフトウェアベンダーで、米Googleの「Android」の開発者であるAndy Rubin氏が創業にかかわったことでも知られている。

 「これによりSNSやWebブラウザ、リアルタイムモバイルメッセージング、PIM(Personal Information Manager)など、よりコンシューマー寄りの機能を提供できる」とバック氏は説明。ビジネスからライフスタイル全体をカバーする上で、重要な役割を果たすことになりそうだ。この買収について、Microsoftは買収金額を公開していない。また、Dangerは独自のプラットフォームを持つが、これについても具体的な計画は明らかにしていない。

 2つ目の発表が、Sony Ericssonが前日発表したWindows Mobile端末「XPERIA X1」だ。これまでスマートフォンでは「Symbian」をサポートしてきたSony Ericssonだが、X1で初めてWindows Mobileを採用。新しいユーザーセグメントの取り込みに向け、タッチ対応画面とフルキーボードを搭載したスライド式のスマートフォンを開発した。これは、パーソナルライフにリーチするというMicrosoftの戦略に合致するものでもある。

 「これでトップ5の携帯電話ベンダー中、4社がWindows Mobileを採用した」とバック氏。Windows Mobileを採用するベンダーは50社、オペレータは160社となり、「Windows Mobileの実力を実証している」と胸を張る。Microsoftによると、Windows Mobileの出荷台数は2000万台という。

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