SH携帯は「軽薄長大」を目指す──シャープの松本副社長

» 2007年07月23日 17時47分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 シャープが携帯電話事業に参入したのは1994年。国内メーカーとして最後発の参入となったが、カメラ付き端末を他社にさきがけて投入するなど、ユーザーの支持を集める携帯作りに取り組み、国内の携帯シェアで2年連続1位を獲得するまでに成長した。

 ワイヤレスジャパン2007の基調講演に登場したシャープの松本雅史副社長が、人気端末を生み出すための仕組み作りや、今後の課題について話した。

Photo シャープは創業時から「世の中にないものの創出」(左)に取り組んできたと松本氏。携帯電話開発もオンリーワン製品にこだわり、それがユーザーの支持を集めている(右)

オンリーワン商品を開発するための「縦と横の融合」

 松本氏はシャープの携帯開発の特徴として「縦と横の融合」を挙げる。縦の融合では、デバイス部門と商品部門の連携で最先端のデバイスを商品に結びつけることを、横の融合では、シャープ内のAV、通信、情報などの部門間で技術や人材を共有してシャープの強みを端末に反映することを目指している。

 松本氏が縦と横の融合の好例として挙げるのが、AQUOSケータイだ。国内3キャリア向けに提供し、人気を博しているこの携帯は、デバイス部門との縦の融合により高精細液晶を始め、ワンセグモジュール、カメラモジュール、調光センサー、赤外線モジュール、白色LEDといった自社デバイスを搭載。ワンセグ機能は薄型テレビ「AQUOS」を開発するAV事業部との横の連携で開発しており、シャープの持つデバイスと技術を最大限に生かした端末に仕上がった。

Photo 縦と横の融合(左)が生み出した「AQUOSケータイ」(中)。社内を横断して人材や技術を集める「緊急プロジェクト制度」が開発を支える(右)

 事業部間の融合は、全社を挙げてサポートしていると松本氏。ほかにない技術や商品を開発する際の体制として「緊急開発プロジェクト」を設け、各事業部や研究所から最適な人材を招集するという。開発を迅速に行えるよう、リーダーには強い権限が与えられ「垣根を超えて仕事をできるような体制で、オンリーワン商品を生み出している」と松本氏は胸を張る。

シャープ携帯は「軽薄長大」を目指す

 「携帯電話は、人類の進化の歴史を非常に短い期間で取り込んでおり、どんどん進化している」(松本氏)──こうした携帯の進化を見据え、シャープが携帯開発のテーマとするのは「軽薄長大」だ。

 「“軽く薄く”を極め、画面は大きく、バッテリーは長時間持つ。こうした(相反する)キーワードは、シャープ自身が解決すべき課題。(薄く軽く、画面が大きくとなると)PDAとの境界領域が微妙になってくる。これをキーワードに進化を重ねていく」(松本氏)

 松本氏はまた、今後の進化のキーワードとして「新たな機能の融合」「シームレス化」「ウェアラブル化」「ライフスタイルとの密着」を挙げ、刻々と変化するユーザーニーズを捉えた携帯の開発を目指すとした。

Photo 今の携帯電話は、相反する条件をクリアする高いレベルのバランスが要求されると松本氏(左)。携帯を真のモバイルツールへと進化させる上での4つのポイント(右)

世界でW-CDMAの普及が進むと、日本メーカーにチャンスが──松本氏

 「日本メーカーは、GSM方式が世界全体のシェアの大半を占める中で弱いのであって、W-CDMA方式が伸びて土俵が変われば、競争の状況も変わってくる」──。モバイルビジネス研究会などで、日本の携帯メーカーの国際競争力が問われる中、シャープの松本氏がこんな見方を示した。

 松本氏は、シャープ携帯の世界シェアをW-CDMA市場のみで見ると、その出荷台数は8.5%で世界3位だと説明。「日本のメーカーは、技術的に先を行く開発をしているので、端末のマルチメディア化など新しい流れの中ではチャンスがあるのではないか」とした。

Photo トータルでは世界シェア7位のシャープだが(左)、W-CDMAのみで見ると世界シェアは3位になる(中)。松本氏はW-CDMA化の流れが加速すれば(右)日本のメーカーにもチャンスはあると予測する

Photo シャープが得意とするワイヤレスPDA/PDAは、国内シェアがトップで世界シェアは4位。海外ではQWERTYキーボード付き端末の「Sidekick」が好調だという



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年08月13日 更新
  1. 新幹線「独りぼっち席」が話題――「2000円追加で“隣が空席”」との声、なぜ導入? (2026年08月11日)
  2. 楽天の三木谷氏がStarlinkに言及――「正直に言って……」 AST SpaceMobileは過疎地域や海上で効果発揮か (2026年08月10日)
  3. あの「カシャッ!」は意味なし? スマホの「シャッター音」実態に即さず、ネットに見直しを求める声 (2026年06月15日)
  4. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  5. LINEの「ミュートメッセージ」有料化へ 相手のスマホを鳴らさずに送れる便利機能 (2026年08月10日)
  6. なぜ? 「PayPay改悪」といまネットで騒がれている理由 ユーザーがすべき対策を解説 (2026年06月05日)
  7. 【ワークマン】1900円の「アーバンマルチストレージショルダー」 大きく開く小分けポケット搭載 (2026年08月10日)
  8. 【3COINS】360度回転する「ベルトファン」、ハンズフリーで衣服内へ直接送風 1980円 (2026年08月12日)
  9. ソニーに聞く「Xperia 1 VIII」の裏側 デザイン刷新や20万円超えの理由、物議を醸したAIカメラ新機能の真相 (2026年08月10日)
  10. 「Suicaがないと死ぬ」──SNSで共感呼ぶ利便性とは? 将来は「改札機」すら消える (2026年01月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー