Mobile World Congress 2008では、Googleなどが提唱するオープンプラットフォーム「Android」のデモンストレーションがいくつかのブースで目にできた。
開催前、「Androidを搭載した端末が複数の会社から登場する」といううわさもあったが、会場にあったのはほとんどが評価端末や評価ボードだった。
Androidを推進するアライアンス「Open Handset Alliance」(OHA)のメンバーであるTexas Instrumentsは、ブースで試作端末を展示していた。Androidプラットフォームの「アーリー・ルック」版と、同社の「OMAP850」プロセッサ、無線LAN、Bluetoothなどを組み合わせたモデルとなっている。画面デザインは、SDKが公開された当初に発表したものとほとんど一緒だ。メニュー画面や操作できる機能(ブラウザ、メール、地図、YouTube)などもSDKが公開された当時のものと変わらない。
同じくOHAメンバーのQUALCOMMブースでは、評価ボード上で動くAndroidが確認できた。こちらは同社の「MSM7201A」プロセッサ上で作動している。QUALCOMMのチップが使われているということもあり、複雑な処理でも高速に動作しているのが特徴だ。Google Earthといった処理能力が求められるようなソフトも問題なく稼働していた。また、メニューアイコンも数多く並んでおり、他で展示されているAndroidよりも高機能な印象だった。
Androidはオープンな開発環境であるため、OHAメンバー以外のブースでも展示されていた。
NECブースでは、「Medity2」という半導体ソリューション上でAndroidが稼働していた。ただし、こちらはMedity2がAndroidをはじめとしてLinux、Windows Mobile、SymbianといったOSを稼働できるマルチプラットフォームであるというデモの一環であった。ちなみにAndroidはOHAメンバーであるウィンドリバーによるもののようだ。
このほか、組込み用半導体のデザインや製造を行うFreescaleのブースでもAndroidを展示していた。こちらは日本国内でも公開された評価ボードの進化版で、公開時はQVGAだったものがディスプレイの解像度がVGA化されていた。Androidは、さまざまな解像度に対応できるようになっている。
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