4月からも年会費無料でモバイルSuicaを使う方法

» 2008年03月27日 15時40分 公開
[吉岡綾乃Business Media 誠]

 おサイフケータイで電車に乗れるモバイルSuica。カードタイプのSuicaと違い、券売機にはおサイフケータイは通せないので、携帯電話の通信機能を使い、オンラインでチャージ(入金)を行うことになる。

 モバイルSuicaへチャージするには、オンラインバンク対応の銀行口座、またはクレジットカードを事前に登録しておく。銀行口座からだと、オンラインチャージをするたびに手数料がかかるが、クレジットカードからなら手数料不要でチャージできるので、モバイルSuicaユーザーの多くはクレジットカードからチャージをしているのではないだろうか。

 現在は「初年度無料キャンペーン」として、どのクレジットカードを登録しても年会費無料でモバイルSuicaのフル機能を利用できるが、4月1日以降、ビューカード以外のクレジットカードを登録している場合は年会費1000円が必要になる(参照記事)

 ビューカードはJR東日本が発行しているクレジットカードなのだが、年会費が500円かかる。「モバイルSuicaを年会費無料で使う代わりに、ビューカードに500円か……」とがっかりした人もいるのではないだろうか。

年会費無料の“ビューカード”もある

 “ビューカード”はJR東日本が発行するクレジットカード(プロパーカード)と、各種提携カードの総称であり、実は一言でビューカードといってもさまざまな種類がある。JR東日本が最もプッシュしているのは年会費500円の「ビュー・スイカカード」だが、ビューカード全体で見れば年会費無料(条件が付くものがほとんどだが)で利用できるカードがいくつかあるのだ(参照リンク)

カード名 通常の年会費 年会費無料の条件
イオンSuicaカード(タイプ2) 無料 なし
ビックカメラSuicaカード 500円
初年度年会費無料
前年にクレジットの利用があること
みずほSuicaカード 500円
初年度年会費無料
前年に10万円以上クレジットショッピングで利用していること
スーパーICカードSuica「三菱東京UFJ-VISA」(タイプ2) 無料 なし
TYOビュー・スイカカード 500円
初年度年会費無料
入会から1年以内にびゅうプラザ等で、びゅう商品を「TYOビュー・スイカカード」で購入すると、翌年度年会費が無料
ジェクサービュー・スイカカード 無料 ジェクサー・フィットネスクラブ・スイミングクラブの会費をカードで引き落とす
「ビュー・スイカ」リボカード 無料 リボ(定額支払い)専用

 以上のビューカードは、条件を満たせば年会費無料になり、モバイルSuicaも利用できる提携カードだ※。

※「ビュー・スイカ」リボカードのみ、JR東日本のハウスカード(提携カードではない)

“年会費無料”でカードを選ぶなら

 このうち、モバイルSuicaを無料で使うだけの目的(=クレジット“カード”として利用するつもりがない)でカードを作るのであれば、広くオススメできるのは「イオンSuicaカード」「ビックカメラSuicaカード」。次点が「スーパーICカードSuica『三菱東京UFJ-VISA』」「『ビュー・スイカ』リボカード」だろうか。

 もちろん、自分がよく使う店や銀行との組み合わせであり、カードとしての利用がある程度見込めるなら、(年会費が有料なものも含めて)ほかのカードを選んだほうがいい。

 上記4種類のうち、条件らしい条件がなく、完全に入会費・年会費無料なのはイオンSuicaカード。イオンが発行するクレジットカードにSuica機能を載せたものだ。ドコモの携帯で利用できる「イオンiD」(参照記事)も同時に申し込める。

 ビックカメラSuicaカードは年会費500円なのだが、「前年にクレジットの利用があれば年会費無料」というルールなので、無料で利用するための条件は厳しくない(年に1回モバイルSuicaにチャージすればクリアできる)。こちらはビュー・スイカカードにビックカメラのポイントカード機能を載せたイメージで、貯まったビックポイントをSuicaとして入金したり、ビューサンクスポイント(JR東のカードポイント)をビックポイントに交換したりできる。

 三菱東京UFJ銀行のキャッシュカードが作りたい人であれば、スーパーICカードSuica「三菱東京UFJ-VISA」はおすすめ。手のひら静脈認証機能に対応する、同行の「スーパーICカード」に、Suica機能を付けたカードだ。

 最後の「ビュー・スイカ」リボカードは、リボ払い専用を条件に年会費無料で使える、JR東日本発行のカード。リボ払いは一括払いに比べて金利が高いため(参照記事)、適宜繰り上げ返済を行うなど、支払い金額を意識してコントロールしないと年会費どころではない金利を支払うことになる。とはいえ、リボ払いに慣れている人なら選択肢に入れるのは悪くないだろう。

ポイントで事実上無料にするという手もある

 ちなみに、上記の表で“タイプ2”と付いているカードは、発行元がJR東ではないことを示す。これによって変わってくるのは、カード利用に応じて付与されるポイントだ。

 基本的にカードポイントは発行元が付けるものなので、イオンSuicaカードではイオンのポイントを、三菱東京UFJ-VISAでは三菱東京UFJのポイントを貯めることになる。

 もう1つ、カードを発行する会社がどこかによって、ポイント付与率も大きく変わってくる。JR東日本が発行するビュー・スイカカードは1000円利用するごとに、2ポイントのビューサンクスポイントが付くが、Suica/モバイルSuicaへのチャージや、JR東できっぷや定期券を買ったり、びゅう国内旅行商品を買ったりした場合には、通常の3倍(1000円で6ポイント)ポイントが付く。タイプ2の提携カードではこの3倍ポイントの特典が付かない上、ポイントをSuicaにチャージすることもできない※。

※このほか「ビューカードとれTEL」、中央ライナー・青梅ライナーの携帯電話予約サービス、Webサービス「VIEW's NET」が利用できないといった細かい違いがある(参照リンク)

 JR東日本で定期を買ったり、長距離切符をよく購入する、あるいはSuicaの利用金額が大きいという人は、実はあっという間にビューサンクスポイントが貯まる。ビューサンクスポイントは400ポイントで1000円分のSuicaに交換できるので、1年間で6万7000円以上のお金を、Suicaやきっぷ、JRの定期券に使っている人であれば、それだけで1000円分のSuicaがキャッシュバックされる計算だ。

 カードを作るという手間はかかるものの、モバイルSuicaを無料で利用する方法は実はいろいろある。もうすぐ4月。自分の使い方に合った方法を探ってみてほしい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. 楽天モバイルのスマホが乗っ取られる事案 同社が回線停止や楽天ID/パスワード変更などを呼びかけ (2024年04月23日)
  2. シャープ、5月8日にスマートフォンAQUOSの新製品を発表 (2024年04月24日)
  3. スマホを携帯キャリアで買うのは損? 本体のみをお得に買う方法を解説 (2024年04月24日)
  4. Vポイントの疑問に回答 Tポイントが使えなくなる? ID連携をしないとどうなる? (2024年04月23日)
  5. 通信品質で楽天モバイルの評価が急上昇 Opensignalのネットワーク体感調査で最多タイの1位 (2024年04月25日)
  6. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダー発売 スマート感知センサーで自動録画 (2024年04月25日)
  7. ドコモ、「Xperia 10 V」を5万8850円に値下げ 「iPhone 15(128GB)」の4.4万円割引が復活 (2024年04月25日)
  8. 中古スマホが突然使えなくなる事象を解消できる? 総務省が「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整 (2024年04月25日)
  9. スマートグラス「Rokid Max 2」発表 補正レンズなくても視度調節可能 タッチ操作のリモコン「Rokid Station 2」も (2024年04月25日)
  10. 「iPhone 15」シリーズの価格まとめ【2024年4月最新版】 ソフトバンクのiPhone 15(128GB)が“実質12円”、一括は楽天モバイルが最安 (2024年04月05日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年