エリアワンセグからデジタルサイネージまで──大阪でケータイのイベント活用最前線を見た神尾寿のMobile+Views(2/2 ページ)

» 2008年08月28日 16時23分 公開
[神尾寿,ITmedia]
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人気コンテンツを配布するデジタルサイネージには黒山の人だかり

 エリアワンセグ放送もさることながら、特設イベントブース内にあったデジタルサイネージ端末にも注目したい。これは大型のタッチパネルにさまざまなキャラクターコンテンツを表示し、無料もしくは有料で販売するというものだ。イメージとしては「コンテンツの自動販売機」である。会場内での人気もすこぶる高く、イベント開始から3日間で読売テレビが扱うキャラクターだけで約3000のダウンロードがあったという。実際には読売テレビ以外のコンテンツプロバイダーも、このデジタルサイネージでコンテンツ販売を行っており、実際の利用数はさらに多い。取材中にも多くの人がデジタルサイネージ端末の前に列を作り、次々とコンテンツをダウンロードしていった。人気の高さがうかがえる。

PhotoPhoto わくわく宝島2008会場内にある「ワンセグお笑い研究所」。携帯電話の最新機能を活用した新サービスの実験が行われている
PhotoPhoto 「ワンセグお笑い研究所」にあるデジタルサイネージ端末。広告を表示する機器というより、コンテンツの自動販売機という位置づけだ。この端末には常に人だかりができており、とても好評だった

 今回会場に設置されたデジタルサイネージ端末は、ドコモ関西支社がイベント用に用意したもので、システム側をドコモが担当し、コンテンツの準備などは読売テレビが行ったという。大型のタッチパネルモニターとFeliCaのリーダー/ライター、携帯サイトが連携し、簡単な操作でコンテンツのダウンロード販売ができるのがポイントである。

 では実際の操作手順を見てみよう。

 ユーザーはまず、大型タッチパネルモニターに表示されたキャラクターから、欲しいコンテンツを"タッチ"で選ぶ。すると自販機右下のリーダー/ライターが反応し、そこに手持ちのおサイフケータイをかざすと三者間通信で専用サイトにアクセスするためのURLが送られてくる。QRコードのようにユーザーが携帯電話の操作をすることなく、"かざすだけ"でいいのがポイントだ。あとは、送られてきた接続URLから携帯サイトにアクセスすれば、無料もしくは有料のキャラクターコンテンツがダウンロードできるという仕組みである。

PhotoPhoto タッチパネルで欲しいキャラクターコンテンツを選び、おサイフケータイをかざすと専用ダウンロードサイトのURLが送られてくる
PhotoPhoto 送られてきたURLを開いて携帯サイトに接続し、無料もしくは有料のコンテンツを入手する。このデジタルサイネージ端末は、ドコモだけでなく、auやソフトバンクモバイルのおサイフケータイにも対応している

 このデジタルサイネージ端末は直感的な操作を実現したこともあり、「特に子どもや女性は、すぐに操作が理解できるようです。家族連れで小学生くらいの子どもたちが、親に使い方を教えているといった光景もよく見かけます」と説明員。一方で、おサイフケータイを今まで使ったことがなかった人が、「どこをかざせばいいのか分からない」と困惑するシーンもよくあるという。人気のあるキャラクターと"コンテンツの自動販売機"という組み合わせは、初めてのおサイフケータイ利用を促す効果もあるようだ。

Photo おサイフケータイを初めて使う人が多いため、イベント開始後、急きょ作られた看板。「おサイフケータイのどこをかざせばいいか分からない」という人が多かったので、FeliCaマークの説明を載せたという。おサイフケータイの仕組みやFeliCaロゴの意味について、フェリカネットワークスはもっとしっかりと周知・宣伝する必要がありそうだ

楽しみながら最新のケータイ機能を体験できる

 このように、わくわく宝島2008で行われている実証実験は、ワンセグや携帯電話の最新機能を使い、それを連携することで新しいサービスの可能性を試している。しかも、それがユーザー目線で"使いやすく""楽しい"ものになるように配慮されているのがポイントだ。会場内ではほかにもさまざまな催し物やアトラクションがあるので、家族連れや友達同士で訪れても1日中遊べるだろう。

 なお、今月30日と31日に泉大津フェニックスで行われる音楽イベント「RUSHBALL2008」でも、エリアワンセグの活用が行われる計画だ。

 夏休みも残りあとわずか。通信×放送の最新ソリューションを体験しながら、イベントそのものも楽しめる。ケータイ片手に、わくわく宝島2008とRUSHBALL2008に足を運んでみてはどうだろうか。

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