NTTドコモはCEATEC JAPAN 2008で、端末が2つに分割する「セパレートケータイ」のコンセプトモデルを公開した。
セパレートケータイは、ダイヤルキー部とディスプレイ部が分離することで新たな携帯の使用スタイルを提案する富士通製のコンセプト端末。上下部を磁力で保持し、相互のデータをBluetooth通信で行う仕組みを採用する。
これにより、縦向き同士で接続する“ケータイスタイル(ダイヤルキー表示)”、横向き接続の“スマートフォンスタイル”(QWERTYキーやゲームパッド表示)を自在に使い分けられるほか、Bluetooth v2.0/Class 2(半径10メートル)準拠にて、両者を離したままリモコンのように使用したり、リストバンド型ディスプレイなどと組み合わせながら使えるようになっている。
上下が分離することで、例えば「電話しながらWebで調べ物」「コンパクトな音楽プレーヤーとして」「ワンセグやムービーを少し離れた場所でリモコン操作」といった使い方ができるほか、横開き用ヒンジといった物理的な可動部品なしで縦/横のスタイルを自在に切り替えられる特徴を持つのが新しい。

上下はかなり強力な磁石でくっつく仕様。縦向き同士の接続時は磁力で飛び出る棒で保持力を高める。P905iの“魔法のフック”と似た仕様だ(左)。横向きで接続すると、ダイヤルキーはQWERTYキーの“スマートフォン”スタイルに変化する(右)。以前、富士通はキー面すべてがタッチパッドの「Side Table Terminal」というコンセプトPCも公開していた
両者の通信はBluetoothで行う。例えば、どちらかがBluetooth親機で他方が(Bluetoothヘッドセットなどの)Bluetooth子機と思うと分かりやすい。ディスプレイ部はワンセグなどの映像・画像表示、ダイヤルキー部は操作リモコンのイメージだ発売時期はもちろん、発売そのものも未定とするが、上下のパーツの通信はすでに確立されている技術(Bluetooth v2.0 プロファイルはA2DPとSPPなどを使用)を用いるので、「ユーザーへの使用スタイル提案やサービスが確立するのであれば、遠い未来のものではない」(説明員)ようだ。現状は、端末そのものの厚さや重量、バッテリーの持続時間や充電仕様(ディスプレイ部とダイヤルキー部の双方にバッテリーが必要)などにも工夫が必要と思われる。

上/下を無線化することで、複雑なヒンジ機構なしにこのようなスタイルにも容易に仕上げられる(左)。このほか、オンとオフ時に“ディスプレイを切り替える”といった使い方も提案される。ここでは、オン時は通常のケータイスタイル、オフ時はアームバンド型ディスプレイに切り替えてワークアウト──といった感じだ
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