コラム
» 2009年01月16日 14時09分 公開

第2回 かなり違う、“2種類”の分離プランケータイの「分離プラン」を改めて考える(2/3 ページ)

[坪山博貴,ITmedia]

 いわゆる「分離プラン」は、通信キャリアによって大きく2つの方式に分かれている。では、この2つの方式は何が違うのか。ざっと並べて比較してみよう。

  ドコモとKDDIの方式 ソフトバンクモバイルとウィルコムの方式
割り引き方法 分離プラン専用の安価な基本料金プランを用意 毎月の利用料金から割り引き
割り引き期間 実質無期限(機種変更しなかった場合と、以降機種変更、買い増しでも分離プランを選択した場合) 24カ月、もしくは端末代金の分割支払い期間
毎月の割り引き額 一定で全額適用 購入した端末によって異なる。このうち、毎月の利用料金が上限
短期解約、機種変更時の実質端末代金の格差

 これらは、現状の分離プランに対する考え方の違いと考えられる。ドコモとKDDIの分離プランは「今後、あなたの利用料金はほかの人の割り引き原資には使いません。そのため、あなたの端末購入時にも割き引きはなくなります。その分、基本料金を安くします」ということだろうか。

 これは無料通話分込みの基本料金プランが主流であり、基本料金を一律値下げする余地も残る2社らしい選択といえる。収益構造を従来と分離プランのユーザーで分離されるため、基本料金は値下げしたままにできる。ただ、機種変更などで分離プランでない方法で端末を購入すると、基本料金も一緒にもとに戻る点には注意したい。

 一方のソフトバンクモバイルとウィルコムは、従来の「端末購入時に端末価格を割り引く」「割り引きは既存ユーザーの利用料金から」という問題の2つに絞って分離プランを構築した。「あなたの端末代金は割り引きが行われませんので、端末価格は相応になります。一括払いはもちろん、分割払いでも月々の支払い額がかなり高くなってしまいますね。ではその代わりに(端末代金を分割で支払う)約2年間使ってくれるならば、あなたの月々の利用料金から購入端末に応じた額を毎月割り引きます」ということになろう。月々の割り引き額は利用料金が上限。つまり、割り引きはすべてユーザー自身の利用料金が元になるということで「分離プラン」が成立する。

 では、購入する端末によって割り引き額が異なる点はどうか。ソフトバンクモバイルの月月割の場合、割り引き額はおおむね2000円/月が上限であり、原則として高価な端末ほど割り引き額も多い。ここがドコモやauとかなり異なる点だが、おそらく「高価で多機能な端末を所持するユーザーはARPU(月々の利用料金)も高い」という見込みから来ているものと思われる。ARPUが高いユーザーはキャリアの利益も大きいので、相応に値引きしましょうということだ。実際、昨今の多機能端末をフルに使いこなせばパケットデータ通信料金は跳ね上がるが、もちろんそのようなユーザーはパケット定額の「パケットし放題」などにも加入し、上限4410円〜5985円といったようにキャリア側利益の上限はある。これらを勘案して2000円/月という割り引き上限額が設定されているのだろう。

 さて、実際に月月割が2000円/月の端末を購入し、毎月2000円の割り引きをしっかり受けるには、毎月2000円以上の利用料金が発生する必要がある。この場合、それほど気にしないか、あまり必要性を感じなくてもホワイトプランの980円/月に加えてダブルホワイト(+980円/月)かパケットし放題(+1029円/月〜4410円/月)にでも加入して合計2000円/月に達するようにしておくかといったユーザーに分かれる。後者は当然、ユーザーのARPU底上げにも機能することになる。

 ウィルコムも、傾向はソフトバンクモバイルの方法に似ている。ウィルコムのW-VALUE割引は、音声端末で約1000円/月、スマートフォンは約1500円〜2000円/月ほどとなる。スマートフォンは端末価格も高いが、パケット定額(新つなぎ放題:3880円/月)などの利用で高いARPUが見込めるため、その分、割り引き額も高めになっている。

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