NTTとNTTレゾナントは12日、NTTレゾナントが提供する携帯電話向け情報提供サイト「モバイルgoo」において、携帯電話の位置情報システムを利用したWeb検索システム「ココde検索」の実験を開始すると発表した。
近年、日本におけるインターネット検索のニーズは、従来のPCでの利用から急速に携帯電話での利用へとシフトしている。外出先や移動中でも検索できる手軽さに加え、携帯電話の高機能化と画面の高精細化、そして携帯電話での利用を前提としたWebサイトの増加などが、その大きな要因となっている。
NTTレゾナントの取締役でシームレス事業部長を務める大町雄一氏は、同社のサービスについて「シームレスとは“つながる”ということ。我々がこだわるのはリアル(現実)の場とネットをつなぐこと」と説明。プレゼンテーションを担当したNTTサイバーソリューション研究所 メディアコンピューティングプロジェクト プロダクトマネージャ 主幹研究員の奥雅博氏は「今やケータイが検索の大きな入口になっている。携帯電話は常にユーザーが持ち歩くため、その地域や場所に関連した検索が重要になっている」と指摘し、同社が開発した位置情報を利用した検索システム「ココde検索」の利便性やメリットについて解説した。
ココde検索では、まず携帯電話に搭載されたGPSや、基地局のアンテナが発信している位置情報を利用して、ユーザーの現在地を特定する。そして例えば「カレー」などといったキーワードを入力すると、ユーザーの現在地に近い地域の語句を含むWebサイトを検索し、検索結果として表示する。場所は位置情報だけでなく、直接入力して指定することもでき、これから移動する先の情報や、離れた場所の情報検索にも対応する。
この検索システムには、地理文書検索ランキング技術と概要文生成技術が採用されている。地理文書検索ランキング技術とは、地理的位置を示す語句に優先順位(同社では「重み付け」と表現)を付け、より狭い範囲を示す語句を含む文書を上位にランキングする技術だ。例えば新宿近辺で検索した場合、「東京」よりも「新宿」という語句を含むWebサイトが上位にランキングされる。
概要文生成技術とは、抽出された検索結果からさらに地理的位置を表す語句を含む部分を概要文として提示する技術で、キーワード部分の抽出と合わせて表示することで、よりユーザーに分かりやすい検索結果を示せるという。
奥氏はココde検索のメリットとして、インターネット上の膨大なWeb文書から効率よく、利用者にニーズに最適化した検索できる点を挙げる。従来の携帯電話向け検索サービスは、PC向け検索サービスと比べて情報量に大きな差があり、あいまいな語句による検索が困難だったが、PC向け検索サービス「goo」のデータベースをそのまま活用できることと位置情報システムを用いることで、よりユーザーニーズに合った検索結果を得られるとしている。
ココde検索の実験期間は、2月16日から2010年1月31日までを予定しており、gooから「ココde検索」へアクセスするか、直接検索サイト( http://koko.labs.goo.ne.jp )にアクセスすることで利用できる。
実験当初は携帯電話のみのサービスとなるが、将来はPCからの利用にも対応する予定。また、現在は携帯電話向け地図情報サイトとの連携などは実装していないが、「ユーザーの反応や意見を参考に、検索システムを改良していきたい」(奥氏)という。
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