午後8時47分、参加者のメーリングリストに驚きのメールが届きます。件名は「裏切り者発見!」――。新宿で集合していたメンバーの中に、裏切り者がいたのです。レシートを1人ずつかざして判明した模様。とにもかくにも、物語は新宿で大きく動き出している……秋葉原捜索隊も、新宿へ移動を開始します。そして移動中、タイムラインに待ちに待った画像が。
「鍵」です。どうもコインロッカーの鍵っぽい。合い言葉はAに関連する場所に隠されているようなので、アキバに残っていたほうがよかったか……と思いきや、「中央線A駅」というヒントが流れていました。鍵には「阿」の文字。つまり、阿佐ヶ谷です。
新宿のマクドナルドで秋葉原組と新宿組が合流し、気付けば20人弱の大所帯に。ほかにも、単独で行動している捜索隊がいたようです。新宿捜索隊からは、合い言葉を探しに数人が阿佐ヶ谷へ移動を開始。あとは男の場所を特定するだけです。早速、セカイカメラで男のエアタグ履歴を見てみると、
「ここにいればいいか……」
「ピクルスはいらない……」
「パテも良くなかったな……」
…………あ、あれ、ひょとして我々、ニアミスしてませんか? マクドナルドの脇で身を寄せ合う捜索隊が、一斉に色めき立ちます。こっそり、メンバーが店内をのぞくと……ぎゃーーーー、背中に刺繍のある黒いジャンバーの男を発見!!!!! ついに物語にリーチがかかります!! 後は阿佐ヶ谷メンバーが合い言葉を見つけるだけっ! 急げー!!
と、この後、寒さに耐えながら延々と「その時」を待つことになろうとは、誰も予想してなかったんですけどね。
合い言葉が見つかるのを屋外で待ち続けるのがつらかったため、交代制で男に見張りを付け、近くにあるルノアールを基地にすることに。この日、何杯のコーヒーを飲んだことか。でも、物語の結末はきっと近いっ! そして、9時48分、阿佐ヶ谷メンバーから写真が届きます。
こ、これはJ・R・R・トールキンの小説「指輪物語」の第2部「二つの塔」ではありませんか!!! 挟まれていた付箋の内容は…………画像が粗くて読めない。すぐさま「読めない」と返信! そして帰ってきた連絡は、
「マリみて1巻の祥子さまの冒頭から2つ目のセリフ」
な、なんぞこれ。ちなみに「マリみて」とは今野緒雪さんの小説「マリア様がみてる」のことでした。エスパー魔美、聖六角女学院の崩壊ときて、最後はマリみてとは……って、感慨にふけっている場合じゃなかった。全世界の協力者のみんなっ、オラたちに力を分けてくれ!!
さらにこの時、付箋が挟まっていた「二つの塔」に関して、「これって都庁を指しているのでは?」という議論が勃発。男は都庁で「ピンクのケータイ」を受け渡すのかもしれない――そんな妄想が広がります。この後、ルノアールで待機しながら「男にまかれたっ!」という情報にドキッとしたり(実はトイレに行っただけだった)、見張り組からの連絡がパッタリと途絶えて「みんな裏切り者にされた説」が浮上したりと、色々あったのですが、ついに男が移動を開始し、見張りメンバーに続くかたちで一同はルノアールを後にしました。
で、問題の合い言葉ですが、ネット上の協力者の力により正解が続々とタイムラインに流れ込みました。気になる“冒頭から2つ目のセリフ”はというと……
「呼び止めたのは私で、その相手はあなた。間違いなくってよ」
これ、言うんですか? 公衆の面前で?――肉体的にも精神的にもタフでないと、エアノベルでは生きていけません! ここで尾行メンバーから、「男が電話で“都庁”と言っている」と情報が入ります。決定的です。ルノアール組は、男ではなく都庁を目指して、移動することに。
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