ITmedia Mobile 20周年特集

イー・アクセス買収 2.1GHzと1.7GHzの「ダブルエンジン」で加速するソフトバンクのiPhone 5&LTE戦略年度末のLTE基地局は約3万(3/4 ページ)

» 2012年10月02日 10時30分 公開
[平賀洋一ITmedia]

イー・アクセスの企業価値は株価の3倍以上

 また孫氏の説明は、イー・アクセスの企業価値についても及んだ。今回の買収では、イー・アクセスの株式を1株5万2000円としている。しかしイー・アクセスの株価は、1日の始値でちょうど1万5000円(その後の買収報道で1万9070円まで急騰し、ストップ高となった)。企業価値の3倍で買収することになるが、孫氏は「払いすぎではないか? という株主もいらっしゃると思うが、そんなことはない。イー・アクセスの設備投資額やユーザーの獲得コスト、またソフトバンクグループとのシナジー効果を考えると正当な企業価値である。株主にとっても、損な話ではない」とする。

ソフトバンクが見積もったイー・アクセスの企業価値。子会社会により3600億円のシナジー効果を見込む

 経営統合で生まれるシナジーについて孫氏は、「お互いの端末で利用できる周波数が増え、販売チャネルも拡大する。我々の端末は、2つのLTEというダブルエンジンを使うことができ、構造的に優れた機能を持つことになる。こうした顧客基盤の強化には、2000億円の効果がある。端末やサービスというフロントはダブルエンジンだが、バックボーンのネットワークは1つで共用する。またお互いの基地局インフラを共用することで、設備投資の効率化を図ることが可能だ。幸い、基地局のメーカーは2社ともEricssonとHuaweiで、W-CDMAとLTEを使うなど共通点が多く、コスト削減の効果も出しやすい。こうしたネットワークの共用には1100億円の価値がある。またサポートや物流、管理コストなど経営を効率化することで、さらに500億円の効果があると想定している」と説明した。

“ダブルエンジン”と表現された、お互いの販売チャネルや基地局インフラの活用

一方でバックボーンを共用してコストを削減する

グループで業界2位に

 ソフトバンクグループにはソフトバンクモバイルのほかに、PHS事業を手がけるウィルコムも属している。8月末時点での契約数はグループで3491万人。業界でのシェアは25.7%で第3位だ。買収される4位のイー・アクセスは、同じく8月末時点で420万人の契約数を持ち、シェアは3.1%。この数字のまま2社が統合すれば、契約社数は3911万人となり、シェア28.8%で「KDDIを抜く業界2位となる」と孫氏は言う。

イー・アクセスのソフトバンクグループ入りにより、シェアは業界2位になる

 孫氏は「4+3=2ということ。これは8月末時点での数値だが、9月の純増は30万以上ある見込みで、ウィルコムも合わせれば業界2位になる。私は“3位”という言葉が嫌い。銅メダルで喜びの涙を流す姿が理解できない。もちろん2位になったからには、1位を目指したい」とさらなる成長への決意も見せた。

 「2年前の2010年、ソフトバンクモバイルのユーザー数は2700万人だった。そのタイミングで、『201X年までに4000万ユーザーを目指す』という構想を発表した。つまり、10年以内にもう1300万人の契約者数を伸ばすことを目指した。そのときは大風呂敷を広げるなぁという感想をもらったが、2012年度中に確実に4000万回線を達成できる見込みができた。私は“やりましょう”と公言したことをほとんど実現してきたと認識している。今年度中に4000万回線を達成するのは確実だ」(孫氏)

photo,年度内に4000万回線を達成する計画

 また、「我々が激しく、めまぐるしく競争をしているのは、LTEという新しいネットワーク技術があるから。親方日の丸の、恵まれた家庭の出身でなくても、金メダルを取れる。固定ブロードバンドでは、世界一速い、世界一安いサービスを提供してきたという自負がある。それを今度は、モバイルブロードバンドで実現する。そのために、志をともにする同士が真に1つとなる」(孫氏)と、旧電電公社を母体とするドコモとKDDIへの強烈なライバル意識ものぞかせた。

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