ポルトガルの首都リスボンは、古きよき時代の建物が並ぶヨーロッパらしい都市である。旧市街地は坂が多く、石畳の道を歩きながらのんびり観光するのがとても心地よい。
目立つ観光名所は少ないようだが、いやいや街そのものが観光地と思える。路面電車が走っており、昔ながらの古い単行車両が急な坂道を下ってくる姿はかなりの迫力である。地下鉄が空港まで通じているので、市内への移動もスムーズだ。
通貨はユーロ。ここのところの急激な円安で、取材時2013年1月末時点での為替レートは1ユーロが約123円だった(2013年2月末時点の為替レートは1ユーロ約120円、以下同)。とはいえリスボンはヨーロッパの中でも食費が安いほうであり、昼食は5ユーロ、夕食も10〜15ユーロ程度で食べられるレストランが多い。ショッピングモールにはフードコートもあるなど、こちらはヨーロッパというよりアジアのようなイメージだ。ポルトガル料理は魚介類や米を使うので、日本人の口にも合いやすいのもうれしい。市内観光中にちょっとおなかが減ったなら、名物のポルトガル・エッグタルトで小腹を満たすのもいいものだ。
ポルトガルには3つの携帯電話事業者がある。ポルトガルテレコム系列のTMN、ポルトガル資本でフランスOrangeと提携しているOptimus、そしてVodafone Portugalだ。各社プリペイドサービスを提供しており、プリペイドSIMカードは身分証明書の提示や登録不要にて手軽に購入できる。利用開始登録も不要なプリペイドSIMが多く、機器に入れるだけですぐに利用開始できるものが大半だ。ただ、料金プランがいくつかあるので購入時は店舗のスタッフに伝えてプラン設定をしてもらうほうがよい。
データ通信料金は各社だいたい横並びだ。スマートフォン向けのプリペイドSIMカードは音声通話とデータ通信に対応しているのだが、データ通信料金はモデムやWi-Fiルータ向けのデータ通信専用プランのほうが低価格だ。通話は別の機器で行う場合、あるいはPC用としてデータ通信環境を確保するならデータ通信専用のプリペイドSIMカードを選ぼう。
データ専用のプリペイドSIMカードは時間課金タイプとデータ量課金タイプの2種類を各3社が販売している。スマートフォンならデータ量課金タイプ、PCなら(使う時だけ利用期間中つなぎっぱなしにする使い方になると思うので)時間課金タイプを選ぶのが適している。
各社共通したデータ通信専用プランの料金は以下の通りだ。
価格 | 利用可能時間 | 利用可能なデータ量 | 最大通信速度 | |
---|---|---|---|---|
時間課金タイプ | 10ユーロ(約1198円) | 10時間ぶん(90日間有効) | ─ | 1Mbps |
データ量課金タイプ | 10ユーロ(約1198円) | (24時間有効) | 720Mバイトまで | 2Mbps |
プリペイドSIMカードは空港、市内各所にある事業者店舗やショッピングセンターなどで購入できる。リスボン・ポルテーラ空港には、国際線到着ロビーの右手にVodafone Portugalの店舗がある。10時から22時まで開いているので、ここで入手するのがひとまずもっとも簡単だ。ほかには街のショッピングセンターにもたいていは各事業者の店舗が入っている。リスボン最大のショッピングモール コロンボ・ショッピングセンターは10時から24時まで開いており、夜遅くでも意外と大丈夫である。
ただ、時間帯によっては地元客の行列で長時間待たされることがあり、店員もポルトガル語のみしかできないというケースがあるので一応注意してほしい。今回は英語ができるスタッフを呼んでくれたのだが、そのスタッフが接客中でやはり待たされた。あらかじめ「Prepaid SIM、720MB、1 Euro」などメモを書いてそれを手渡すのもいいかもしれない。ともあれ、早朝や真夜中の到着でなければ、空港のVodafoneショップの利用が無難だろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.