インタビュー
» 2013年12月05日 22時00分 公開

isai Press Conference 2013:KDDIとLGが生んだ異才な存在「isai LGL22」――“ただのコラボモデル”じゃない理由とは (2/4)

[平賀洋一,ITmedia]

デザインコンセプトは「水」

photo LG Electronicsのパク・ホンギュ氏

 LGでデザインを担当したパク・ホンギュ氏は、「スマートフォンとほかのプロダクトとの違いは、常に持ち運ぶこと。落とす可能性があるため、耐久性が必要になる。そして、手に持ったときに気持ちよくないとならない」と話す。人間に一番気持ちがよいものとして選ばれたのが“水”だ。そして、耐久性であれば“金属”が象徴でもある。isaiのボディは、コップになみなみとつがれた水面のあやうさと、冷蔵庫のような頑丈さというバランスを重視している。

 パク氏らは代々木公園でインタビューするなど日本でのリサーチを繰り返し、カラーと材質を選択。カラーについてはいくつもの提案を行い、4回に渡るレンダリングと6回に及ぶモックアップの作成を経て、水面に広がる波紋をイメージした背面パネルやサイドのメタルフレームといった、isaiのデザインが決定した。

photo 日本で行なわれたリサーチの様子

 5.2インチと大きなディスプレイを搭載するisaiのボディは、幅が72ミリ。ディスプレイの大きさとボディの持ちやすさは相反する関係にあるが、少しでも手にしっくりくるよう、曲線をうまく使ってグリップ感を高めている。またサイドのメタルフレームは丈夫さだけでなく高級感をプラスする役割もある。パク氏によると“金属調”のデコレーションはこれまでも事例があったそうだが、今回はLGとして初めて、本物の金属を使った。

 このメタルフレームはアンテナでもあり、開発陣は最適な電波特性を得るために苦労もあった。さらに、microSDスロットの部分をアンテナの切れ目にするなど、機能をデザインに溶け込ませるよう工夫している。これは背面も同様で、カメラレンズ、赤外線ポート、フォトライトといったさまざまな要素も、できるだけすっきり見えるようレイアウト。フォトライトと赤外線ポートを1つのパーツでカバーするなど、水面らしいシンプルさを貫いている。

photophoto isaiのカラーバリエーション(写真=左)。サイドのメタルフレームはアンテナになっている(写真=右)

 isaiが持つ特別感は、カラーバリエーションにも表れている。アクア、ブルー、ホワイト、ブラックという4色のうち2つは同じ青系統で、スマートフォンとしては珍しい上に、多色展開の定石からは外れる配色。というのも、isaiのデザインコンセプトは「水」であり、それをイメージさせるために青系統を重ねているという。もちろんすんなりと決まったわけではなく、キム氏は両社の間で「葛藤があった」と振り返る。

photophoto 4色のカラーバリエーションのうち青系統が2色

 ちなみに、当初は3色展開を計画していたが、急遽、4色のカラーバリエーションになったそうだ。isai以外のau2013年冬モデルは3色展開であり、4色展開にはほかのラインアップと違いを出すための意図も見えてくる。

photo 個装箱も水面をイメージ

中身も「水」がコンセプト 「G2」との関係は?

 スマホでは外観だけでなく、むしろUI/UXの方がユーザーに与える印象度が大きい。isaiスクリーンは「今起きていることを今見る」をテーマにデザインされたもので、左右の画面にニュースやトレンド、SNSの情報を表示。各アプリを起動することなく、話題になっている注目情報を確認できるのが特徴だ。auスマートパスのタイムラインも表示するなど、KDDIの戦略モデルとしての面も持っている。

photophoto 左右のフリックで情報を切り替えるisaiスクリーン(写真=左)。LGが最も得意とするディスプレイ技術(写真=右)
photo UI/UXのテーマも「水」だ

 目的もなくスマホを使ったときに、isaiスクリーンなら、指を動かした瞬間に世の中の今が入ってくる――。そんな使いこなしを目的に作られたisaiスクリーンだが、ホーム画面はスマホメーカーにとっての“顔”でもある。キム氏は、isaiスクリーンの採用はLGとしても大きな決断だったと明かす。

 この新UIのテーマも、やはり水だ。パク氏は「UIも水面を感じさせるエフェクトを使っている。アプリのアイコンや、天気や時計といったウイジェットも水をテーマにしたデザインだ。またボディカラーに合わせてUIの基調となるカラーも変えている」と話す。

 isaiはデザインやUI/UXだけでなく、ハードウェアのスペックも注目なのだが、そこで気になるのが8月に世界発表されたLG G2との関係性だ。特に日本ではドコモ版の「G2 L-01F」も冬モデルとして登場しているため、発表直後は「兄弟機では?」という声もあった。これについてキム氏は「isaiについては、開発時点で用意できるベストなパーツを選んだため、結果的にG2と似たスペックになった」と説明する。

 パネルの世界シェアが1位でLGが最も得意とする液晶ディスプレイを始め、プロセッサーやカメラ、メモリ、バッテリーなど、グローバル向けフラッグシップモデルの要素に、KDDIが要望したものから“実現可能なもの”を追加したという。例えば、先に挙げた防水性能のほか、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信、外部メモリへの対応などがそうだ。仮にG2がベースだったとしても、まったく別のスマホといえるほど違いがあり、キム氏は「LGとして、これまでに踏み込んだことがない領域に挑戦した」と述べた。

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