「Xperia Z2 Tablet」の進化点をチェックするLTE/3GモデルとWi-Fiモデルの比較も(1/2 ページ)

» 2014年05月08日 19時00分 公開
[前橋豪,ITmedia]

薄さと軽さだけではない「Xperia Z2 Tablet」の進化点

Android 4.4搭載の10.1型Androidタブレット「Xperia Z2 Tablet」

 既報の通り、ソニーモバイルコミュニケーションズ(ソニーモバイル)は世界最薄・最軽量をうたう10.1型タブレット「Xperia Z2 Tablet」の国内モデルを発表した。

 KDDIが販売するLTE/3Gモデル「SOT21」と、ソニーマーケティングが販売するWi-Fiモデル「SGP512JP」から選択できるほか、後者にはソニーストア限定でストレージ容量を16Gバイトに抑えたモデル「SGP511JP/B」も用意している。発売時期はLTE/3Gモデルが7月中旬以降(KDDI)、Wi-Fiモデルは5月31日の予定だ。

 ここではXperia Z2 Tabletのどこが進化したのか、主にハードウェアスペックを前モデルの「Xperia Tablet Z」と比較し、その内容を表にまとめた(Wi-Fiモデル同士の比較)。進化点は表中で赤色を付けて強調している。

新モデルのXperia Z2 Tablet(写真=左)と、前モデルのXperia Tablet Z(写真=右)。いずれも360度どこから見ても美しい外観と、どのポジションでも持ちやすいことを意識した「オムニバランス(全方位型)デザイン」を採用する
Xperia Z2 TabletとXperia Tablet Zの基本スペック比較(Wi-Fiモデル)
製品名 Xperia Z2 Tablet(Wi-Fi) Xperia Tablet Z(Wi-Fi)
プリインストールOS Android 4.4 Android 4.1
液晶ディスプレイ 10.1型ワイド(16:10)、トリルミナスディスプレイ for mobile、Live Color LED 10.1型ワイド(16:10)、Reality Display
画面解像度 1920×1200ピクセル(WUXGA) 1920×1200ピクセル(WUXGA)
OptiContrast Panel
高画質化技術 X-Reality for mobile モバイルブラビアエンジン2
CPU Qualcomm Snapdragon 801(2.3GHzクアッドコア) Qualcomm Snapdragon S4 Pro APQ8064(1.5GHzクアッドコア)
メモリ 3Gバイト 2Gバイト
ストレージ 16Gバイト/32Gバイト ※16Gバイトはソニーストア限定 16Gバイト/32Gバイト ※16Gバイトはソニーストア限定
Wi-Fi IEEE802.11a/b/g/n/ac無線LAN IEEE802.11a/b/g/n無線LAN
Bluetooth Bluetooth 4.0 Bluetooth 4.0
カメラ(アウト) 810万画素 裏面照射積層型CMOS(Exmor RS for Mobile) 810万画素 裏面照射型CMOS(Exmor R for Mobile)
カメラ(イン) 220万画素 裏面照射型CMOS(Exmor R for Mobile) 220万画素 裏面照射型CMOS(Exmor R for Mobile)
加速度センサー
照度センサー
デジタルコンパス
ジャイロ
GPS
NFC
赤外線通信 リモコン機能 リモコン機能
カードスロット microSDXCカード(最大128Gバイト microSDXCカード(最大64Gバイト)
USB Micro USB(MHL 3.0 ※4K出力可 Micro USB(MHL 2.0対応)
ヘッドフォン出力/マイク入力兼用 3.5ミリ(ステレオミニ) 3.5ミリ(ステレオミニ)
デジタルノイズキャンセリング
ハイレゾ音源のUSBデジタル出力
内蔵スピーカー ステレオ(前面 ステレオ(下面)
内蔵マイク モノラル モノラル
バッテリー容量 6000mAh 6000mAh
バッテリー駆動時間 音楽再生:約200時間、動画再生:約13時間、Wi-Fi Web閲覧:約11時間 音楽再生:約110時間、動画再生:約10時間、Wi-Fi Web閲覧時:約8.2時間
バッテリー充電時間 約5.8時間 約6.5時間
ボディの幅 266ミリ 266ミリ
ボディの高さ 172ミリ 172ミリ
ボディの奥行き 6.4ミリ 6.9〜7.2ミリ
重量(Wi-Fiモデル) 約426グラム 約495グラム
防水 IPX5/8 IPX5/7
防塵 IP5X IP5X
ボディカラー ブラック、ホワイト ブラック、ホワイト
発売時期 2014年5月31日 2013年4月13日
発売時の実売価格 32Gバイトモデル:6万円弱(8%税込) 32Gバイトモデル:6万円前後(5%税込)

 ボディサイズは約266(幅)×172(高さ)×6.4(奥行き)ミリ、重量はWi-Fiモデルで約426グラム、LTE/3Gモデルで約439グラムだ。幅と高さはXperia Tablet Zと同じだが、厚さは0.5ミリ薄くなり、重量は約69グラム軽くなった(Wi-Fiモデルでの比較)。これは10型以上の液晶を保有するLTE/3G/Wi-Fiタブレットで世界最薄・最軽量だ(5月7日現在、ソニーモバイル調べ)。

 薄型軽量タブレットの代表格といえるアップルの9.7型タブレット「iPad Air」(Wi-Fiモデルで240×169.5×7.5ミリ、約469グラム)と比較した場合、画面サイズの大きさと額縁の太さもあり、幅と高さは長いが、薄さと軽さでは勝っている。

 今回の薄型化と軽量化は、超高剛性FRPパネルを筐体に一体化したユニボディ構造を採用したことが大きい。スリム化しながらも、CPUやメモリ容量、IEEE802.11acの高速無線LANといった基本的なスペックは順当に強化した。バッテリー容量は変わっていないが、公称の駆動時間は延びている。

世界最薄・最軽量をうたう10.1型タブレットでありながら、IPX5/8相当の防水、IP5X相当の防塵にもしっかり対応する

 Xperia Z2 Tabletで注目したいのは、圧倒的な薄型軽量ボディで、防水と防塵(ぼうじん)にも対応していることだ。

 防水性能は従来のIPX5/7相当からIPX5/8相当にちょっとだけ進化した。IPX7は「常温で水道水、かつ静水の水深1メートル地点に通信端末を沈め、約30分間放置後に取り出したときに通信端末としての機能を有すること」だが、IPX8は水深1.5メートルと条件が厳しくなっている。IP5X相当の防塵性能は従来通りだ。

 10.1型ワイド液晶ディスプレイは1920×1200ピクセル(WUXGA)表示だ。画面サイズと解像度はXperia Tablet Zと変わらず、画素密度(表示の細かさ)は約224ppiとなる。最近はより画素密度が高いタブレットも増えつつあり、もうワンランク上の解像度が欲しかったという声もあるだろう。ここは薄型軽量ボディやバッテリー駆動時間を優先した仕様だ。ただし、約224ppiでも通常の使用距離で画素をほとんど認識できないくらい表示は細かいため、多くのユーザーが精細さに不満を覚えないと思われる。

 また、Xperia Z2 Tabletの液晶ディスプレイは、広色域設計の「トリルミナスディスプレイ for mobile」に、新開発のLive Color LEDを組み合わせることで赤と緑の色域をさらに拡張しており、独自の超解像技術「X-Reality for mobile」も盛り込んでいるため、解像度のスペックで受ける印象より色鮮やかでシャープな表示に見えるだろう。Micro USBはMHL 3.0に対応し、Xperia Z2 Tabletに保存した4K映像コンテンツを4K対応テレビに出力することも可能だ。

ステレオスピーカーは前面に配置。よく見ると、液晶ディスプレイのベゼル部分にスピーカーの溝がある

 音質面では従来下向きだったステレオスピーカーが正面に配置され、素直な音声出力が可能になっている。周囲の騒音を感知し、騒音を最大約98%低減できる「デジタルノイズキャンセリング」機能も搭載した(利用には、別売のデジタルノイズキャンセリングヘッドセット「MDR-NC31EM」やウォークマン付属の対応ヘッドフォンが必要)。

 ハイレゾ音源については本体のみで再生できるわけではないが、Micro USB経由でのデジタル出力をサポートしており、対応するUSBホストケーブル、DAC、スピーカーやヘッドフォンなどを用意すれば、高音質なサウンドを楽しめる。

 カメラの画素数は据え置きだ。ただし、アウトカメラのCMOSセンサーは高感度で低ノイズな裏面照射“積層”型構造の「Exmor RS for mobile」に強化された。その一方で同時発表のスマートフォン「Xperia ZL2」と異なり、4K動画の撮影には対応しない。

 機器連携も強化されており、プレイステーション 4のセカンドスクリーンとして活用できる機能や、対応スマートフォンに表示されている資料やカメラ映像などの画面をXperia Z2 Tabletに映し出してリモート操作できるスクリーンミラーリング機能などを備えている。

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