夏モデルでは、多くの機種が「暗い場所でも明るく撮れること」をアピールしている。また明るく撮れるだけでなく、いかにノイズを抑えて滑らかに撮れるかも重要だ。そこで、室内の暗い場所での撮影や、夜景の撮影も試してみた。
まずは室内のほとんど光のない場所で、ぬいぐるみを撮影した。ARROWS NXは暗いところでフォトライトなしではほとんど被写体を写せなかったF-01Fから大きく改善されていて、まずまず明るく写せている。が、ピントは少し外れてしまっている。AQUOS ZETAは、この中では最もしゃきっと写っていて好印象。Xperia Z2は、光のほとんどない場所でカメラを構えると、プレミアムおまかせオートが「低照度」になり、かなり明るく写せる。実際、ぬいぐるみもこの中では一番明るいが、ISO感度は6400にまで上がっていて、ノイズを抑えようとしすぎたためか、細部はつぶれてしまっている。GALAXY S5は暗い場所での撮影は苦手なようで、この中では最も暗い写りになった。
同じ環境で、フォトライトを使っても撮影してみた。至近距離から撮影したものだが、ARROWS NXは、色飛びもしておらず、ナチュラルな色で描写できている。被写体の距離に応じて光量を調整するインテリジェントフラッシュが有効に働いた結果といえる。GALAXY S5とXperia Z2は光量が強めな印象。AQUOS ZETAはノイズが目立っているのが気になる。
続いて夜景。こちらはぬいぐるみほど大きく差は出ていないが、強いていえば、GALAXY S5とXperia Z2が特にノイズを抑えて明るく写せていると感じる。夜道で撮影した時計も4機種とも明るく撮れているが、GALAXY S5は時計盤と「SEIKO」の文字を特に鮮明に記録できている。
最後に、ズーム利用時にどれだけ鮮明に撮影できるかも比べてみた。ARROWS NXは撮影サイズが3840×2160ピクセルのときは最大3倍、AQUOS ZETAは撮影サイズに関係なく最大16倍、GALAXY S5は撮影サイズに関係なく最大4倍、Xperia Z2は撮影サイズに関係なく最大8倍のデジタルズームが可能だ。AQUOS ZETAは超解像度処理でズームをしてもきれいに撮れる「美ズーム」、Xperia Z2は3倍までズームをしても解像感を保てる「全画素超解像ズーム」を備えている。
今回はARROWS NX、AQUOS ZETA、Xperia Z2が3840×2160ピクセル、GALAXY S5が3264×1836ピクセルの撮影サイズでめいっぱいズームをして撮り比べてみた(Xperia Z2はプレミアムおまかせオートに設定)。AQUOS ZETAが最も高倍率(16倍)でズームできるので、ほか3機種の写真はAQUOS ZETAの写真に合わせてトリミングした。
見比べてみると、4機種とも標識の文字はしっかり読めるが、拡大すると、AQUOS ZETA以外の3機種は粗さが目立つ。Xperia Z2は3倍までならもう少しくっきり写せるだろうが、8倍までめいっぱいズームすると、なかなか厳しいクオリティになる。AQUOS ZETAは、どのサイズでも16倍までズームできるのが心強い。
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