「7000万人のLINEユーザーで差別化」 AIスピーカー「Clova WAVE」の勝算

» 2017年10月05日 17時38分 公開
[村上万純ITmedia]

 LINEは10月5日、スマートスピーカー「Clova WAVE」の正式版を発売した。音声入力で、音楽再生やニュースの読み上げ、テレビのリモコン操作などができる。価格は1万4000円(税込)。「ポストスマートフォンの時代は、タッチ操作主体のGUI(グラフィックユーザーインタフェース)からVUI(音声ユーザーインタフェース)の時代になる」――同社の舛田淳CSMO(最高戦略・マーケティング責任者)はそう話す。各社が相次いでスマートスピーカーを投入し、市場が立ち上がる中で、LINEはどう差別化するのか。

LINE スマートスピーカー「Clova WAVE」
LINE 「Clova WAVE」のスペック

 Clova WAVEは、AI(人工知能)アシスタント「Clova」を搭載したスマートスピーカー。音声入力で、音楽聴き放題サービス「LINE MUSIC」(有料)の楽曲再生、ニュースや天気、占いの読み上げなどができ、テレビ、照明、エアコンといった家電をIR(赤外線)リモコン操作できる。

 これまで一問一答だったClovaとの会話が、連続して話せるようになった。声の話者認識、音声翻訳、カレンダー管理やメモ帳機能、ショッピングやデリバリー、タクシー配車など機能を順次拡大していく。

 ネット経由でラジオ放送を配信する「radiko」による音楽再生のほか、電車の運行状況、童話朗読など他社サービスとの連携も強化するという。

LINE 「LINE MUSIC」と連携する
LINE 連続して会話できるようになった
LINE さまざまなサービスと連携する

 また、LINEアプリのトークを読み上げる相手を選べる「LINE家族アカウント」機能を追加。プライバシーに配慮し、自分がトークに招待した相手との会話のみを読み上げるようにした。これらの機能は、8月末に発売した先行体験版もアップデートで対応する。

LINE 「LINE家族アカウント」機能を追加

競争激化のスマートスピーカー LINEの強みは

舛田さん LINEの舛田淳さん

 スマートスピーカーの市場は、大手IT企業が相次いで参入し、競争が激化している。日本国内では、Google Japanが音声アシスタント「Google Assistant」に対応する「Google Home」を6日に発売。アマゾンジャパンは、クラウドベースの音声アシスタントサービス「Amazon Alexa」搭載の「Amazon Echo」を年内に発売すると発表している。

 舛田さんは「7000万人のLINEユーザーがわれわれの強み」とし、LINEアプリ普及の実績やアプリ連携などが他社製品との差別化につながると説明。「AIエージェントデバイスは今後スマホより普及していくので積極的にチャレンジしていきたい」と意気込みを語った。

 一方、先行体験版を購入したユーザーからは、音声入力から認識までにかかる時間や認識精度を懸念する声があったが、どう考えているのか。

 「日々蓄積されるビッグデータから課題は認識している」と舛田さん。「毎日いろいろなチューニングやアップデートをしている。音声認識については年内に大幅なアップデートを予定している」

 Clova WAVEは、公式販売サイト、Amazon.co.jp、楽天などで販売する。11月以降は家電量販店でも取り扱うとしている。正式版発売を記念し、本体と「LINE MUSIC」利用権12カ月分のセット版を1万2800円(税込)で購入できるキャンペーンも実施する。

LINE アップデート内容

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