Huaweiがau向けスマホを投入する狙いは? 呉波氏が語るCES 2018(1/2 ページ)

» 2018年01月17日 06時00分 公開
[村元正剛ITmedia]

 1月9日にau(KDDI)が発表した春モデルの中で、とりわけ注目を集めたのが「HUAWEI nova 2」だ。Huaweiがau向けにスマートフォンを供給するのは、今回が初めて。かつてNTTドコモとソフトバンクからスマホを発売した実績はあるものの、ここ数年はSIMフリー市場に注力していた。

 Huaweiがau向けスマホを投入する真意は? これはキャリアビジネスにシフトチェンジする布石なのか? 1月9日〜12日に米ラスベガスで開催されたCES 2018において、ファーウェイ・ジャパンの端末部門のトップである呉波氏にグループインタビューの形式で話を聞く機会を得た。

Huawei ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波氏。nova 2を手に、2018年のさらなる躍進に自信を見せた

au向けとSIMフリーのnovaはユーザー体験が違う

―― auからHUAWEI nova 2を発売することが決まった経緯は?

呉波氏 今回、auからHUAWEI nova 2を発売できることを、とても喜ばしく思っています。novaシリーズは若者をターゲットとする製品なので、それがauのニーズとマッチしました。日本のユーザーは頻繁に電車に乗ることもあり、片手で操作できるコンパクトな端末を好む人も多いようです。nova 2は、そうした需要にも合っています。

Huawei au向け「HUAWEI nova 2」

―― au向けのカスタマイズで苦労したことはありますか?

呉波氏 au向けに提供するHUAWEI nova 2と、SIMフリーで販売しているHUAWEI novaは、ユーザーエクスペリエンス的には全く違うものです。nova 2のソフトウェアはauの基準に従い、auの要求通りに設計されたものを搭載しています。ハードウェアにおいても、au独自のプロトコルに対応させています。同じnovaシリーズでも、グローバル向けのnovaとはかなり異なります。

―― 具体的には、ソフトウェアのどの部分に違いがあるのでしょうか?

呉波氏 ホーム画面が違いますし、電話帳、メッセージなどプリインストールされるアプリも異なります。VoLTEも異なります。ですので、SIMフリーのHUAWEI novaとは違う画面が表示されます。

―― Huaweiのスマホには「EMUI」という独自UIが搭載されていますが、au向けには「EMUI」を搭載していないのでしょうか?

呉波氏 EMUIのプトロコルをベースにして、au向けにカスタマイズしたUIを搭載しています。

―― おサイフケータイを搭載しなかった理由は?

呉波氏 日本のおサイフケータイに対応させるのは過程が必要です。徐々に一歩ずつ進めていかなければなりません。今回のnova 2は対応していませんが、今後発売する機種では、搭載する可能性はあります。

Huawei CES 2018に出展されていたグローバル版の「HUAWEI nova 2」
Huawei グローバルでは5.5型の「HUAWEI nova 2 Plus」も展開

2018年のHuaweiはキャリアモデルに注力する?

―― HUAWEI nova 2をSIMフリーでも発売する予定はありますか?

呉波氏 2018年に限って言えば、nova 2はKDDIのみに提供することを決めています。

―― UQ mobileからも発売しない?

呉波氏 それについてはコメントを差し控えさせてください(1月11日の取材時にはこのように答えていたが、1月15日にUQ mobileがHUAWEI nova 2の取り扱いを発表)。

―― Huaweiは、従来、ドコモとソフトバンクからスマホを発売した実績があります。2018年は、auだけでなく、キャリアモデルへの注力すると捉えてよいのでしょうか?

呉波氏 補足させていただくと、ドコモでは2011〜2012年に、ソフトバンクでは2011〜2012年と2015〜2016年にHuaweiのスマホを出しています。全てのキャリアからスマホを出したという気持ちは常にありますが、具体的なことはお答えできません。

―― 日本で販売するスマホ全体におけるSIMフリーの比率をどのように考えておられますか?

呉波氏 弊社の中では、スマホはSIMフリーがメインと考えています。しかし、弊社は日本市場で、スマホに限らず、さまざまな製品を出させていただいています(モバイルWi-Fiルーター、タブレット、デジタルフォトフレームなど)。SIMフリー市場の規模は、まださほど大きくないたけ、過去10年間の主要な収入源は3大キャリアとのビジネスによるものです。

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