OPPOは11月上旬に「Find X」を日本市場で発売すると発表した。価格は11万1880円(税抜)。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2018年10月20日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。
Find Xの特徴は、カメラ部分が本体上部から自動で飛び出す機構を採用している点にある。カメラアプリを起動すると0.4秒でカメラが飛び出してくる仕組み。30万回以上の稼働テストを行い、万が一、本体を落としたときには、落下を検知し瞬時にカメラ部分が収納されるという。
通常は、カメラ部分が本体内に隠れているため、ノッチのないデザインになっている。これにより、画面占有率は93.8%にもなるという。
SIMフリースマホで、しかも日本参入まもないOPPOが10万円を超えるスマホを投入してくることに驚きを隠せない。
その点について、OPPO Japanのトウ・ウシン社長は「日本市場において、SIMフリーで5万円を超えると、購入するユーザーは3%程度になる。10万円を超えるとなると、ますます少なくなり、数字を把握していないくらいだ。日本市場にFind Xを持ってくる目的は、OPPOのブランドイメージの確立だ。フラッグシップを求める日本の消費者に提供することは価値がある」と語る。
前回、R15 ProとR15 Neoを発表した際、「年内にあと2機種、投入する」と語り、今回
、Find Xを発表したわけだが、トウ・ウシン社長は「年内にもう1機種とは限らない。複数機種もあり得る」と期待をもたせた。
新製品を立て続けに投入することで、話題作りに注力しているのだろう。
ライバルメーカーの関係者は「どうやら、OPPOは日本での流通数はいまのところ、相当絞っているようだ。1機種1000台程度という話もある。いまのところ、採算度外視で日本市場で展開しているのが怖い」と語る。
確かにたった1000台だけしか売らないとなると、儲けなんて出ないのは間違いない。ただ、いまのOPPOは、とにかくローエンドだけではなく、ハイエンドを投入することで、日本でのブランドイメージの浸透に躍起になっているのだろう。
OPPOは日本参入当初から、キャリアへの供給を狙っている。そのあたりの進捗について、トウ・ウシン社長は「長期的に誠意をもって取り組んでいるかを見せていく。(R15 Proでの)FeliCaの導入は技術的に実装できると証明できた。具体的にいつ採用するかはキャリアが決めること。これからも競争力のある製品やブランドの認知度を高めていきたい」と語るに留まった。
果たして、キャリア向けで勢力を拡大しつつあるファーウェイを牙城を崩すことができるのか。今後、しばらくはOPPOの展開に目が離せない。
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