iOSの間口を広げる「新iPod touch」 安さは魅力だが、セルラーモデルも欲しい石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2019年06月01日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

 WWDCを間近に控えた5月28日、Appleが突如、第7世代の「iPod touch」を発表した。新モデルの登場は実に4年ぶり。処理能力が大幅に向上した他、256GBのストレージを備えた大容量モデルもラインアップに加わっている。

 価格は32GB版の2万1800円(税別、以下同)から。現行のiOSデバイスでは最安になり、同社のサービスの普及を後押ししたい狙いも見え隠れする。

 このiPod touchを試用することができたので、レビューをお届けしたい。

思わず「小さい」と驚かされた小型ボディー

 iPod touchと銘打っているが、その見た目はiPhone、それもホームボタンを搭載していたころのそれに近い。ただ、普段からフルスクリーンになったiPhone X系統のiPhoneを使っていると、その小ささには改めて驚かされる。

 iPod touchのディスプレイサイズは、わずか4型。これはiPhone SEなどと同じサイズで、筆者のように手の大きなユーザーであれば、手のひらにきちんと収まる。ただし、形状などは、4年前に登場した第6世代のiPod touchを踏襲しており、以前からのユーザーだと、あまり驚きはないかもしれない。

iPod touch WWDC前に突如発表された第7世代の「iPod touch」
iPod touch 側面から背面にかけてはアルミを採用しており、質感は高い
iPod touch
iPod touch 右側面にはキーなどは一切搭載されない。左側面にはボリュームキーを装備。iPhoneにあるマナーモードのスイッチは非搭載
iPod touch
iPod touch 上部には電源キー、下部にはLightning端子とイヤフォンジャックを備える

音楽だけでなくアプリもしっかり楽しめる

 デザインこそ踏襲したiPod touchだが、中身は別物だ。プロセッサには、iPhone 7と同じ「A10 Fusion」を採用。Appleによると、これによって、処理能力は従来モデルの2倍に向上したという。A10 Fusionは、AR対応アプリを作成する際に利用できる「AR Kit」に対応した、2世代目のプロセッサでもある。

 第6世代のiPod touchは「A8」を搭載していたため、AR対応アプリを利用できなかったが、第7世代のiPod touchでは、AR対応アプリも動作するようになった。実際、カメラに映ったモノの長さなどを図る「計測」アプリも、最新のiPhoneと同様、標準搭載されている。

iPod touch AR Kitに対応しており、端末には「計測」アプリもプリインストールされる

 処理能力がどれほどなのかは、Geekbench 4でベンチマークを取り、スコアを確認してみた。まず、CPUはシングルスコアが2723、マルチコアスコアが4713で、これはiPhone 7よりやや劣る数値になる。GPUの処理能力を測るMetalスコアは1万118だった。これもiPhone 6sと同程度で、iPhone 7よりは低い数値になる。

 原因は、CPUのクロック数が1.63GHzに抑えられているためだと思われる(iPhone 7は2.34GHz)。とはいえ、iPhone 6sも十分現役で、いまだに最新のiOSが提供されて続けている。最新のiPhoneと比べると力不足になる面もあるが、ゲームをはじめとしたさまざまなアプリは十分な速度で動いた。

iPod touch Geekbench 4で計測したCPUのスコア。iPhone 7よりやや低いが、これはクロック周波数の違いによるものと思われる
iPod touch GPUの性能を示すMetalスコアは1万118を記録
iPod touch 3Dグラフィックスを多用したゲームも、比較的スムーズに動いた。画面は「Asphalt 9」

 docomo with(5月31日まで)やMVNOの端末として、iPhone 7がいまだに“現役”であることを考えると、アプリがきちんと動作するのはある意味当然ではあるが、それが2万1800円で手に入るのは、お買い得感がある。もともとは音楽プレーヤーとして誕生したiPodだが、第7世代iPod touchは、むしろアプリプレーヤーとして重宝しそうだ。とはいえ、最新のiPhoneと比べると、処理中の熱が気になるなど、やはり違いもある。あくまでiOSの世界の入り口になる端末と考えるべきかもしれない。

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