売りたくても売れない――販売店を襲う「Huawei問題」元ベテラン店員が教える「そこんとこ」(1/2 ページ)

» 2019年06月07日 07時00分 公開
[迎悟ITmedia]

 「期待していただけに、売れない状況は厳しいです」

 「他のメーカーにはない強みがハッキリしていて売りやすかったので、かなり困っています」

 これらは、中国Huawei(ファーウェイ)製のスマートフォンを巡る発売延期や販売見合わせに対する、携帯電話販売店のスタッフの声の一部です。

 米商務省による、Huaweiに対する事実上の禁輸処置については連日報道されている所で、ITmedia Mobileでもいくつか関連する記事を掲載しています。

 Huaweiは、既に日本国内でも十分に認知されたメーカー。その新型スマホが突然発売を延期され、予約も見合わせとなったことは、販売現場にも大きな影響を与えています。

HW-01L 予約の受け付けが中止されている、NTTドコモの「HUAWEI P30 Pro HW-01L」。編集担当者は買う気満々だったという

Huaweiのスマホはユーザーに訴求しやすい

 携帯電話販売に従事していた経験を踏まえると、筆者は冒頭のスタッフの声に大きくうなずけます。

 例えば、NTTドコモから発売予定の「HUAWEI P30 Pro HW-01L」は、「ライカ(Leica)が監修したトリプルカメラ(※)」という、他のメーカーにはないハッキリとした特徴があります。

※ 深度計測用カメラを含めるとクアッドカメラ(4つのカメラ)となります

 スマホに求める機能として「カメラ」を真っ先に挙げるユーザーは少なくありません。だからこそ、P30 Proのようなカメラ推しの機種はユーザーに提案しやすいですし、何を買おうか迷っている人にも「カメラがキレイな機種です、いかがですか?」とお勧めしやすいのです。

ドコモWebサイト記載の特徴 ドコモのWebサイトの製品情報に記載されたP30 Proの特長(特徴)は、3つ中2つが“カメラ”に関わるもの。これだけカメラ推しだと店員も勧めやすい

 一方、au(KDDIと沖縄セルラー電話)やY!mobile(ソフトバンクとウィルコム沖縄)が発売を延期してしまった「HUAWEI P30 lite」は、2016年発売の「HUAWEI P9 lite」以来続く低価格帯スマホのベストセラー商品の最新モデルです。

 ベストセラーということは「みんな選んでいるスマホ」ということ。スタッフの立場からすると「みんな選んでいる機種の最新モデルですよ」と勧めやすいのです。

 P30 liteは実売価格が3万円前後という設定。それでいて多眼カメラを搭載したり、他社の同価格帯の機種と比べてプロセッサやメインメモリなどスペック面で余裕を持たせたりと、コストパフォーマンスに優れています。

 「コストパフォーマンスも良好」で「みんな選んでいる」のであれば、「迷っているならこれです!」と言いきれる、そんな1台であることは間違いありません。

P30 lite P30 liteは価格の割に性能も良好で、ベストセラー機種の後継。店員の立場からすると勧めやすい要素が詰まっている

「武器」を使えない“つらさ”

 P30 ProやP30 liteだけではなく、Huaweiがここ数年の間に国内に投入したスマホは「他の機種にはない分かりやすい「武器」」を備えています。

 それだけに今回の発売延期と予約受け付け中断は、各キャリアはもちろん、スマホをセット販売しているMVNOにも販売面で影響を与えています。

 実際に販売店のスタッフにP30 Proについて話を聞いてみると……。

 「(事実上の)ドコモの専売という強みから、P30 Proは2019年夏モデルの中では販売台数(が多くなること)を期待していた」

 「5月16日の発表以降、P30 Proは指名で予約に来るお客様も多かった。出ないとなれば他の機種に振り替えるも難しいので、その分どんな機種が売れるのか、あるいは他のキャリアにポートアウト(MNP転出)するのではないかと不安は大きい」

 といった声が聞かれました。さらに、P30 liteについても聞いてみると……。

 「安価なスマホの選択肢は増えているけれど、国内メーカーにこだわるといったユーザーでなければ、(Huaweiのスマホは)オススメして買わないという人はほとんどいないだけに、発売延期はかなり厳しい」

 「『P30 liteを待ちたい』という買い控えも多かった。(予定通り発売された)SIMロックフリーモデルを単体で買ってもらって回線を別に契約してもらう、という選択肢もあるが、セットで提案できる強みが薄れると、途端に販売台数が伸び悩む」

 といった声が聞かれました。P30 ProにせよP30 liteにせよ、発売延期や予約中断は販売現場に大きな不安を与えていることが伺えます。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月11日 更新
  1. スマホの“ミニ”外付けディスプレイが流行の兆し? 若者がインカメラではなく「アウトカメラ」で自撮りする理由 (2026年06月10日)
  2. IIJmioのスマホ大特価セール 中古「iPhone SE(第3世代)」が4980円、「OPPO Reno11 A」が9980円など (2026年06月09日)
  3. ドコモの通信障害に“AIエージェント”が先手 「SNSの投稿」も常時監視するオペレーションセンターの裏側 (2026年06月10日)
  4. JR東日本が2027年春から「二次元コード乗車券」を導入 近距離券売機での磁気券は順次廃止へ (2026年06月09日)
  5. iOS 27は「iPhone 11」以降で利用可能 iOS 26から据え置きで過去最大のiPhoneに対応 (2026年06月09日)
  6. 「Pokemon GO Fest 2026:東京」のモバイル通信は快適だった? 初対策の楽天モバイルがピーク時に“最速”も記録 (2026年06月10日)
  7. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  8. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【6月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年06月08日)
  9. あのシャープが「ウェアラブル」に参戦? スマホ「AQUOS」新製品予告 詳細は16日に発表 (2026年06月10日)
  10. 「iPadOS 27」発表 Siri AI対応で生産性が向上、スクショから調べ物も可能に (2026年06月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー