大手企業を中心に、ネットで注文した生鮮食料品などを自宅に配送してくれる「ネットスーパー」に取り組むスーパーマーケットは多い。また、ネット経由でなくても店頭で買った生鮮食料品などを当日中に配送してくれるサービスを提供するスーパーマーケットもある。
しかし、とりわけネットスーパーはニーズがあるのに使われない状況にあるという。理由はさまざまだが「配送時間に家にいられない」「すぐに届かない」「配送料が高い」といった理由を挙げる人が多いそうだ。
解決するには「配送時間を拡大する」「注文してからすぐに届ける」「配送料を安くする」……と、言うだけなら簡単だが、先述の通り、宅配業者は既に人手不足。配送時間の拡大や迅速化は困難な状況にある。人手不足に伴い配送コストも高くなる傾向にあるため、配送料を下げることも難しい。
いろいろな意味でのキャパシティ不足により、ネットスーパーは販売機会を失っている状況にある。
そこでソフトバンクとイオン九州は、まずネットスーパーの配送時間の拡大を試行。夜間配送のニーズを探るべく、1店舗限定で8月31日まで配送時間帯を拡大。中でも、22時から23時までの時間帯の配送に応じるネットスーパーは日本初(ソフトバンク調べ)となる。
第2段階では、ソフトバンクの協業先の1社であるCBCloudが開発した軽貨物マッチングプラットフォーム「PickGo(ピックゴー)」を活用し、ネットスーパーの宅配業務を同サービスの登録ドライバーとマッチングする実証実験を実施する。
荷物量や配送件数に応じて、柔軟にトラックやバンの台数を変えることで、余分なコストを抑制しつつ、ネットスーパー利用者の利便性を高めることを目指す。
今回の実証実験の成果次第では、夜間配送に対応する店舗の拡大も視野に入る。
ソフトバンクでは、自動車以外の既存の配送モード(自転車、バイク)はもちろん、ドローン、ロボットや自動運転車といった技術開発が進行中の配送モードも組み合わせた配送マッチングサービスの開発も視野に入れているという。
ICTでネットスーパーの需要を喚起し、宅配業の抱える課題を解決できるか。この実証実験の先にある“将来”に注目だ。
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