三井住友カードがGMOペイメントゲートウェイ、ビザ・ワールドワイド・ジャパンが協業して提供する決済プラットフォームの「stera」の決済端末「stera terminal」の本格設置が7月6日から開始することが決まり、三井住友カードが同端末の詳細を報道関係者向けに公開した。
steraは、三井住友カードら3社で提供する決済ネットワークなどをトータルで提供するプラットフォーム。クレジットカード、電子マネー、コード決済をまとめて三井住友カードがアクワイアリングし(加盟店契約業務を行い)、オンライン・オフラインの双方の決済情報をまとめて管理できる。クレジットカードの場合、JCB、アメリカンエクスプレスやダイナースはJCBがカバーするため、ひとまとめに管理することはできないが、それ以外の決済手段であればsteraのプラットフォーム内で一括管理できる。
既にstera事業自体はスタートしており、三井住友カードは加盟店開拓を行っているが、今回、新型コロナウイルスの影響で提供が遅れていたstera terminalの提供スケジュールが決定。7月6日以降、コロワイド、サイゼリヤ、ワタミ、トモズなどが順次同端末を設置していく。
stera terminalは、OSにAndroidを搭載した決済端末で、開発はパナソニックが担当。店舗スタッフ側に7型のタッチスクリーンを搭載し、利用客側にもタッチパネル付きディスプレイを備えた据え置き端末となっている。クレジットカード、電子マネー、QRコードの各決済手段をサポートしたオールインワン端末という点が特徴だ。
客側にICカードリーダー、磁気ストライプリーダーがあるので、店員にカードを手渡さずに決済が行える。客側ディスプレイへのサインやPINパッドの表示も可能。FeliCa/NFCリーダーも備えているので、電子マネーやクレジットカードのタッチ決済にも対応する。客側ディスプレイ上部にカメラも搭載し、客がスマートフォンに表示したQRコードを読み取って支払うこともできる。
QRコードは、サーバ側でコード決済事業者を自動判別するため、店舗スタッフ側は「QRコード」を選択するだけで、対応する事業者のQRコードを読み取れる。他にレシートプリンタも内蔵する。
既存のPOSレジとの接続が可能で、POSレジで入力した支払い情報を客側ディスプレイに表示して、そのまま支払いができる。Bluetoothなどのワイヤレスに対応したキャッシュドロワーやキッチンプリンタなどとの接続もサポートする。
単体でのPOSレジとしての利用も可能。Android OSを採用したことでアプリによる機能拡張が可能で、mPOS(モバイルPOS)のポスタスが提供する「POS+」アプリを導入し、POS+に加入することで、stera terminalだけでPOSレジとして使える。
三井住友カードではstera terminal専用のアプリマーケット「stera market」を公開。mPOSのポスタスに加え、スマートテクノロジーズ&リソーシーズの免税手続き電子化アプリ「スマートデタックス」やロール紙注文アプリを公開する。さらに今後、医療機関向けの受け付け機能を提供するGMO医療予約技術研究所の「メディカル革命ByGMO」、クラスメソッドのレジレス店舗運営システム「Passレジ」も公開予定。他にも、在庫管理や人事・労務管理など、店舗運営全体をカバーするようなアプリを公開していきたい考えだ。
stera terminalはハイエンドの決済端末としてそれなりの価格となるが、stera自体は加盟店側の負担とならない。コード決済を含めた幅広い決済手段による売り上げを一括して管理できることに加え、各決済手段の売り上げがまとめて入金されるため、加盟店側にとっては「売り上げが分散して、決済手段の売り上げごとに入金手数料がかかる」といった問題が避けられる。さらに今後、入金サイクルの迅速化も図るという。
加えて、stera terminalのバリエーションも拡充したい考えで、セルフレジやバッテリー内蔵によるモバイル対応なども検討していくとしている。
stera terminalは、Android OS採用による拡張性と幅広い決済手段への対応によって、オールインワンの決済端末として必要な機能は全て兼ね備えており、三井住友カードでは、大手だけではなく、中小・個店を含めた幅広い業種業態への展開を強化していく考えだ。
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