本製品の機能は多彩だ。スマホを持って近づくことで自動的に施錠/解錠できる機能に加え、別売のWi-Fiアクセスポイントを追加することで、スマートスピーカーとの連動しての施錠/解錠および施錠確認にも対応している。操作のログも取れるので、誰がいつ外出して帰宅したという記録も残せる。
もっとも筆者の場合、この中で使っているのは、冒頭にも述べたようにほぼオートロック機能だけだ。解錠したまま放置していると、指定時間が経過すると施錠してくれる機能である。もともとの部屋がオートロック式でなくとも、こうした機能を後付けで追加できるのはありがたい。賃貸物件では特に重宝する。
ビルトイン式のオートロックにない利点として、ロックまでの猶予時間を自由に決められることが挙げられる。例えば施錠されるまでの時間を解錠から1分後に設定しておけば、扉が閉まった後に鍵を室内に置き忘れたことに気がついても、取りに戻れる猶予が生まれる。ちなみに猶予の時間は最低3秒〜最長4分まで指定可能だ。
もちろん、スマホから解錠や施錠する機能も便利に使える。体調不良により自宅内で寝込んでいる時に、鍵を持たない家族が帰宅した場合、あるいは誰かが見舞いに来てくれた場合に、わざわざ玄関先まではっていかずにスマホから解錠できるのは、非常時の備えとして有用だろう。
また、ゲストアカウントを発行して友人や知人に一時的に施錠および解錠の権限を預け、用が済んだら無効にすることも設定できる。操作可能な時間帯も指定できるので、例えば旅行中に自宅のペットに餌をやってもらう時間帯だけ解錠できるようにし、それ以外の時間帯は操作できなくするといった使い方も考えられる。
使ってみた感想は以上で、筆者が当初想定していた使い方は問題なくできているのだが、多少気になったのは、Bluetoothを用いて1対1でスマホと接続する関係上、共有先のメンバーがアプリを起動したままだと接続できない場合があることだ。
外出先から帰宅し、玄関先でスマホを取り出して解錠しようとしても、リンクが切れたまま何もできない、といった状況が起こりうる。Bluetoothの仕様上、強制的に切断させて割り込むこともできない。
そのため、今回の筆者のようにオートロック機能に絞って使うのであればまだしも、ふだん持ち歩いている鍵を全面的にスマホアプリに置き換えるつもりで導入するならば、しばらく試して挙動を見ながら徐々に移行していく慎重さがあってよさそうだ。
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