今後はスマホにとどまらず、シニアと社会を結ぶための通信機器を提供していくという。その一例として紹介したのが、大きな鏡のようなディスプレイデバイス「Smart Gate」だ。ディスプレイに呼びかけると、呼びかけられた相手がまるで隣の部屋にいるように応えて、こちらをのぞき込んでくる。「通信で物理的な距離をゼロにすることで、いつでも隣に家族がいるような安心感を醸成する」(伊東氏)ことが狙いだ。
現状はあくまでコンセプトだが、団塊の世代が後期高齢者になり、シニア人口がピークになる2025年頃を目指して開発を進める。各機能それぞれは現状でも実現できるが、「この大きさの鏡になると、熱、電力、コスト、通信速度の問題がある」と伊東氏は指摘。しかし「5Gのインフラが整い、次の6G、Wi-Fi 6といった高速大容量の世代になるとクリアできる」という。
また、今はスマホとつなげているウェアラブル機器。今後は家電製品はもとより、クルマ、引いては街そのものとつながっていくという。伊東氏は「さまざまな情報が連動してスマートシティーを形成し、街全体で安全な生活を担保していく。そんな社会を作る一端を担うデバイスをこれから開発していく」とビジョンを語った。
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