5Gが創出する新ビジネス

京セラが5Gスマホ投入へ まずは米国から 「ローカル5G」にも注力

» 2019年11月01日 15時39分 公開
[田中聡ITmedia]

 京セラが11月1日、2020年3月期上期の決算説明会を開催。谷本秀夫社長が、5Gへの取り組みについて説明した。

京セラ 京セラの谷本秀夫社長

 同社は5Gのインフラ向け部品として、光通信モジュール用のセラミックパッケージ、5G基地局用のセラミックフィルターなどを手掛けており、これら部品の需要が増加しつつあるという。セラミックフィルターはアンテナと並ぶ重要な部品。5Gの特定周波数を通過、遮断させる機能を備えており、広範囲をカバーするマクロセル基地局での利用が見込まれている。京セラとユー・イー・エルの合弁会社「京セラ宇部RFテック」がセラミックフィルター事業を展開し、グローバルの販売網を活用して拡大を図る。

京セラ 5Gインフラ向け部品の需要が増加しているという

 谷本氏は「(5Gの)インフラが進むことは予想していたが、思った以上に5G携帯が来期動きそうだと感じている」と話し、その分、5Gインフラ向けの電子部品が第4四半期以降、想定よりも伸びるとみる。特に「5G携帯電話で活発に引き合いがあるのは米国向けが多い」そうで、京セラ自身も「来期(2020年4月以降)に(米国向けに)5Gスマートフォンを開発する」という。日本向けの5Gスマートフォン投入については「まだ具体的には話はないが、技術としては米国向けも日本向けも違いは多くないので、要求があれば作れる体制は整えたい」と述べるにとどめた。

 上期の事業セグメント別を見ると、京セラの携帯電話事業を含む「コミュニケーション」は、売り上げが前年比10.5%増の1269億7700万円、利益が前年比662%増の49億9900万円。このコミュニケーション分野は「5四半期連続で黒字」(谷本氏)だといい、日本での携帯事業が好調を維持していることがうかがえる。同社の日本向けスマートフォンはミッドレンジモデルが中心だが、手軽に5Gを体験できるモデルで存在感を発揮することが期待される。

京セラ
京セラ コミュニケーション事業は黒字を継続している
京セラ 京セラ携帯の現行ラインアップ。かんたん系、タフネスモデル、ミッドレンジ機が中心だ

 工場、オフィス、病院など限られたエリアで5Gネットワークを構築する「ローカル5G」にも京セラは取り組む。ローカル5Gは、キャリアが提供予定の5Gサービスとは異なるもの。キャリアのエリア展開が遅れる場所で先行して5Gを導入したり、セキュアかつ安定したネットワークを構築したりすることを目的に、制度化が進められている。周波数帯は4.5GHz帯と28GHz帯の利用を想定しており、2019年11月〜12月に免許の申請がスタートする予定。

 京セラはローカル5Gのネットワーク構築を可能にするローカル5Gシステムと、5G接続が可能なデバイスを開発。これらを用いて、まずは自社の工場で実証実験をスタートする見込み。谷本氏は「当社が通信事業で培ってきた高度なアンテナ技術と、部品からシステムソリューションまでの幅広い知見を融合させることで、さまざまな5G関連のソリューションを展開する」と意気込みを語った。

京セラ ローカル5Gの取り組みにも注力する

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