ライカのスマホ「Leitz Phone 1」はここが“新しい” AQUOS R6との違いも含めて徹底検証荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(2/3 ページ)

» 2021年08月10日 08時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

AQUOS R6とカメラ機能はどう違う?

Leitz Phone Leitz Phone 1で撮影。撮影範囲を示すフレームが特徴だ

 では撮ってみる……前にLeitz Phone 1のカメラの基本を。Leitz Phone 1のカメラは1つだけ。その代わり1型で2020万画素の大きなセンサーを搭載している。アスペクト比は3:2(35mm判フィルムと同じ)。一般的なスマートフォンは4:3で、それより少し横長になる。

 レンズは19mm相当のF1.9。光学式手ブレ補正は搭載していない。日常使いに19mmはちょっと広角過ぎるので、24mm相当(これが1x)と48mm相当(2x)をデジタルズームで賄うようになっており、起動時は24mm相当(1x)となる。

 起動したときの画面はAQUOS R6とちょっと違う。基本的には同じだが(良くも悪くも)ライカ的な味付けがされているのだ。以下の画像を見比べてほしい。どちらも1x、つまり24mm相当の画角での撮影をするときの画面だ。

Leitz Phone Leitz Phone 1のカメラアプリ。見えているのは19mmの画面だが、実際に写るのは四角いフレームの24mm相当。画角も倍率の数字で表示される
Leitz Phone AQUOS R6のカメラアプリ。画角はアイコンで表示

 大きく違うのは2点。1つは画角。風景や人物などアイコンで示していたのがAQUOS R6。0.7x、1x、2xと倍率で表示するのがLeitz Phone 1。

 さらにもう1つ、この2つの画面はどちらも「24mm」相当時の画面だが、Leitz Phone 1は19mm相当時のフルの画角で表示され、中央に「24mm時の撮影範囲」を示すブライトフレームが表示されている。よく見ると「24」という文字もある。

 レンズ交換式レンジファインダーカメラでは、装着したレンズの画角に応じた撮影範囲を示すブライトフレームを表示して撮影の手助けにしている。Leitz Phone 1では19mmのレンズに対して24mm相当分の画角を使うので、ブライトフレームファインダーを摸したのだ。

 紛らわしいのでオフにもできるけど、実際に撮影される範囲の外側も見えるってのは、慣れてくると、どこからどこまでをフレームにおさめるべきかが見極めやすくなってよい。

Leitz Phone 実際に撮影された写真。2020万画素サイズで階調も豊かで全体に派手すぎずナチュラルな感じでいける。

 ちなみに、0.7xにするとブライトフレームは出ない。

Leitz Phone 0.7xの超広角時の撮影画面。当然ブライトフーレムはなし
Leitz Phone 19mm相当のカメラ本来の画角だ

 2xにするとブライトフレームのサイズはそのままで表示が「48」となり、少し広い範囲が表示される。

Leitz Phone 48mm(2x)時の画面
Leitz Phone 48mm(2x)時も2020万画素サイズとなる(つまりデジタルズームがかかっている)が、ディテールもけっこう出ていて拡大表示しない限り気にならない

 ピンチイン/アウト操作でこの3つ以外の画角でも撮れるが(最大6xまで)、残念ながら、フレーム脇に焦点距離を表す数字が出るのは「24」と「48」のみ。これは残念、常に出してくれればいいのに。

Leitz Phone 1.8x時。1xと2x以外では焦点距離を示す数字が表示されないのが残念

画質は1型センサーの強みですごくよい

 画質は基本的に色や階調はナチュラル系で、無理に色を盛っていない。デジタルカメラの絵を見慣れている人には自然だし、なおかつHDRは自動的に効くので、ダイナミックレンジもそこそこ広くてなじみやすいと思う。

 AQUOS R6と同じか、というと、画作りが微妙に違うかも、という気がする。手元に2台あれば同じ条件で撮り比べられるのだけど、ないのでその辺はまあ「気がする」レベルってことで。

Leitz Phone 多摩川にて。リアルな青空の感じとかすごくいい感じ

 比べられるかなと思って、AQUOS R6と同じ場所で撮ったのだけど、天気が違いすぎてダメなのだった。なんといっても暑くてまぶしい。

Leitz Phone めちゃ陽射しが強くてまぶしそうだったが、川を背景に

 せっかくなので「まぶしー」って感じのカットを。背景ぼかしモードで。背景ぼかしモードだと画角が1.5xくらいになるのはAQUOS R6と同様だ。

Leitz Phone 背景ぼかしモードを使ってポートレート撮影。この日は本当に暑かった

 ただ、画角の切り替え時やAF時、撮影間隔などのレスポンスがちょっと良くない、サクサク感に欠ける。特にAFはもたつくことがあり、その辺はAQUOS R6も同じなのだけど、残念な点だ。ぱっと向けてぱっと撮るよりは、ちょっとじっくり撮る感じで構えた方がいいかと思う。写りは抜群にいい。デジタルズームがかかっている48mm相当でもそれが気にならない写りを見せてくれるし。

Leitz Phone 48mm相当で多摩川と是政橋。手前に草をぼかして入れてみた
Leitz Phone 19mmで。コンテナのシルバーとピンクの扉と青空のコントラストがよかったのでつい撮ってみた

 逆光時のバランスもいい。無理に暗部を持ち上げて不自然になったりしない。

Leitz Phone JR稲城長沼駅前にて、24mmで逆光のスコープドッグ。無理に暗部を持ち上げたり色をのっけたりしてないの特長だ。

 これなんか、19mmで撮ったのだけど、もうスマホの画質じゃないもんね。

Leitz Phone 展示されていた古い車両の中で19mmで撮影。ほどよくHDRがかかってすごくよい

 これもフォーカスの合い方も背景のちょっとぼける感じもいい。左下に指がかぶっちゃったけど、これは暑かったからしょうがないのだ、ということで。

Leitz Phone 19mmで車両のフロント部分を。色もボケ方もいい。左下の指は気にしないでください。暑かったので

 撮影最短距離は気を付けた方がいいかな。よく「もう少し離れて撮影してください」と言われる。

Leitz Phone この表示が時々出る。近すぎて出ることもあれば、「この距離で出るの?」ってこともある(そのときはいったん撮影モードを変えるとか、違う方に向けてAFをリセットするといい)

 AFはあまり寄れないので、大きく撮りたいときは2xの望遠を使うのがいいかも。

Leitz Phone 48mmで小さな鉢植えのヒマワリを狙ってみた

 あと、センサーサイズが大きい分、近距離で撮ると背景が大きくぼけるが、その分フォーカスにシビアになる。

 暗所にはさすがに強い。光学式手ブレ補正がない分シャッタースピードを速めに保つのだが(1/100秒くらいで頑張る)、それでも以下のクオリティーだ。

Leitz PhoneLeitz Phone 料理作例。ちょっと室内光とほんのり入る外光の色の差が大きいので過酷ではあったが、冷たくておいしいスイーツでありました(画像=左)、室内でうちの猫を撮影(画像=右)。顔にピントが来るようタッチAFを使用。シャッタースピード1/100秒でISO770

 夜景になると、それにスマホならではのナイトモードが加わるのだ。

Leitz Phone ナイトモードで深夜のパンダ。1秒くらい手持ちで頑張るとこのクオリティー。ノイズも少なくてきれい

 さらに三脚に固定されていると判断されると2〜30秒の三脚モードになってスローシャッターのめちゃきれいな夜景を撮ってくれる。

Leitz Phone このように三脚につけると、左下に(分かりづらいけど)三脚アイコンが出て、長時間露光が可能になる
Leitz Phone 約30秒かけて撮影した夜景写真。シャドー部からハイライト部までしっかり捉えた、めちゃ気合いが入った写りになった

 次はモノクロ写真で「ライカっぽさ」を演出してみる。

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