進化した「OPPO Reno11 A」が4万円台を維持できたワケ Reno9 Aでガッカリした3つのポイントを重点強化(2/3 ページ)

» 2024年07月11日 16時08分 公開
[石野純也ITmedia]
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4K動画撮影機能が復活 AI消しゴムはクラウド側で処理

―― 今回、動画が4Kに対応しましたが、それもチップの性能が向上したことが大きかったのでしょうか。

坂井氏 その部分は当然ありますが、理由としてはユーザーの声もありました。Reno7 Aや9 Aのときには、「4K動画撮影に対応していない」という声が挙がっており、そこに対応した形です。

河野氏 4K対応できるかどうかは、イメージセンサーとSoCの複合的なバランスです。Reno9 Aで対応したとしても、すぐに熱暴走してしまっては使いものになりません。そこのバランスを見て採用しました。

OPPO Reno11 A ユーザーの要望に応えて4K動画撮影機能を復活させた

―― ユーザーからの声があったということですが、そんなに4Kで動画を撮る人は多いのでしょうか。

河野氏 Reno11 Aを使って4K画質で撮って純粋に楽しむ方は、確かに少ないかもしれません。想定しているユーザー層もそうですし、実際のユースケースを見てもそうです。ただし、横で撮っておき、後から縦で切り出す方は特に若い世代で増えています。4Kで撮っておき、縦の1080pで切り出すという使い方ですね。少なくとも、Reno11 Aのお客さまは、主にSNSでの縦動画を期待されています。

―― なるほど。もともと大きく撮っておけば、切り出しても画質がそこまで落ちないですからね。次に、AI消しゴムについてうかがいたいのですが、これはGoogleフォトの消しゴムマジックとどう違うのでしょうか。

坂井氏 消すことだけならAシリーズでもできますし、Googleフォトにも消しゴムマジックが入っています。一方で、OPPOは長い間AIを開発してきました。今年(2024年)の初めにはAIセンターを設立し、AIはグローバルでも重要な戦略の1つに位置付けられています。さらに、そのAIをハイエンドのユーザーだけでなく、幅広い人に普及させたいということで、ミッドレンジのユーザーにも生成AIを体験していただけるよう、Reno11 Aに搭載することになりました。

 仕組みとしては、画像をクラウド側で処理しています。エッジAIではありませんが、そうすることで、端末の処理能力に依存せず、高性能な背景の生成が可能になります。「消しゴム」というと他社と同じような名称ではありますが、より高精度で、自然な消し方ができるようになりました。

河野氏 画像処理という意味だと、OPPOには一日の長があります。かつてフラグシップのFindシリーズには、独自の画像処理チップ「MariSilicon」が搭載されていました。いろいろあって、MariSiliconのチームは解散になってしまいましたが、知的財産自体は残っています。そういったところを生かしつつ、OPPO独自の画像処理エンジンを入れていけるのは大きいですね。他社と比べても、OPPOのAI消しゴムは自然な仕上がりになると思います。

―― AI消しゴム以外でAIを使った機能は、他に何がありますか。

坂井氏 生成AIという意味だとAI消しゴムだけですが、顔を補正するAIビューティーや、AIクリッピングという写真を長押しするだけで切り抜きができる機能にもAIを使っています。

河野氏 他にも、バックグラウンドでのOSやキャッシュデータの最適化、インデックス化にもAIを使っています。アプリケーションの圧縮、復元にもAIの処理を入れています。

長持ちの訴求からコスパの訴求に原点回帰

―― OSの最適化という意味だと、Reno9 Aまでは長く使えることを打ち出していて、「ナガモッティ」というキャラまでいました。ナガモッティがいなくなってしまいましたが、長持ちしなくなったのでしょうか(笑)。

坂井氏 システムの長持ちやバッテリーの長持ちということ自体は、継続的にやっています。

河野氏 「OPPO=長持ち」というイメージの訴求は2年やってきて、もういいかなということで今回はやっていません。よりビジネス的な答え方をすると、お客さまの認知もある程度得られたのでナガモッティは今回使っていません。

―― そういう意味だと、今回はよりコストパフォーマンスを高めるという原点回帰のようなところはありますね。

河野氏 今回は画面の占有率も上がり、リフレッシュレートも上がっています。分解してお見せしたいのですが、バッテリーも増えつつ、薄くなっているのもポイントです。

―― デザインに関してですが、今回OPPO Glowはグリーンだけなのでしょうか。

坂井氏 ダークグリーンがOPPO Glowで、コーラルパープルは違います。こちらは、磁性インクを使って、見た角度で表情が変わるようにしています。

OPPO Reno11 A ダークグリーンにキラリと輝く独自加工のOPPO Glowを取り入れている

―― 日本では、Reno7 AでOPPO Glowが採用されました。この際に、日本向けのデザインとして取り入れられた経緯があったかと思いますが、今回のダークグリーンはそれと非常に近いような印象もあります。日本向けの企画が、グローバルに広がっているということでしょうか。

河野氏 文化の逆流というほどではありませんが、Reno7 Aのころから、日本的なスペックの要求やデザイン、カラーリングなどはだいぶ(グローバルに)入るようになりました。Reno5 A以前のモデルだと原色系が強いイメージだったと思いますが、日本にお住まいの方は色に対する要求が厳しい。例えば、JIS規格もそうですが、一言で白と言っても20通り以上のパターンがあります。そのため、どの色がいいかという点で、日本の意見は重要視されています。

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