楽天モバイルは2025年10月より新料金パック「Rakuten 最強 U-NEXT」を開始する。U-NEXTで配信されているコンテンツの視聴料とデータ無制限がセットになって月額4378円(税込み)となるのが特長だ。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2025年6月28日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
U-NEXTでは、ドラマ、スポーツ、映画、音楽ライブをはじめ、200誌以上の雑誌や3000冊以上の児童書も読み放題となっている。
また、楽天が提供する「楽天マガジン」や「楽天ミュージック」などのデジタルコンテンツ特典だけでなく、海外ローミングや無料通話アプリ「Rakuten Link」も利用可能だ。
NTTドコモやKDDIが相次いで付加価値を載せた値上げをしてきた。「楽天モバイルが載せられる付加価値とは何なのか」というのが気になってきたが、U-NEXTを持ってくるとは実に上手い。
今回、データ通信は段階制ではなく定額制を導入した。楽天モバイルの課題であったARPUの向上に寄与する。さらにはU-NEXTをセットしたことで解約抑止にも効いてくるだろう。
月額1089円、お得になる設計だが、これまでU-NEXTが提供してきた1200ポイントの付与がない。両社とも痛みはほとんどないなかで、ユーザーを囲い込める、考えられた施策と言えそうだ。
今回の発表、これまで日本のインターネットを牽引してきた楽天・三木谷浩史会長、U-NEXT・宇野康秀会長が登壇するなど、演出も上手くはまった感がある。
ただ、唯一、残念だったのが、セット料金を「最強家族プログラム適用時」のみで表記したことだった。
楽天モバイルとしてはできるだけ安価に見せたいという本心から、110円安い料金表示に統一したのだろうが、あれでは誠意がなさ過ぎる。
やはり、ちゃんとメディアやユーザーに魅力を伝えたいのであれば、通常時の金額と割引適用時を併記する、あるいは通常時の金額表示のみにすべきだった。
単に発表会に使ったプレゼン資料だけでなく、プレスリリースにも通常時の金額表記がなかったのは本当に不親切だ。
発表会における料金表示においては、KDDIがAmazon Primeとのセット料金発表で「さよなら、au」をネットで炎上したし、つい最近も、NTTドコモが「ドコモMAX」で、各種割引を提供したあとの金額を訴求して「わかりにくい」というバッシングを浴びている。
なぜ、楽天モバイルは他社の失敗を教訓にすることができなかったのか。
どんなに「わかりやすいシンプルなプラン」を訴求しても、その金額自体がわかりにくかったら、結局、ユーザーを欺いていることになる。
そもそもの料金プランの内容や発表会の立て付け、経営に及ぼす効果など、練りに練られた「Rakuten 最強 U-NEXT」だっただけに、110円のせいでなんとも後味の悪い印象が残ってしまったのが本当に残念だ。
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