中古スマホの買い取り価格はどのように決まる? 「高く売れる」タイミングも解説粟津浜一の中古スマホ最前線

» 2025年07月07日 12時35分 公開
[粟津浜一ITmedia]

 前回は「なぜiPhoneのリセールバリューは高いのか?」というテーマでお届けしましたが、今回はその逆の視点から、「スマホの買い取り価格はどのように変化するのか?」について解説していきます。

 スマホを売ろうと考えたとき、誰しもが気になるのが「今売ったらいくらになるの?」というポイント。実はこの買い取り価格、タイミングや市場の動きによって大きく変動するのをご存じでしょうか? 今回はそのメカニズムと、なるべく高く売るためのベストなタイミングについてもお伝えします。

スマホの買い取り価格は「需要と供給」で決まる

 まず基本として覚えておきたいのが、「買い取り価格は需要と供給のバランスで決まる」という点です。これは世の中のあらゆる商品に当てはまる経済の基本原則ですが、当然スマホにも当てはまります。

 さらにスマホの場合は、国内市場だけでなく、海外市場の動向も買い取り価格に影響を及ぼします。特にiPhoneやGalaxy、Xperiaなどのグローバルモデルは、円安・円高といった為替の変動や、海外での人気モデルかどうかによっても価格が左右されるのです。では、実際にどのようなパターンがあるのか、ケース別に見ていきましょう。

ケース1:需要高 × 供給高

  • 例:iPhone 16eの発売直後にiPhone SE(第2世代)やiPhone SE(第3世代)の需要が急増した場合

 このケースでは、「欲しい人が多い」×「市場にもある程度在庫がある」という状態。結果として、販売価格がやや上昇し、買い取り価格もそれにつられて上がる傾向にあります。ただし、供給が多い分、上昇幅はやや限定的になるのが特徴です。

iPhone SE(第3世代) iPhone 16e発売直後に、中古需要が増したiPhone SE(第3世代)。この場合、iPhone SE(第3世代)の価格がわずかながらも上昇する傾向にある

ケース2:需要高 × 供給低

  • 例:iPhone SE(第2世代)やiPhone SE(第3世代)の需要が高まったが、市場に在庫が少ない場合

 このパターンは一番の高騰パターン。欲しい人が多いのに、出回っている数が少ないため、販売価格が跳ね上がり、買い取り価格も大きく上昇します。もしあなたの売りたいスマホがこのケースに当てはまるなら、高く売れるチャンスです。

ケース3:需要低 × 供給高

  • 例:新機種の登場で旧機種(例:iPhone 14や15)の需要が減ったが、在庫は潤沢にある場合

 需要がないのに在庫がある=価格は下がるという単純な構図。販売価格が下がり、当然買い取り価格も下落傾向となります。そのため、需要が低いこのタイミングに売るのは、あまりおすすめできません。ただ、需要が上がってくる可能性もあるので、需要が上がってきたときに売却を再検討する方がいいでしょう。

ケース4:需要低 × 供給低

  • 例:市場でも人気が落ち、在庫もあまり出回っていない状況(例:iPhone 14など)

 意外と分かりづらいのがこのケース。一見、供給が少ないから価値がありそうに思えますが、需要がない=誰も欲しがらない、ということで、買い取り業者は積極的に仕入れないため、買い取り価格は4つのケースの中では一番低い傾向になるでしょう。

iPhone 14 市場への流通が少ないiPhone 14の買い取り価格は下落傾向にある

例外パターンもある

 需要と供給が価格決定の基本ではありますが、実は例外もあります。例えば、以下のようなケースです。

  • 新機種が発表・発売されたとき:旧機種の価格が一気に落ちることもある
  • 大量に市場へ流通したとき:急な入荷増加で価格が下落することもある
  • 逆に同機種の市場在庫が減ったとき:プレミア化するケースもある

 つまり、価格はあくまで「相場」で決まるもの。必ずしも需要と供給だけではない、という点も覚えておきたいですね。

 また、違う視点では、為替の影響もあります。円安傾向の場合には、海外からの仕入れがしやすくなるので国内市場への供給が増えるため、販売価格が急に下落。逆に、円高傾向の場合には、海外へ販売しやすくなるので、買い取り価格が急騰する場合もあります。

業者はどうやって買い取り価格を決めている?

 買い取りを行う事業者は、単に「今人気かどうか」だけでなく、以下のような複数の情報をもとに買い取り価格を決めています。

  • 海外相場(特にiPhoneは為替の影響も受けやすい、為替の影響もあり)
  • 国内の売れ行き(フリマアプリやEC、店舗の販売実績や販売価格)※フリマアプリの中でも、特にYahoo!オークションはさまざまな機種や状態の端末が出品され流通も多いので、参考にしている業者が多い
  • 国内の買い行き(買い取りサイトや店舗の買い取り実績や買い取り価格)
  • 自社の在庫状況(在庫が多ければ価格を抑えざるを得ない)
  • 今後の新製品発表予定(モデルチェンジの前は価格が下がりやすい)

 つまり、「買い取り価格=複数の要素を掛け合わせた結果」であり、必ずしも1つの要因では決まらないのです。

ヤフオク Yahoo!オークションに出品されているiPhone SE(第3世代)。こうしたオークションでの金額も、買い取り価格の参考になるようだ

高く売るにはいつがベスト?

 最後に、多くの方が気になるであろう「高く売るタイミング」についてお伝えします。ズバリ、新機種発売の約3カ月前が理想です。例えばiPhoneなら、例年9月に新モデルが発表されます。つまり、6月〜7月あたりに売るのがベストタイミング。この時期であれば、次の新型リスクも少なく、現行モデルとしての価値も保たれています。

 逆に、発売の1カ月前や直前になると、業者は「在庫リスク(=値崩れリスク)」を考えて買い取り価格を下げてしまう傾向があります。スマホの買い取り価格は、「需要」と「供給」のバランスによって日々変動しています。

 さらに、例外的なタイミングや海外の相場、新機種の影響も大きく関わってきます。売却を検討している方は、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に、ベストなタイミングで手放してみてください。「買う」だけでなく、「売る」ことにも戦略を持つことで、スマホライフはもっと賢く、もっとお得になります!

著者プロフィール

粟津浜一
  • 粟津浜一

 1979年、岐阜県生まれ。筑波大学大学院 理工学研究科を修了後、ブラザー工業に入社し、研究開発に従事する。2009年1月、株式会社アワーズ(現:株式会社ニューズドテック)を設立し、代表取締役に就任。2017年3月には業界団体である一般社団法人リユースモバイル・ジャパンを設立し、初代理事長に就任。総務省やデジタル庁主催の検討会にも、構成員やオブザーバーとして参加。

 創業以来、一貫して中古端末市場の専門家として活動し、これまでに100以上のメディアに出演した実績を持つ。


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