スマートカー「BYD SEAL」は500万円弱でもコスパ抜群 ガジェット愛好家も“新しいカーライフ”に大満足(2/3 ページ)

» 2025年09月25日 06時00分 公開
[佐藤颯,ITmedia]

驚くほど快適な「給油がいらない生活」 最新のEVは長距離も走れる

 さて、電気自動車を所有して感じた最大の変化は、「ガソリンスタンドに行かなくていいこと」である。筆者は自宅に普通充電器を設置しており、帰宅後にケーブルをつなぐだけで翌朝にはある程度充電が完了している。スマートフォンを充電するような感覚で車を管理できる。

 今までは給油のためにガソリンスタンドに立ち寄ることが日常だったが、これがなくなり、変動する燃料価格も気にならなくなった。家に帰れば車に燃料を入れられるのは非常に便利に感じている。

 また、ガソリンスタンドは深夜早朝に営業していないお店も多いが、充電スタンドは田舎でも24時間解放されている場所が多く、深夜でも安心して利用できた。このあたりも大きな変化だと実感している。

 経済面でもEVは有利になる。夜間電力はもちろん、自宅に太陽光発電設備やV2H(Vehicle to Home)設備があれば、1kWhあたりの電力コストはさらに下がる。30円/kWhで試算すると、SEALクラスでもフル充電にかかる費用は約2500円程度で済む。

 一方、一般的なコンパクトカーで同じ航続距離を得るために必要なガソリンを40L、価格を160円/Lと仮定しても6000円前後になる。年間で数万円以上の燃料費削減も十分見込める。

 BYD SEALのような大容量バッテリー(82.56kWh)搭載車では、たとえ夜間の8時間で25%しか回復しなくとも、150〜180キロ程度の走行は可能。これで数日分の通勤・買い物を賄える。週末に遠出しない限り、週1回の充電で十分という感覚だ。

BYD SEAL 電気自動車は自宅で充電できることがかなり大きなメリットだ

 電気自動車を検討する際、誰もが一度は考えるのが「電欠」という不安だろう。しかし、BYD SEALは公称640キロ(RWD)、575キロ(AWD)というロングレンジを実現しており、実走行でも高速走行かつエアコンを使用した状態でも480キロ以上は走れる。

 筆者は実際に新潟〜大阪間(1200キロ)を往復したところ、途中3回の急速充電(150kW級で30分)で問題なく走破できた。埼玉〜新潟間(280キロ)なら70%の状態からでも無充電で走破できた。

 電欠におびえるというより、ここまで長距離を走れるなら「途中の休憩がてら充電すればいい」と自然に受け入れられる感覚だった。300キロ程度走ったら、道の駅で休憩する、サービスエリアで飲食休憩をとるとちょうどいい。時間にして3時間程度走ったら30分の小休止という感覚で利用すると、ガソリン車に近い感覚で利用できた。

 SEALの場合、150kW級充電器であれば15分程度の充電でも20%(150〜180キロ)ほど回復するため、必ずしも「30分間充電しなければならない」わけでもない。柔軟に休憩時間を設定できた。

 仮に残量10%以下でも自宅で充電できるという安心感は大きい。目的地が自宅なら「赤ランプ点灯=すぐに給油しなければ」というプレッシャーがないため、心にも時間にも余裕が生まれる。これは家庭充電が可能なEVならではの新しいライフスタイルだ。

BYD SEAL 電池残量6%(ガソリン車で言う赤ランプ点灯)で自宅に帰ってきても怖くない点は大きな変化だと感じる

これほどの車が「500万円以下」で買えるという衝撃

 BYD SEALの真価は、価格と装備のバランスにある。日本仕様では最上位グレード相当のパッケージが標準となっており、停止から発進、加減速まで自動で行うクルーズコントロールにレーンアシスト機能、全方位を確認できるカメラを標準装備している。

 加えて、DYNAUDIO監修のオーディオシステム、本革張りシート、PM2.5対応の空気清浄機能、シートベンチレーションなど、通常は高級グレードにしかない装備が惜しげもなく搭載されている。

 走行性能も非常に優秀で、AWDモデルでは0〜100キロ/h加速をわずか3.8秒でこなす。高速走行時の安定感やコーナリング時のしなやかさは、BMW 3シリーズやメルセデスCクラスの欧州車と比較しても遜色ない。外観のデザインも先進的で、内装の質感はレクサスやアウディにも引けを取らない。

 電気自動車だけあって車内の静粛性は特に優れる。車内で通話してもノイズはほとんどなく、快適に通話できる。静かな車内では後部座席の同乗者とのコミュニケーションも容易に取れるので、家族連れにもおすすめだと感じた。

 特筆すべきは、ここまでの機能が入って車両価格は初回割引で495万円から。補助金を含めれば地域によっては実質300万円台で購入可能という圧倒的コストパフォーマンスを備える。

 スマートフォンに例えるなら、「Galaxy S25 Ultra」並みの性能、機能、質感を備えながら、価格は「OPPO Reno13 A」並みという感覚になる。まさに中国メーカーが得意とする「コストパフォーマンス」に優れる製品だ。

 このコストパフォーマンスの高さは日本でも高く評価されており、BYD SEALは2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー10ベストカーを受賞。同時にRJCテクノロジーオブザイヤーも受賞するなど、日本でも高い評価を得ている。

BYD SEAL 国内メーカーなら800〜1000万円クラスの内装、装備を備えつつ価格はグッと抑えている。後部座席もクラス以上の開放感があり、コストパフォーマンスに優れる中国メーカーの強みを感じられる
BYD SEAL BYDの正規ディーラーは全国に50店舗ほどあり、筆者の在住している新潟県にも店舗があることが購入の決め手となった

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