スマホ「最新機種だから購入」は少数派に 中古スマホ好調のゲオモバイルが品質担保の秘密を公開(1/3 ページ)

» 2025年10月09日 19時16分 公開
[村元正剛ITmedia]

 中古スマホを取り扱う「ゲオモバイル」が9月29日にメディア向けの事業説明会を開催。買い取ったスマホの検品・初期化作業も公開した。中古スマホ市場で存在感を示すゲオモバイルは、どんな過程を経て生まれ、中古スマホの品質をどう担保しているのか。

ゲオモバイル ゲオモバイル店舗でユーザーから買い取った中古スマホを検品、初期化する過程をメディア向けに公開した

2025年7月に800店舗を突破したゲオモバイル店舗

 ゲオモバイルは、ゲオホールディングスの中古スマホ事業のブランドだ。2025年7月に全国800店舗を達成し、中古スマホ・タブレット市場で好調を維持している。そんなゲオモバイルの歩みについて、店舗を運営するゲオストアのM野敏郎社長が説明した。

ゲオモバイル ゲオストア 代表取締役社長のM野敏郎氏

 ゲオグループは1986年に愛知県豊田市でビデオレンタル店として創業。現在は愛知県名古屋市に本社を構えている。中古スマホやゲームの他、DVD、CDなども取り扱う「ゲオ(GEO)」をはじめ、古着や中古家電を扱う「セカンドストリート(2nd STREET)」、高級腕時計やブランド品を扱う「OKURA(おおくら)」など、幅広いリユース事業を展開。グループ全体で約2000店舗を運営しているという。

ゲオモバイル ゲオグループの事業概況

 なお、40周年を迎える2026年10月に、社名をセカンドリテイリングに変更することを発表している。2035年までに5000店舗体制にし、グループ売上高1兆円を目指しているという。

 携帯電話事業は2002年に、北海道で家電量販店を買い取る形でスタート。当初は携帯電話の契約代理業で、新品だけを扱っていた。しかし、iPhoneの登場やSIMカードの普及などで中古スマホのニーズが徐々に拡大したため、事業を中古スマホに転換し、2014年に名古屋市の大須に、現在のゲオモバイルの前身となる「Smart&Collection」をオープンさせた。ちなみに、大須は東京の秋葉原、大阪の日本橋と並ぶ電気街だ。

 Smart&Collectionは月間500万円の売上目標を設定していたが、わずか3日でその目標を達成。中古スマホのニーズの高さに驚かされたという。翌2015年には、屋号を「ゲオモバイル」に統一し、全国に店舗を拡張。2021年に全国47都道府県への出店を果たし、2025年7月に800店舗を突破。さらに出店を進め、1000店舗体制を目指している。全国で携帯電話のキャリアショップは減少する傾向にあるが、対照的な展開となっている。

ゲオモバイル 携帯電話事業は2002年に北海道でスタート
ゲオモバイル 2015年以降の10年で大きな成長を遂げた

スマホ購入の決め手が「最新機種」の人は少数派に?

 ゲオの中古スマホ事業はなぜ好調を維持しているのか。ゲオ モバイル販売推進部 ゼネラルマネージャーの藤巻亮氏は、ゲオモバイルが2025年8月に行ったアンケート調査の結果などを元に、中古スマホ市場の市況について説明した。

ゲオモバイル ゲオ ゲオ事業本部 モバイル販売推進部 ゼネラルマネージャーの藤巻亮氏。2002年の北海道での携帯電話事業の立ち上げに携わり、以降、ゲオグループの中古スマホ事業を率いている
ゲオモバイル MM総研の調査結果を用いて、中古スマホ市場の現況について解説した

 同社のアンケート調査によると、スマホを購入する際の決め手として「最新機種」を挙げる人はわずか4.8%にすぎず、予算や必要な機能の有無を重視する人が多かったという。

ゲオモバイル ゲオモバイルの調査結果によると、スマホを選ぶ上で、最新機種であることを重視する人は非常に少ないようだ
ゲオモバイル 最新機種ではないスマホを購入した経験がある人は46.7%もいたという

 自分の使い方に合ったスマホを求める傾向が強まっており、中古スマホ市場は今後も成長する見通しだという

 2025年上半期の中古スマホの販売と買い取りランキングも発表した。ベスト10ではiPhoneが多いが、ゲオモバイル全体でのiPhoneとAndroidの比率は、市場シェアと同等とのこと。iPhoneはいろいろな機種にニーズがあるが、Androidは比較的安価な機種が人気で、イヤフォンジャック付きやmiroSD対応の機種の需要も高いという。

ゲオモバイル ゲオモバイルでの2025年上半期の販売・買い取りランキング
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