JR東日本とパスモ、PASMO協議会は11月25日、2026年秋以降に新しいコード決済サービス「teppay」を提供すると共同で発表した。teppayはモバイルSuicaとモバイルPASMOのアップデートとして実装され、既存アプリのまま利用できる点を特徴とする。新規アプリのインストールや煩雑な初期設定が不要で、ユーザーが現在使っている環境をそのまま保ちながらコード決済に対応させる構想を示した。
teppayの提供時期は、モバイルSuica版が2026年秋以降、モバイルPASMO版が2027年春となっている。JR東日本、パスモ、PASMO協議会は利用方法や導入店舗の情報を順次公表する。
会場では報道陣にスマートフォンが配布され、開発中のteppayの一部機能を試すことができた。会場内では「てっぺい」という大きな決済音が響き、支払い操作の度に特徴的な音が鳴る仕様が強い印象を残した。
コード決済では、決済音の扱いが常に議論の的となる。「PayPay」では利用者が音を消せない仕様になっており、PayPay広報は「決済が完了したことをユーザーと加盟店が確認できるように鳴らしております」と以前の取材時に説明していた。こうした例があるため、teppayも同様に音が固定されるのかどうかが注目されそうだ。
しかし会場で配布された端末では、通知音を消音に切り替えると、teppayの決済音が鳴らなくなった。ただ、この仕様は試作段階に限った挙動で、実際のサービス開始時にはPayPayと同様に消音にできない可能性はある。
そこで、決済音の扱いについてJR東日本 マーケティング本部 Suica・決済システム部門 決済・金融ユニット マネージャー 小澤達氏に確認した。
端末の通知音量を下げると決済音が消音に切り替わった理由について、小澤氏は「今のこのモックでは、音を下げると鳴らない仕様になっています。本番についてはまだ調整中ですが、決済音が鳴ることでお店側も『決済が終わった』ということを認知できるということもあるので、そこを意識しながら最終的には調整という形になると思います」と話した。
決済音を鳴らす意図については「おっしゃる通り。『耳残り』というか、それによってブランド認知を高めていくという効果があるので、当然そういったところも意識しています。(仕様の)最終確定はしていないが、ブランド認知を高めていきたいので、そういったことも意識していきたいと考えています」と語った。
消音を望む声への対応を問うと「もちろん(ユーザーの皆さんの声を)踏まえたいとは思っていますが、他のペイメントサービスもなぜ音を出しているかというと、先ほど申し上げた通りブランド認知のようなところがあると思うので、そこはバランスかなと思っています」と回答した。
さらに、「お客さまだけでなく加盟店側にも『終わった』とお知らせしないといけない。お客さまの声を無視するわけではなく、しっかりと取り入れながら一緒に考えていけたらなと思っています」と、ユーザーの声を加味することを示唆した。
音が鳴るタイミングについても「今のところは、コード(QRコード/バーコード)おをタップしたとかではなく、『決済が終わった時』のみを想定しています」と説明した。バーコード読み取りの場合も音が鳴るのかとの質問には「鳴ります。『決済が終わったよ』ということを、お客さまだけでなく加盟店さんにもお知らせしないといけません。画面の下にあるスキャンしての決済の時も鳴ります」と回答した。
teppayの決済音は、ブランド認知と加盟店への通知という目的を持ちながらも、静かな決済音との調整が引き続き課題となる。試作版では消音が可能だったが、正式版で同様になるかは未確定のようだ。サービス開始に向けた決済音の最終仕様が、利用者の体験を左右することになりそうだ。
PayPayの決済音を消せない2つの理由
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