導入を検討している企業に向け、FIDOアライアンスでは「Passkey Index」で各種指標を公開している。これは、早くから導入し、ユーザーの利用率が高いドコモ、LINEヤフー、メルカリ、Amazon、Google、Microsoft、PayPal、Target、TikTokの9社が提供したデータを指標化したもので、グローバルに公開されている。
FIDOアライアンスのエグゼクティブディレクター兼CEOのアンドリュー・シキア氏によると、「ログイン時間の短縮率は73%、認証成功率は93%、ヘルプデスクへの問い合わせ減少率が81%にもなっている」といい、パスキーの導入による効果が大きいことが強調された。ID、パスワードによる認証に比べ成功率が高く、失敗が少ないため、サポートに頼る頻度も大きく下がるというわけだ。
また、日本特有の課題として、高齢者が使いこなせるかどうかや、男女比に偏りがないかといった問い合わせが多いという。これを受け、FIDO JapanではPasskey Index Japanを公開。Passkey Indexの9社の中で日本企業かつスマホでの利用率が5割を超えているドコモ、LINEヤフー、メルカリの指標を用いて年齢別、男女比別などのデータを公開している。
森山氏によると、全体での認証MAU(マンスリー・アクティブ・ユーザー)の50.4%がパスキーによるもので、40代は53.5%と平均よりやや高い数値が出ている。一方、60代、70代、80代以上が低いかというと必ずしもそうではなく、「幅広い年齢層の方にお使いいただけている」(同)。男女別に見ると、男性が51.5%、女性が49.2%となり、「男女比は非常にフラット」な状況だ。
実際、パスキーはパスワードのように複雑な文字列を設定する必要がなく、複雑な仕組みとは裏腹に利用の仕方はシンプルだ。スマホの指紋認証や顔認証を登録するだけで簡単に利用できるようになる。「Googleパスワードマネージャー」や「iCloudキーチェーン」で他のデバイスにも移せるため、機種変更やマルチデバイスでの利用も比較的容易だ。
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