今日から始めるモバイル決済

楽天ペイの「還元率引き下げ見合わせ」で分かった“1.5%還元”の価値 PayPay、d払い、au PAYと比較する

» 2026年01月28日 11時30分 公開
[綿谷禎子ITmedia]

 楽天ペイメントは、2026年3月1日から予定していた「楽天キャッシュ」による「楽天ペイ」チャージ払いの還元率引き下げや条件の変更について、準備の都合により見合わせることを発表した。

楽天ペイ 楽天ペイのチャージ払い(楽天キャッシュ)

 その変更内容というのが、楽天のオンライン電子マネー「楽天キャッシュ」にチャージした残高で、「楽天ペイ」のQRコード決済をしたときのポイント還元率を、1.5%から1%に引き下げるという内容だった。

 1.5%還元の条件となる「楽天ポイントカード」の提示回数も、2回以上から5回以上に引き上げるなど、1%還元を得るための条件も少し厳しくなることから、ネットで「改悪」の声が上がり、「もう使わない」「使う意味があるのか」といった反応も広がっていた。

 今回のポイント還元条件の変更の見合わせは、こうしたユーザーの反響も影響したと考えられる。「今後、変更が発生する場合は、改めてお知らせいたします」としていることから、延期ではなく、当面、変更はせずに従来通りに利用できるということだろう。

楽天ペイではチャージ払い(楽天キャッシュ)がお得

 楽天ペイの支払いには以下の4つの方法があり、この中で一番ポイント還元率が高いのが、1.5%還元のチャージ払いだ。それ以外の支払い方法は1%還元になる。

  • 楽天ペイの支払い方法
    • 1.5%還元「チャージ払い」:楽天キャッシュにチャージして支払う
    • 1%還元「ポイント払い」:楽天ポイントで支払う
    • 1%還元「楽天銀行口座払い」:楽天銀行口座から引き落とし
    • 1%還元「カード払い」:楽天カードや楽天銀行デビットカードから引き落とし
楽天ペイ 楽天ペイの条件別還元率

 楽天カードや銀行口座、楽天Edyなどから楽天キャッシュにチャージして支払うのはひと手間かかるが、そうするだけで通常よりもポイント還元率が0.5%もアップする。しかも加盟店で楽天ポイントカードを2回提示するだけで、ポイント還元率1.5%が達成できるという条件は、他社に比べてかなりハードルが低かった。

他社のQRコード決済サービスのポイント還元率をおさらい

 他社のポイント還元率アップの条件には、決済回数や決済金額、ポイントの獲得、サービスの利用などが求められ、なかなかハードルが高い。例えばPayPayは「PayPayステップ」の条件を達成することで、ポイント還元率が最大2%までアップする。しかしその道のりは決して容易ではない。

  • PayPayステップのポイント還元率アップの条件
    • 基本付与率0.5〜1%(「PayPayクレジット」や「PayPayカード」決済の場合1%)
    • +0.5%:200円以上の支払いを30回以上、合計10万円以上の支払金額を達成
    • +0.5%:「PayPayカードゴールド」をクレジット利用設定する
PayPayステップ 条件達成で還元率が上がるPayPayステップ

 PayPayカードで決済することで1%還元は得られるが、それ以上になると毎月30回、10万円以上の決済を行ったり、年会費1万1000円の「PayPayカードゴールド」に入会したりする必要がある。

 ソフトバンクやY!mobileの契約者で、毎月の通信料金が最大10%還元されるメリットからPayPayカードゴールドを利用しているならともかく、PayPayのポイント還元率アップのためにPayPayカードゴールドに入会するのは本末転倒。このことは他社のゴールドカードにも当てはまる。

 そして「d払い」の場合は、ドコモのポイントプログラム「dポイントクラブ」のランクによって、ポイント還元率が最大2%までアップする。基本還元率は0.5%だが、支払い方法を「dカード」にすることで、「dカード支払い特典」として0.5%アップし、合計1%還元になる。

 しかしそれ以上を目指すには、3つ星以上へのランクアップが必要。3つ星ランクは直近3カ月間の累積ポイント数が600ポイント以上になるので、1%還元のd払いの場合、6万円(1カ月2万円)の決済が必要。4つ星ランクは1500ポイントで15万円(1カ月5万円)、5つ星ランクは5000ポイントとなり、50万円(1カ月約17万円)の決済になる。

dポイント dポイントクラブのランクアップに必要なポイント獲得数
dポイント dポイントクラブのランクごとのd払い特典

 実際にはドコモの通信料金やdポイント加盟店の利用、ランクアップによるポイント還元率のアップなどがあるので、記載したほどの決済は必要ではないものの、それなりにd払いやdカードなどで買い物しないことには、1.5%以上の還元率アップは望めない。

 一方、「au PAY」は「au PAY ゴールドカード」限定特典として、「ポイントアップリワード」を用意している。au PAY ゴールドカードからau PAY 残高にオートチャージすると、オートチャージ金額に対して最大5%のポイントを還元。基本還元率の0.5%を加えると、最大5.5%還元になる。

  • au PAY ゴールドカード限定ポイントアップリワードの条件
    • +1% au PAY ゴールドカードに入会
    • +1% au PAY ゴールドカードの支払口座を「auじぶん銀行」に設定
    • +1% au PAY ゴールドカードで「auでんき」料金を支払い
    • +1% au PAY ゴールドカードの家族カードを保有&利用
    • +1% au PAY ゴールドカードのETCカードを年1回以上利用
au PAY au PAYは条件を達成すると、買い物で最大5.5%の還元を受けられる

 他社と比べるとポイント還元率が高いものの、その分、グループのサービスをより多く利用することが求められる。また、最大5%のポイント還元には月間最大1000ポイントの獲得上限が設けられているので、買い物すればするほどお得になるというわけではない。

まとめ:楽天ペイの1.5%還元はハードルが低い

 このように他社の状況を見てみると、楽天ペイのチャージ払いでポイント還元率1.5%という設定が、いかにハードルが低く、高還元率なのかが分かる。筆者としては1.5%還元が1%還元に引き下げられたとしてもやむを得ないと思いつつ、もしそうなったら同じ1%還元なのだから、楽天カードで決済した方がチャージする手間が省けるなと考えていた。

 とはいえ、今回はポイント還元率や条件の変更が見合わされたので、しばらくは今まで通りに使えそうだ。コード決済サービスのポイント還元率を本気でアップしたいなら、「auバリューリンク マネ活2」や「ペイトク」など、キャリアが提供する通信プランに加入する方法もある。この機会に今後の決済方法や利用する経済圏について、一度、考えてみるといいだろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年08月12日 更新
  1. 楽天の三木谷氏がStarlinkに言及――「正直に言って……」 AST SpaceMobileは過疎地域や海上で効果発揮か (2026年08月10日)
  2. LINEの「ミュートメッセージ」有料化へ 相手のスマホを鳴らさずに送れる便利機能 (2026年08月10日)
  3. “デカすぎるハンディファン”と話題を集める「ゴリラの扇風機」を試す 羽根が大きいと風が強くて静か (2026年08月11日)
  4. 【ワークマン】1900円の「アーバンマルチストレージショルダー」 大きく開く小分けポケット搭載 (2026年08月10日)
  5. 楽天モバイルの「営業損失」と「解約率」は改善を継続――楽天グループが2026年度第2四半期決算を発表 (2026年08月10日)
  6. KDDIからの独り立ちを目指す楽天モバイル、ローミング交渉の現在地――両社の考えを整理 (2026年08月10日)
  7. ハイエンドスマホ「arrows Alpha」、IIJで半額以下の3万円台に 11月4日21時59分まで【スマホお得情報】 (2026年08月10日)
  8. 新幹線「独りぼっち席」が話題――「2000円追加で“隣が空席”」との声、なぜ導入? (2026年08月11日)
  9. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  10. 米国外初の「Google Store 表参道」13日14時開店 限定ノベルティー配布 (2026年08月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー