ANAがMVNOサービス「ANAモバイル」を開始した。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2026年3月28日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
昨年、JALモバイルが登場したが、一気に火がつき、MVNEであるIIJにも好決算をもたらした。MVNO業界では「第2のJAL」を求めて、オプテージやミークモバイルなどMVNE事業を強化するところが現れ始めた。
ANAモバイルではMVNEの名前を頑なに明かしていないが、状況証拠や関係者に取材をすると、IIJの可能性が極めて高いようだ。
通信業界だと「ライバルと同じプラットフォームでは差別化できない」として、他とは異なるパートナーを選ぶ傾向が強い。
例えば、かつてKDDIのau PayカードがApple Walletに対応する際、クレジットカードベースの非接触ICサービスはiDかQUICPayの2択となっていた。やはり、KDDIとしては「NTTドコモと一緒になってはいかん」ということでQUICPayをあえて採用したなんて逸話があったとされている。
その点、航空会社は予約管理システムなどを筆頭に選択肢も少なく、他での実績を重んじるようで、ライバルと一緒のプラットフォームを採用するのにあまり抵抗はないようだ。
ANAモバイルは、料金プランやオプションの支払額に対して、20%分のマイルが付与されるという、実にわかりやすい、かつ大盤振る舞いな設定だ。
JALモバイルは25GBで2000円だと100マイルなので、5%という扱いとなる。ただ、JALモバイルではシークレットマイルとして、毎月、アプリを起動すると数日間だけクーポンが発行され、それが100マイルもらえるようになっている。ゲーム性を導入することで、アプリの起動機会を創出し、顧客との接点を増やそうというわけだ。
ちなみにJALモバイルでは通常、7000マイルでどこかの往復特典航空券がもらえる「どこかにマイル」を1500マイルで利用できるという特典もある。
自分もこの「どこかにマイル」を行使するのを楽しみにしていたが、結局、1年間で1回も行使することなく、最初の1年間が終わってしまった。
JALモバイルとしては「航空会社のMVNOならではのサービス」として位置付けているが、ANAモバイルの「そんなことより、毎月、盛り盛りマイル付与」のほうが結果的に、ユーザーに優しいのかもしれない。
ANAはかつて「ANA Phone」としてMVNOに参入したことがあったが、当時は端末ありきのサービスであったため、契約するハードルが高く、ANAでマイルを貯めている人であっても、とっつきにくかった。
今回は通信契約のみということで、手軽に契約できるのが嬉しいところだ。
JAL、ANAというわかりやすく、それなりに支持されている経済圏がMVNOデビューしたことは喜ばしいが、JAL、ANAに続く、「第3の巨大経済圏候補」が何になるのか、なかなか思いつかない。
MVNE事業を強化するプレイヤーたちが、次にどんな金脈を掘り当てるのか、いまから楽しみでならない。
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