こうした3つの特典は、値上げされる既存の料金プランにも付帯する形になる。例えば、ペイトク無制限/50/30にはSoftBank Starlink Directに加えて、Fast Accessと海外データ放題が5日分付属する。メリハリ無制限+も同様だ。新サービスの対価として、値上げを許容してもらう狙いがあるといえる。
ただ、ペイトクやメリハリ無制限+で無料になる5日間という日数は、新料金プランのペイトク2やテイガク無制限の1カ月よりも短く、ミニフィット2と同じ。新料金プランは、値上げ後の現行料金プランよりもわずかに高いが、ローミングが無料になる日数の差はその金額以上に大きい。
この点は、以前からの料金プランを値上げしながら残し、その上位プランとして新たに「auバリューリンクプラン」を導入したKDDIとの大きな違いだ。現行のペイトクやメリハリ無制限+は、値上げに先立ち、6月1日で新規受付が終了する。既存のユーザーは使い続けることができるが、新たにソフトバンクを契約する際には選択できない。
一方で、料金プランに付帯するサービスがネットワーク関連を中心にしている点は、KDDIとほぼ同じだ。ドコモや楽天モバイルが映像系サービスをセットにしたのとは対照的といえる。こうした点を問われた寺尾氏は、「コンテンツは本質的に嗜好性が高い」と指摘しながら、次のように語る。
「いずれのサービスも、(契約者全体の中で使うのは)10%から20%。そういうサービスを無理に付け、全体(の料金)を上げてというのはお客さまのニーズに合わないのではという議論になった。ソフトバンクやY!mobileの方がNetflixなどのさまざまなサービスに入ったら割引するというサービスはありうるが、衛星にしろ海外ローミングにしろ、つながることに重点を置くのが一丁目一番地ということで今回のものを選んだ」
裏を返すと、これは、ソフトバンクがネットワーク品質を武器にしようとしている意思表示ともいえる。新料金プランの発表会では、冒頭で寺尾氏が「一番の価値はつながるネットワーク」と述べており、トラフィックが5年で1.6倍に伸びている中、品質を向上させてきたことを解説。基地局数や第三者機関の調査結果なども紹介された。
例えば、英調査会社Opensignalの調査ではKDDIの世界一という順位が目立つ一方で、中身を見ているとソフトバンクが肉薄していることが分かる。ソフトバンク傘下のAgoopが調査したデータでも傾向は同じで、ソフトバンクがトップながらKDDIがそこに追随している。
いずれの調査でもネットワーク品質の高い上位2社と下位2社には明確な差があり、KDDIとソフトバンクは常に前者としてカテゴライズされることが多い。ネットワーク品質に自信があるからこそ、サードパーティーのコンテンツに頼らず値上げに踏み切れたというわけだ。
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