サムスン電子は、Googleとの協力を深化させており、Galaxyシリーズの最新モデルにAndroidやGeminiの新機能をいち早く搭載する取り組みを始めている。あたかもGoogle純正端末かのような早さだが、こうしたスピード感で取り組めるのは開発プロセスから協力体制を敷いているからだ。
もう1つの取り組みが、「NotebookLM」から「Gemini Notebook」に名称を改めたアプリのプリインストール。単にアプリを内蔵しているだけでなく、画面分割時にテキストや画像をドラッグ&ドロップでGemini Notebookのソースとして保存できるようにするなど、Galaxy Z Fold向けのカスタマイズも施されている。
こうした機能を実現しやすいのも、フォルダブルスマホが求められている理由だ。AIの進化により、デバイスの形がバータイプのスマホである必要が薄れてきているといえる。その考え方の延長線上にあるのが、サムスン電子とGoogle、さらにアイウェアブランドのGENTLE MONSTERやWARBY PARKERがタッグを組んで開発したAIグラスだ。
Unpackedでは、このAIグラスも披露された他、ハンズオンコーナーにはモックアップとみられる本体も展示されていた。カメラを搭載しており、それを通じて得られた映像をGeminiが解析、音声を通じてユーザーに分析結果などを伝える仕掛けだ。
このように、AIの浸透がデバイスの多様性を拡大しつつあるのは確かだ。一方で、サムスン電子は、単にGalaxy Z Foldの選択肢を増やしたわけではなく、開くと横長になるパスポートサイズのGalaxy Z Fold8をフォールド型の“標準モデル”に据えている。「Galaxy Z Fold8 Wide」などと名付けた派生モデルではないことからも、その重要性が高いことが分かる。
ただ、そのためにGalaxy Z Fold8は、Galaxy Z Fold7までのノウハウを受け継いでいない部分もある。その1つが、半開きの状態でノートPCのような形状にして使うフレックスモードだ。Galaxy Z Fold8は、ヒンジの固定がしづらく、90度以上に角度をつけるとそのまま画面が開いてしまう。その上、ソフトウェアもフレックスモードに対応していない。
Galaxy Z Foldの標準モデルに据えるには、やや詰めが甘い部分があるのも事実だ。Unpackedで明言はされなかったものの、その背景には折りたたみ型iPhoneの市場投入が迫っていることがありそうだ。あくまでウワサや流出情報に基づく情報だが、AppleもフォルダブルiPhoneを開発している可能性は限りなく高い。その投入時期が近づきつつあるといった話もさかんに報じられている。
そのフォルダブルiPhoneは、Galaxy Z Fold8と同様、開くと横長になるパスポートサイズだといわれている。ここに対抗するため、先手を打ってGalaxy Z Fold8を投入しつつ、既存のモデルもUltraとして残すことでiPhone包囲網を敷いたというわけだ。メモリやストレージが高騰している中、価格を先代モデル並みに抑えてきたところからも、サムスンの本気度が伝わってきた。
(取材協力:サムスン電子ジャパン)
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