サムスンが「Galaxy Z Fold8」で横長折りたたみを投入する理由 AIの進化にもマッチ、“iPhone包囲網”も万全か石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2026年07月25日 12時21分 公開
[石野純也ITmedia]
前のページへ 1|2|3       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

デバイスの多様化はAIグラスにも、Fold8はiPhone対抗の意味合いも

 サムスン電子は、Googleとの協力を深化させており、Galaxyシリーズの最新モデルにAndroidやGeminiの新機能をいち早く搭載する取り組みを始めている。あたかもGoogle純正端末かのような早さだが、こうしたスピード感で取り組めるのは開発プロセスから協力体制を敷いているからだ。

 もう1つの取り組みが、「NotebookLM」から「Gemini Notebook」に名称を改めたアプリのプリインストール。単にアプリを内蔵しているだけでなく、画面分割時にテキストや画像をドラッグ&ドロップでGemini Notebookのソースとして保存できるようにするなど、Galaxy Z Fold向けのカスタマイズも施されている。

Galaxy Z Fold8 Gemini Notebookにも対応し、ドラッグ&ドロップでソースを追加できるようになる

 こうした機能を実現しやすいのも、フォルダブルスマホが求められている理由だ。AIの進化により、デバイスの形がバータイプのスマホである必要が薄れてきているといえる。その考え方の延長線上にあるのが、サムスン電子とGoogle、さらにアイウェアブランドのGENTLE MONSTERやWARBY PARKERがタッグを組んで開発したAIグラスだ。

Galaxy Z Fold8 サムスン電子のMXビジネス社長の崔元俊(チェ・ウォンジュン)氏は、AIグラスをかけて登壇した

 Unpackedでは、このAIグラスも披露された他、ハンズオンコーナーにはモックアップとみられる本体も展示されていた。カメラを搭載しており、それを通じて得られた映像をGeminiが解析、音声を通じてユーザーに分析結果などを伝える仕掛けだ。

Galaxy Z Fold8
Galaxy Z Fold8 サムスンとGoogleが共同開発しているAIグラス。左がGENTLE MONSTER、右がWARBY PARKERのモデル

 このように、AIの浸透がデバイスの多様性を拡大しつつあるのは確かだ。一方で、サムスン電子は、単にGalaxy Z Foldの選択肢を増やしたわけではなく、開くと横長になるパスポートサイズのGalaxy Z Fold8をフォールド型の“標準モデル”に据えている。「Galaxy Z Fold8 Wide」などと名付けた派生モデルではないことからも、その重要性が高いことが分かる。

 ただ、そのためにGalaxy Z Fold8は、Galaxy Z Fold7までのノウハウを受け継いでいない部分もある。その1つが、半開きの状態でノートPCのような形状にして使うフレックスモードだ。Galaxy Z Fold8は、ヒンジの固定がしづらく、90度以上に角度をつけるとそのまま画面が開いてしまう。その上、ソフトウェアもフレックスモードに対応していない。

Galaxy Z Fold8 左がGalaxy Z Fold8。フレックスモード自体がなく、カメラのファインダー部分が折り目と重なってしまって見づらい

 Galaxy Z Foldの標準モデルに据えるには、やや詰めが甘い部分があるのも事実だ。Unpackedで明言はされなかったものの、その背景には折りたたみ型iPhoneの市場投入が迫っていることがありそうだ。あくまでウワサや流出情報に基づく情報だが、AppleもフォルダブルiPhoneを開発している可能性は限りなく高い。その投入時期が近づきつつあるといった話もさかんに報じられている。

 そのフォルダブルiPhoneは、Galaxy Z Fold8と同様、開くと横長になるパスポートサイズだといわれている。ここに対抗するため、先手を打ってGalaxy Z Fold8を投入しつつ、既存のモデルもUltraとして残すことでiPhone包囲網を敷いたというわけだ。メモリやストレージが高騰している中、価格を先代モデル並みに抑えてきたところからも、サムスンの本気度が伝わってきた。

(取材協力:サムスン電子ジャパン

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月25日 更新
  1. 「0.2秒で冷却」をうたうペルチェ素子搭載の腰掛けファン Amazonで53%オフ (2026年07月24日)
  2. モトローラから新しいミドルレンジスマホ「moto g37」シリーズ登場 ソフトバンク、楽天モバイル、ドコモも取り扱い (2026年07月24日)
  3. 従来の健康保険証は7月31日で利用不可に 8月1日以降は「マイナ保険証」の利用を (2026年07月24日)
  4. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  5. Galaxyの新折りたたみが4キャリアそろい踏み 各社が語る「価格」「ネットワーク」「サポート」の差別化戦略 (2026年07月23日)
  6. 「HUAWEI WATCH FIT 5」実機レビュー 長持ちバッテリーと新機能“ミニストレッチ”の実力は? (2026年07月24日)
  7. パスポート型の折りたたみ「Galaxy Z Fold8」を速攻チェック 使い方を変える形状だが“なくなった機能”も (2026年07月22日)
  8. レーベル面が見えてインテリアにもなる「ENVYCLOUD ポータブルCDプレーヤー」が47%オフの4780円に (2026年07月21日)
  9. 横折りスマホ「Galaxy Z Fold8 Ultra」のSIMフリー版は30万円弱〜39万円弱 いろいろスペックアップして8月7日デビュー (2026年07月22日)
  10. なぜ「LINE VOOM」は嫌われたのか 保護者を悩ませた“子供たちの抜け道” (2026年07月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー